青磁のいま。

7月19日 大阪は雨、静岡は晴れ

台風11号の影響で、昨日は電車の不通、遅延、分断に振り回され、大幅に予定が遅れたままの一日となってしまいました。

今日は朝から静岡までの弾丸出張の予定が入っていたことも有り、神戸に帰ることを断念、なかなかリザーブが取れない大阪で安ホテルを探してお泊まりとなってしまいました。

軽い帰宅難民みたいなものです。(苦笑)

しかし、帰ることを諦めたお陰で、結局普段よりもゆっくりと睡眠時間が取れて、朝の目覚めはスッキリ☆

予定より少し早め、というかいつになくずいぶんと余裕を持って、新幹線に乗り込みました。

我ながら良い判断だったのではないかと、(笑)

竹千代像
竹千代像

 

久しぶりとなる静岡では、何でも家康公の生誕400年祭を開催している様で、きれいな街が何となく盛り上がっているようでした。

静岡駅周辺には駿府に三度も居を構えたという徳川家康縁の地がたくさん有るみたいで、時間もあることやし、たまには観光でもしてみよーかなー、なんて思いましたが、あちこち歩き回る程時間があるわけではなく、中途半端なので史跡巡りは諦めました。

徳川家康像
徳川家康像

が、しかし、以前から一度行ってみたかった駅前の『静岡市立博物館』で『青磁のいま』というタイトルで陶器展が行なわれているのを発見!

吸い込まれる様に行ってみました。(笑)

青磁といえば、台湾の故宮博物館で大きなフロアーを割いて産地とその成り立ち、生産の変遷、官窯として重用されたその歴史を非常に詳しく紐解いており、昨年の訪台の際にずいぶん勉強させて頂きました。

また、昨年逝去された山本兼一氏の名を一気に世に知らしめた『利休にたずねよ』では利休が生涯恋慕し、悩まされ続けた、高麗の姫の形見として登場した『緑釉の香合』と共に随所に青磁の香炉等が登場、その美しさの描写が執拗と言って良い程繰り返されていて、深い印象となって焼き付いてしまっています。

静岡市立美術館
静岡市立美術館

そんなこんなで興味津々、青磁の黄金時代をになった宋時代、有名な龍泉窯の名物と共に中国、高麗、朝鮮から伝わって来たものではない、日本の陶芸家が本歌を凌駕、もしくは新たな境地を切り開く気概を込めて作陶した茶碗、壺、花器等々、故宮博物館で観たものとはまた違う雰囲気を醸す器を観ることが出来ました。

中でも、氷裂と言われる釉薬が何重にも作り出す紋様には人間の意志を越えた美しさが宿っている様に思えました。もし、これを意のままに操って作陶していたとしたら、どれくらいの経験と挑戦、そして努力と言うより執念を燃やし続けたのだろうか、なんて思ったり。

道を究めた人の残した作品は魂が乗り移っているような迫力があります。

 

今回、一番記憶に残ったのはコレ、

青磁輪花椀 銘 鎹
青磁輪花椀 銘 鎹

青磁のカスガイ茶碗ってたしかに何かの小説の中に出て来たと思うのですが、、

いくら考えても思い出せなくて、モヤモヤしたままですが、頭の中でイメージしていた名物を実際にこの目で観れたのはいわゆる『福眼』と言うのでしょうか、幸せな気分を味わう時間となりました。

モチロン、その後はガッツリと仕事、クライアントと一緒に新規店舗の物件調査を行ないましたよ。(笑)

ま、たまには出張のついでにその地の文化や伝統に触れてみるのも良いものでした。

考えても見ればこれも台風のお陰かも。禍転じて福と為すですね、、

ありがとうございます。(笑)

 

とにかく、『青磁のいま』展、思いの外良かったので、静岡界隈にお住まいの皆様、一度足を運ばれてみては如何でしょうか?

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