7月29日曇りのち雨 富士山頂にて
今回も何とか無事に富士山から帰ってきました。
6年連続6回目となる富士登山、今年は今までにない位タフな登山となりました。
過去5年間、これまでの参加者の「富士山に登ってみてよかった」と言う口コミが徐々に広がり、毎年参加人数が増え続けている夏の富士登山、今回は史上最多の20名でのチャレンジとなり、その中に小学生が4人、(3年生3名、5年生1名)とアテンドする私にとって史上最多&最年少達との登頂は未知の領域でした。
すみれの社員研修も兼ねていることもあり、帯同するスタッフには、サポートチームとして皆さんのお手伝いを一緒にしてくれるように言ってはありましたが、とは言え全員山頂に上ったことが無い未経験のものばかり。(苦笑)
サポートする側が逆にサポートされる側になるかもわからないね、などと冗談を言って笑いながら、一抹の不安を感じつつも昨日は8合目までなんとか予定通り全員たどり着くことができました。
高山病の恐ろしさ
しかし、(毎年ですが)問題はここから、8合目から山頂へのアタックで多くの人が高山病に悩まされます。
山小屋で4時間ほどの仮眠をとり、夜中に起きていつもより少し早めの12時から山頂へのアタックを開始しました。
起きて早々、子供の1人が気分が悪いと訴えお父さんとともにアタックを断念。
9合目に到着すると、今度は親子組のお父さんの方が不調を訴え、子供の様子も芳しくないことからここでも2人が登頂を断念。
9合目から9合五勺のちょうど中間位では、3年生の女の子がもう歩けないと座り込みました。
携帯酸素を吸入して復活し何とか山頂に辿り着きましたが、山頂でダウン。
結局、自力での下山は出来ずに8合目まで私とお父さんで霧雨の降りしきる中、急斜面を子供を背負って降りることとなりました。
小学生4名のうち、山頂までたどりつけたのは2人、自力で降りれたのは結局1人となんとも厳しい結果となりました。
医学的にもはっきりと解明されていない高山病、私も今回は頭痛に悩まされましたが、子供たちにとってはずいぶん苦しかったのだと思います。
また、子供たちが苦しむ姿を見て、子供を一緒に連れて行くと判断した親御さんにとっても非常に厳しい経験だったのではないでしょうか。
もちろん、アテンドを買って出ている私にとっても非常に辛く厳しい判断の連続でした。
苦しいと楽しいは紙一重
ただ、下山して帰途についてから子供たちに今回の富士登山はどうだった?と聞いてみると、
「楽しかった。」
「また登ってみたい。」
と言ってくれたのが主催者の私にとっては唯一の救いでした。
6年前の自分自身が得た経験から、苦しく辛い思いをしてでも日本一高いところに登る感動を多くの人に味わってもらいたいと思って毎年継続して、すっかり恒例となった富士登山。
今年も多くの感動と学びそして気づきがありました。
結局、感動をさせてもらい、気づきや学びを受け取っているのは私の方なのかもしれません。
人の苦しみを慮ること、
目標を目の前にして断念すること、
自分の限界を突破すること、
人を励まし目標へ導くこと、
何か新しい物事を成すには、常にリスクがつきまといます。
そのリスクを全てヘッジするばかりにとらわれすぎるとできることもできなくなってしまいます。
できることとできないこと。
できないと思っていてもできること。
自分が持っている力や能力についてはっきりと把握している人などそう滅多にいないと思いますし、人に対してはなおさらです。
それは過信は絶対に禁物なのと同時に、すぐにあきらめると何も成せなくなる双刃の剣であり、人生のあらゆる場面で、この悩ましい問題に私たちは直面し、判断したり選択したりを積み重ねます。
今回の富士登山では、非日常の厳しい環境の中に身を置いて、日頃あまり向き合うことのない悩ましい問題に自分を直面させることで大人も子供も内面的な成長を見られたのではないかなんて思ったり。
出来ない事にチャレンジするのは苦しい事、しかし、それが達成出来た時はこれ以上無い楽しさがそこにはあるわけで、、
私が背中におぶった高山病に苦しむ娘の後ろ姿を見てお父さんが流した涙は、様々な想いの結晶であると共に、一生の想い出になったと思います。
反省を糧にまた新たな一歩へ。
そんなこんなで、例年にも増して色んな事があり、私としては多くの反省も余儀なくされましたが、その分感動も大きかった今年の登山。
終わって見ればそれもこれも良い想い出ですね。(笑)
ご参加いただきました皆様、お疲れ様でございました。ありがとうございました。
打ち上げの乾杯の際の皆さんの笑顔を糧に、また新たな一歩を踏み出せればと思います。
さっそく来年のご案内(笑)
今回は都合がつかずに見送られた方の中で、来年は是非同情したいと言われる方ももうすでに数名おられます。
私も、今回のことに懲りず、来年もまたチャレンジをしてみたいと思いますので、「いちどは富士山頂に行ってみたい!」と思われている方は随時高橋までご連絡くださいね。
是非、子供も一緒に!と思われている方は特に早めにご相談下さい。
私と一緒に、悩ましい問題に立ち向かってみましょう。(笑)