職人起業塾@JBN京阪神木造住宅協議会研修事業、絶賛募集中。

7月30日 曇りのち晴れ

昨日富士山から戻って来て、すぐに書道のお稽古に参加したからかどうか分かりませんが、例年になく足がパンパンに張ってます。(苦笑)
朝から、若干ぎこちない動きで、昨日無事に重量鉄骨で建前を完了した工場の改修増床工事の現場へと向かいました。

曇天の経の池
曇天の経の池

 

なんでそんな判断をしてもたんや?

いつもの様にチクチクと、細かな事を現場担当者に指摘、と軽く流したいところですが、今回は看過できない大きなミスを発見、大きく手直しをする様に申し付けました。工期は一切延ばさない様に、という事と同時に。

現場合わせで細かな納まりを調整しつつ、改修工事を進めて行くのは非常に難しい工事です。ある程度、担当者の判断に任せる様にしてはおりますが、説明を聞いて納得出来ないものについては、一切妥協せずにやり直す様に言うことにしています。

「自分がお施主様の立場だったら、そんな説明で納得するんか?」

という問いかけと共に。

今回は製作した鉄骨の梁の入れ替えという大掛かりな手直しになってしまいましたが、お施主様には絶対に迷惑がかからない様しっかりと段取りをするように、という事と共に、何故こんなミスが起こったのか、そもそもの原因は何だったのかを担当者自身に深く振り返って反省を促しました。

鉄骨業者さんが、「今回の基礎工事は凄く良かったので担当者さんを褒めてあげてください。」と言ってくれていただけに、非常に残念。なかなかうまく行かないモノです。。

 

 

JBN京阪神木造住宅協議会版 職人起業塾 塾生募集

さて、表題の件ですが、このところ一生懸命に段取りをしていた新たな試みについて。

この度、京阪神木造住宅協議会主宰の研修事業として、私が毎月自社社屋で開催しているマーケティングの基礎を学ぶ勉強会、『職人起業塾』のコンテンツとコミュニケーションスキルをアップする接遇研修、問題解決能力や自分の能力を認めなおしてポジティブな発想に脳を切り替える考え方等のすみれが今まで研修事業として採用して来た内容を盛り込んだ職人、現場担当者向けの研修を始める事になり、今週のはじめに正式にリリースされました。

1期目の募集期間は8月3日まで。欠員がでた場合は再募集もあるかも知れませんし、第2期、第3期と継続して募集する予定ですが、国からの補助金は毎年予算額が変わりますし、いつまでも利用出来るとは限りませんので、少しでもご興味がある方は早めに問い合わせだけでもして頂きたいと思います。

 

京阪神木造住宅協議会版『職人起業塾』募集要項
京阪神木造住宅協議会版『職人起業塾』募集要項

 

 

職人、現場担当者向け研修事業の目的と意味

この研修事業を始める目的というか意味は大きく3つ有ります。

1つ目は、現場でのモノづくりは最大の顧客接点であるという工務店の強みを見直して、顧客現場満足を追求する人材教育を行なう事で工務店らしい強みを確立すること。

2つ目は、これから本格的にやって来る職人不足に対する対応として、今まで工務店が避け続けて来た職人を育てる体制を整えること。

3つ目は、建築業界、工務店業界にこれまで根付かなかったマーケティング(販促に頼るのではなく、自然と売上げ利益が得れる様になるシクミづくり)という考え方を参加される会社に落とし込んでもらう事。

 

 

永続的工務店モデルと問題点

全国を見渡してみると、実は派手な広告をしていなくても、しっかりと堅実な経営を長年続けておられる工務店は数多くあります。

そんな工務店さんは、地域に密着して、近隣の人々に愛され、頼りにされ、職人も優れた技術を持ち、モノづくりに真摯に取り組まれており、地域からの信頼を得て、良い仕事をしていたら紹介やリピートで工務店経営は永続的に成り立つ、という昔からの理論を実直に守られて素晴らしい業績を残されています。

そんな工務店の経営者さんに、これからもずっとなんの心配も無く、永続的に安定した業績を残せますか?と訊ねると、「大丈夫。」と答えられる方ももちろんおられますが、「不安が残る」と将来に対して心配をされる方の方が多い様に感じています。

心配をされる経営者の殆どは社長の長年積み重ねて来た信用や人間力、技術力で今の事業が成り立っている事が多く、その暗黙知が途切れたらその先はどうなるか分からない。という不安を抱かれている様に思います。

もう一つは、職人の問題。今現在、美しい丁寧な仕事をしてくれている職人が年齢を重ねた時、その後を継ぐ職人が育っていないことの危惧です。

これは工務店に限った事ではなく、リフォーム会社や施工店にも共通する問題だと思っています。

 

ヒト、ヒト、ヒト

この二つの問題を解決するには、どちらとも『ヒト』を育てるしか方法はありません。

そして、めまぐるしく情報が飛び交う今の時代、18世紀の産業革命以上の大きな社会変化と言われる情報革命が起こっている真っ最中の現代に合わせた人の育て方が必要になると思います。

工務店業界に於ける今までと違う意識での人材育成とは、

まずは、コンプライアンスの遵守。

職人を一般的な労働者とはまるで違う人種かの様に、なんの社会保障もつけず、日雇い労働者のような日給月給で使い続けて来た待遇の上に、さらに長年のデフレの影響でとことんコストを下げて来た建築業界の悪習が若い人の職人離れを引き起こしたと言われています。(し、私も思っています。)
まずは、若者が新卒の就職先として入社してもいいと思える、また、その親に「せっかくここまで育てて来たのに、職人になるのか、」と落胆されることがないように、他業種とひけを取らない就業規則や賃金規程、キャリアプランを現行法に合わせて定めるのは次世代を担う人材を求めるなら最低限行なうべきだと思います。

その上で、

今まで全く目を向けず、行なってこなかった職人や現場管理者に対して経営者感覚を落とし込む、現場で利益を上げるという工務店としては絶対に叶えなければならないミッションを遂行出来る人材に育てられる様に、顧客接点としてのスキルを磨く教育、研修をキッチリと順序立てて行なうべきだと思っています。

企業は人なり。と言いますが、結局、混迷を深める今のような時代の工務店が生き残りをかけて磨くべく経営資源は『ヒト、カネ、モノ、』のような悠長な事を言っている場合ではなく、『ヒト、ヒト、ヒト』と、顧客接点の強化と利益体質の末端までの浸透ではないでしょうか。

 

経営者の思考を現場で実践するには

経営者向けの勉強会等で良く耳にする二宮尊徳の言葉に、『道徳なき経済は罪、しかし経済なき道徳は寝言』というものがあります。この理念と経営を両立させる思考を現場で実践出来なければ、顧客の満足を得て次の受注の種を撒きながら、確実に利益を上げる事は出来ません。

一見、難しそうに聞こえますが実はこれはそんなに難しいことではなく、経営者が普段当たり前の様に現場で、お客様の前で行なっている事です。
その暗黙値を順序立てて理論として整理したものが、この度研修事業として立ち上げた『職人起業塾』のマーケティング理論となっており、その理論を実践出来るような考え方やコミュニケーションスキルを身につけることによって、現場単位で経営者が常駐しているような状態を作る事を目指しています。

 

志を同じくする同志を募っています。

と、偉そうに言っては見ても、すみれもまだまだ道半ば、今はまだ、以上にダラダラと書き連ねたことを完璧に行なえています。と胸を張って言えるような状態にはありませんし、(今日も大きな手直し事案がありましたしね、汗、)まだまだ多くの改善が必要です。

しかし、実際に創業十五年という歴史の浅い事業所にして既に5年近くチラシや雑誌掲載といったマスメディアによる販促を全く行なわずに完全に元請会社として口コミ、ご紹介、リピートだけで会社を運営しているのはまぎれも無い事実で有り、そこには現場で結果を出して来た自社で社員として育てて来た職人達の力が大きいのは間違いありません。

私たちすみれも今まで以上にこれからも学び続け、今のシクミをまだまだブラッシュアップしなければなりません。そして、職人が若者に支持されるような職業として世間に認知される様に、次世代を担う若者と一緒に永続出来る工務店モデルを構築する取り組みをご一緒出来る方を広く募りたいと思っています。

今までの建築業界の常識を根底から変える大きな意識の転換になりますが、これが出来なければ、我々の世代を最期に、世界に誇れる日本の職人は本当にいなくなってしまうと思います。

同じ志を持たれる方、心からご連絡をお待ちしております!

 

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