9月11日 晴
神戸は初秋の爽やかな朝を迎えました。
が、朝のTVニュースではこの度の台風による鬼怒川を始め関東、そして東北の水害の様子が流れっぱなし。台風自体、そんなに勢力が強く無いと思っていただけに、ショック過ぎる映像でした。
まだまだ被害の状況も明らかになっておりませんが、被災地の皆様のご無事を祈りつつ、心からお見舞い申し上げます。
それにしても、、
100年に一度起こりうる可能性があるとされたハザードマップでシュミレーションされた通りの被害を目の当たりにして、自然の力の凄まじさ、恐ろさを改めて思い知らされる事になりました。
100年に一度って、結局その100年間の1日、それが明日かも、今日かも知れない訳で、ぼんやりと100年先まで生きてないや、と楽観視していてはいざという時に全く対応出来ないという事が良く分かりました。
いつか必ずやって来るリスク
100年に一度でなくても、必ずやって来る事が分かっているリスク、頭で分かっていても実際に今すぐの行動に落としてそれに対して行動を起こすのは非常に難しいと思います。
そして、それは決して自然災害だけに限った事ではなく、人生全般に言える事だとも。
特に事業の舵取りを行なっている経営者は本来、リスクがある事が分かっているならば、直視してそれに対しての対策を講じるべきです。
例えれば、少子高齢化、職人不足、消費税増税後の市場の冷え込み、2020年の建築基準法改正施行、と数え始めたら枚挙に暇がありません。そのすべてが必ずやって来るリスクな訳で、考えただけで頭が痛くなる想いです。。
しかし、その現実から逃げていてはどうにもなりませんし、手をこまねいてその時を待ってもいい結果がやって来る訳は絶対に有りません。
どげんかせんとあかん。と、私も無い知恵を絞って必死になって布石を打ってはおりますが、全てのリスクを回避出来るとは思える訳も無く、、日々悩みは尽きません。
稲盛名誉会長の言葉
京セラの稲盛名誉会長はその語録の中で、
「楽観的に構想し、悲観的に計画し、 楽観的に実行する」
と経営の要諦を語られておりますが、いくら思い悩んでも自分の力で解決出来ない問題も多くある、と言うよりそれが殆どであるならば、そんな思考が必要なのかもしれません。
そんな、山の様にあるいつか必ず来るリスクの中で最たるものは、誰にでも必ず訪れ、避ける事が絶対に無い『死』であり、しかも、それがいつやって来るか、誰にも分かりません。
悲観的に計画するならば、いつそのときがやって来てもいい様に準備をするべきとなりますが、私たちのような中小零細企業では経営者の人的資産の比重は高く、もしもの時があったとき、経営者の代わりをすぐに出来る様にと、準備をする事は容易ではありません。
難しいと言いつつも、楽観的な計画=無行動は経営者にとって無責任以外の何者でもなく、自社のビジネスモデルの構築を考えたとき、論理的な破綻と言わざるを得ません。
それは私自身、かなり以前から気になっていた部分であり、もしもの時に残されたスタッフや顧客の事を考えたら、何か手を打たないと、と思いつつ、どうしていいか分からずに過ごしてきました。
暗黙知の明文化と共有がリスクを減らす
しかし、『求めよ、さらば与えられん』の言葉通り?ひょんなご縁からその悩みに対する解決の糸口を頂き、まさに今、それに取り組んでいる真っ最中です。
それは行政書士の先生方にお手伝い頂き、数ヶ月に渡る時間をかけて作り込んでいる『知的資産経営報告書』の作成。
すみれがこれまで培って来たビジネスモデル、その方向性やビジョン、そして強みや弱み等、暗黙知として私が持っている全てを明文化して社内全体で共有する取り組みです。
これだけ作っていればいつ逝っても大丈夫。とまでは行かないかも知れませんが、今まで私が必死になって考えて来たプラン、その実行による成果、必ずやって来るであろうリスクへの対応策、それらを元にして持続可能な会社のシクミづくりを果たすまでの道程をスタッフ全員と共有したいと思っていて、これが全て理解出来て、もう少し深い部分を伝える事が出来れば、私の代わりに誰でも事業の舵取りが出来る様になると思っています。
知的資産経営報告書作成の行政書士の先生方、期待しておりますので、宜しくお願い致します。
死生観こそがリスクに対する心構え
武士道の流れを汲む日本人が持つ『死生観』とは死を見つめる事によって生きる事の意味を問い、日々を精一杯に生きる為の価値観だと思っています。(私見です)
考え出したらキリが無いくらいある、私たちが抱える将来のリスクに対する心構えは、結局、死生観を持つ事、死に備える事ではないかと思っている次第です。
稲盛和夫塾長の言葉に学び、
(楽観的に)10年先までのビジョンを構想し、(悲観的に)いつ死んでもいい様に準備し、 (楽観的に)日々の取り組みに集中する。で、為すべき事、為さねばならない事を当たり前に進めて行きたいと思います。
今回の台風被害でお亡くなりになった方のご冥福を心から祈りつつ、被災地に一日でも早くあたりまえの日常が戻りますように。