無理が通れば道理が引っ込む的経営の未来。

10月23日 快晴

秋空
秋空

 

情報の宝庫、JACK関西勉強会へ

今日は久しぶりとなる一般社団法人JACKなるリフォーム事業社の勉強会に参加するべく大阪へ向っています。

全国の若手、(もうそんなに若く無いか。笑)しかも素晴らしい業績を残されているスター社長が集まる勉強会です。私もこの勉強会で随分と生の事例、実際に検証してみた取り組みなどを学ばせていただいて自社の経営に反映させてきました。

商売は仮説と検証の繰り返しとよく言われます。しかし、我々のような小さな事業者はそんなに気軽に失敗ばかりを繰り返せるほどそもそも体力がありません。
ユニクロの永井会長は打率1割の経営で事業を進めてきたと言われましたが、われわれ中小企業では9割アウトではとてもじゃないけどやっていけません。(笑)

そんな風に考えたとき、この勉強会で同業者の仲間が仮説と検証を繰り返した実際の事例を聞ける事は何にも変えがたい宝物のような情報で、おかげで右も左もわからない私のような職人上がりの経営者が1割打者から脱出できてこれまで何とかやって来れたような気がします。
感謝してもしきれないほど、助けて頂いたと思っています。

 

 

『やり方』と『在り方』と『マーケティング』

この勉強会で学ばせて貰ったのはリフォーム会社、工務店経営の実務であり、いわば「やり方」です。私がツイテいたなー、と思うのは、業界のトップランナーの同業者との交流で「やり方」を学ばせて貰ったのと同時期に別の異業種の方ばかりの場で、「マーケティング」と「理念構築」と、それぞれ在り方を見つめ直す学びを続ける事が出来たことです。

特に『マーケティング』は『在り方』から始まって、『やり方』につなぐバインダーの役割を果たしてくれました。それも、在り方、やり方のそれぞれがてんで分からないままでは何にもならない訳で、絶妙なバランスで良いご縁を頂けたものだと、自分の持っているツキに改めて驚かされたりしています。(笑)

長きに渡りその3方の学びを継続してきたことでそれぞれについての理論構築が進み、そのお陰で山のように抱えていた様々な問題に対する根本的な解決を図って来れた事は、現在のすみれの事業形態の根幹を支えています。
一時はこれでもか、と言うくらい外に勉強にばかり出掛ける私に、社内では「社長はいったいなにしとんやろ」と、訝しがられたりもしましたが、振り返ってみるとそれらはそれぞれの柱となっており、無駄な事はなにもなかったのだと、今になってやっと自分でも間違っていなかったと胸を撫で下ろしている次第です。

 

再開発中の明石駅
再開発中の明石駅

 

『理』のある経営

昨日はすみれ本社にて毎月開催している『職人起業塾』の開催日でした。

メインテーマは『理』のある経営、ない経営。
皆様に自社を振り返って一貫して守っている『理』はなにか、そして、『理』が通っていない事はないかを考えて頂きました。

『理』【ことわり】とは(私の勝手な定義では)誰にとっても受け入れられる在り方とやり方だと思っています。

経営者が絶対だと思う理屈や理論も従業員やお客様、世間から見て誰もが受け入れてもらえるとは限りませんし、それは非常に難しい事だと思います。しかし、企業は人なり、従業員に理屈が通っていないと思われる様な経営は長くは続きませんし、顧客、世間、市場におかしいと思われる様な在り方、やり方では商売は成り立たないのは火を見るより明らかです。

分かりやすい例で言うと、法律ではないでしょうか。法律には刑法の他にも民法、労働基準法、税法等、建築基準法と、事業を行なう上で非常に多岐に渡りそして複雑に関係しています。日本が法治国家である以上、それらの法律全てに合致して初めて『理』のある経営のスタートラインに立てるとなるのですが、実際はそんなに簡単ではありません。
某ハンバーガーチェーンでは残業未払い問題が昨今の業績不振を引き起こすバッシングの口火を切ったと思っていますが、大企業でも全ての法を遵守しているとは言い切れないのが現状です。

そんな中、人口縮小による市場の縮小、大企業異業種からの参入と、小さくなったパイを奪い合う厳しい環境におかれている建築業界としては、先行きの不透明さとその不安から目先の損益に囚われてしまいがちですが、『理』を無くしては結局、従業員にも顧客にもそっぽをむかれ、経営が成り立たなくなるのは文字通り『自明の理』
『理』のある経営を目指すというのは、今だけ良ければいいのか、未来につながる経営を行なうのかの別れ道だと思っています。

 

無理が通れば道理引っ込む

私自身も、今現在、全ての在り方、やり方に対して『理』に適っているか?と問われた時、完全無欠です。とはさすがに答える事は出来ません。
法律はともかくとして、スタッフや顧客、もっと言うと友人や家族までの全ての人間関係まで全てに『理』がしっかりと通っており、どこにも無理はないか?と訊かれると、正直、本当に胸を張って「できています!」と即答出来ず、考え込んでしまうのが正直なところ。

しかし、昔の諺にある様に、「しょうがないやん」と、無理を受け入れてしまえば、道理は引っ込んでしまいます。
『理』【ことわり】の無い、道理が通らない経営は、結局は未来を食いつぶし、事業の継続を危うくしてしまいます。
今、完璧でないのは致し方無いとして、目指すべきは出来るところから、コツコツと『理』が通る『在り方』と『やり方』を突き詰めて行くしかないのでしょう。

日々是修行。

昨日の職人起業塾でも、うーん、と考え込んでおられた経営者さんが数名おられました。(笑)
私もですが、諦める事無く、理念と理想を高く掲げて共に気張って行きましょう!

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