生ける伝説の職人。

2月23日 台北から台中へ 雨から晴れへ

一昨日のフルマラソン完走後、いつも御世話になっているT社の子会社でテストマーケティング会社のI社長に「小倉に来るなら是非!」と食事にお誘い頂き、(大将曰く)世界一美味い玄界灘のお寿司屋さんに連れて行って頂いて、疲労困憊になりながらも魅惑の酒と肴の誘惑に勝てず痛飲。(笑)
日本を離れる前としては最高の食事でした。I社長、本当にありがとうございました。

  

台北から台中へ

(毎回ですが、)フルマラソンの後は泥の様に寝込んでしまうので昨日の台北へのフライトに遅れたりしないかと心配してましたが、なんとか無事に起床&出国、台湾に滞在しています。
昨日は会計士さんの事務所に打ち合せに行った後、台湾の知り合いと本格四川料理のお店に食事に行ったり、夜遅くまで飲んだり(笑)と、フルマラソンのダメージはどこへやら、台北の夜を楽しみました。  

今日は台中へ、クライアントから新規店舗出店の計画のお声掛けを頂き、現地確認へと向っています。いつもは新幹線で移動するのですが、地元の人達に訊いてみると、台中市街に行くには新幹線から在来線に乗り換える必要が有り、路線バスでも時間は変わらないし、値段は1/3だというコトを(今更ですが)聞きつけて、今回はバスでの移動に初チャレンジしてみました。
その路線バスは走り出していきなり高速道路の渋滞に捕まって、到着時間に若干のは遅れは生じましたが、その分を見越して少し余裕をもっていれば大丈夫だという事がよく分かりました。
今後はスケジュールに合わせて新幹線とバスを使い分けたいと思います。(笑)

   

とにかく、やってみる

交通手段の選択1つでも、実際にやってみないと、経験してみないと分からない事って結構ある、というか世の中圧倒的にそんな事ばかりです。
「経験値、経験則の積み重ねこそに本当の価値が有る」と言われた高名な学者さんがおられましたが、(誰か忘れました、スミマセン)確かに実体験に基づいて構築したスキルや理論は何物にも代え難い宝だと言えると思います。そんな風に考えると、職人の世界にはもの凄い価値が秘められているのだと言えるかも知れません。特に建築の世界では紙に書いた絵を実際の建物として作り上げるのですから、現場で必要な技術の蓄積は膨大で、そのスキルが1000年以上に渡って伝統技術として継承されて来たことは世界に例を見ない誇れる凄い事だと思っています。
(社会的にはあまり高い評価をされていない様にも思いますが、)実は、職人の技術が途絶えると社会全体が立ち行かなくなる非常に重要な役割を担っていると思うのです。

   

生ける伝説の職人

職人と言えば、日本を離れる前日に立ち寄った小倉のお寿司屋さんの大将は凄かったです。
齢なんと、74歳(だったと思う)今も現役バリバリで板場に立ち、一人で仕切っておられました。
従業員はおらず、奥さんが飲み物と小鉢くらいを手伝っておられるのみ。
素材は日本中どこにも負けない、と豪語され、腕もモチロン、この道50年以上のキャリアでバリバリと一人で取り仕切れている鮨職人は今はわし以外おるまい。と、これも日本一。確かに、サバの刺身を頂いてみると、サバの概念が変わるくらいの美味さというより凄さでした。

その大将曰く、

「この歳になってもまだやっているのはお客さんが次々と子供の顔を見せに連れて来るからや」

とのコトで、後継者を育てないともったいないと申し上げると、

「今まで大勢育てかけて来たが、一切育たなかった、ワシの技術は一代で終わりや」

と、とっくの昔に諦められたご様子。

非常にもったいない、なんとかならんものかしら、と思ったりしましたが、職人の世界で道を極めると後進を育てる事よりも違う価値観、自分の内なる世界観に傾倒してしまうものかと、大将の姿を見ていると妙に納得させられました。

 

しょうがないで済む事、済まない事。

鮨職人に限らず、手仕事で道を究めようとするとどんどん自分自身の内面に深く入り込まなければならないのは間違いないと思います。私も職人の端くれとしてその世界観は何となく分かります。
私は技術を極めるコトよりもメシを食う事、周りの人を守る事に流されてしまい、職人としては中途半端な技術者になってしまいましたが、人の生き方としてその世界観、その美学の中で人生を全う出来る事は幸せな事なのかもしれない、というか、今でも少し憧れてしまいます。

しかし、人は社会との関係性の中で生きる生き物、一匹狼ではありません。少し大げさでは有りますが、自分一人だけが納得すれば良いと全員が思ってしまうと、社会も国家も成り立たなくなります。

昨今、建築業界では深刻な職人不足が大きな問題になってきましたが、元々、職人気質自体が一匹狼思考が強い業種、業態であるのも今の若者の職人を育てて来れなかった原因の1つの様に思います。
人の生き方の美学の問題とは別の次元で、職人が社会に必要だという事はしっかりと目を向けなければなりませんし、「オレは育てないけど、誰かがやるだろう、」という意識、風潮を業界全体で払拭しなければこの業界に未来は有りません。

 

やるべき事はやる。しかない。

昨年末から本格的にスタートした現場実務者向けの研修事業である『職人起業塾』はまだ1期目の半ばだと言うのに、既に3期までほぼ定員に達しようとしています。日本で始めて厚生労働大臣の認定を取得した技術的な研修ではない実務者向けの研修ということも有りますが、賛同してご参加頂く会社が次々と手を挙げて下さる現状を見ると、
次世代を担う若者を育てる。育てる事が出来る環境を整える。人材を育てられる自分になる。
この3点セットを考え、行動に移さなければならないと気付かれた経営者さんが多くおられる、もしくは急増しているということだと思います。

私達工務店は物売りではなくモノづくりが本業で有り、しかも量から質へと時代の要請が転換した今は工場で大量生産出来るものではありません。
モノづくりと同時に人づくりに意識を向けなければ、金の卵を産むガチョウの腹を割った農夫の様に目先の利益に囚われて未来を食いつぶす事になりまねません。

やるべき事はやる。決意と覚悟をもって寿司屋の大将とは違う道で私なりに気張ってみたいと思います。

   

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■直近のセミナーのご案内

 

知的資産経営セミナー

来週、2月26日(金)は13時から兵庫県行政書士会明石支部にて知的資産経営についてのプチ講演を依頼されております。一般参加の可否は分かりませんが、すみれで昨年度から後継者育成の取り組みの一環として始めた知的資産経営報告書の作成についてのスペシャリストが集まっておられますのでご興味がある方はお声掛け下さい。

工務店経営者の為の職人起業塾ワークショップ

3月11日は京阪神木造住宅協議会にてJBNの青木会長とご一緒させて頂き、経営者の為の職人起業塾のワークショップを行ないます。JBNの会員以外の方のオブザーバー参加も受け付けてくれると思いますので、ご興味があれば問い合わせを頂ければ幸いです。

お問い合せはこちら→http://keihanshin-mokuzou.jp/news/2015.html#n160311

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