士規七則。@喜多川泰さん講演会

3月28日 晴れ

神戸は昼前に少し雲行きが怪しくなり、パラパラと雨が降りましたが、概ねいい天気が続きます。
朝の週間天気予報では今週は一気に暖かくなるとのこと、桜の見頃も近そうです。

松永駅前
松永駅前

 

週の立ち上がりの月曜日。

午前中は先週積み残していた『整える習慣』に時間を充てました。
歯の治療と骨格調整。どちらも長い間放ったらかしにしていた緊急性の低い、しかし本当は重要な事であり、今年に入って心機一転、取り組み始めたところ、この3ヶ月でずいぶんと治療が進み、スッキリしました。

どちらも、というか特に歯科は行くのが億劫でしたが、みるみる体調が良くなって行くのを実感して、いつの間にか通院が楽しみになっています。(笑)

にわ・とりのすけ松永店
にわ・とりのすけ松永店

 

昼からは新幹線に乗り込んで広島県、福山市に、

若手大工のエース、大工の大ちゃんが孤軍奮闘して完成させて店舗の工事完成の確認です。
今回もクライアントとコミュニケーションを取りながら、確実に、そして工程通りに工事を進めてくれていました。お客様から「よくやってくれました、大満足です。」とのお言葉を頂き、理解ある顧客にありがたく感謝しつつ、全国各地で現場監理をしながら大工としてしっかりと施工をしてくれるスタッフあってのすみれや、と工事関係者皆にも改めて感謝する事しきりです。

大ちゃん、ご苦労さんでした。

にわ・とりのすけ松永店
にわ・とりのすけ松永店

 

話は変わって、、

昨日は久しぶりに休日を取って、妻と二人でお出掛けしました。
ずっと楽しみにしていた、西宮北口で開催された小説家の喜多川泰さんの講演会&懇親会で、生の喜多川泰さんのお話を聞いたり、聞いてもらったり出来たのは小説を読んで感じ取るとのとはまた違う喜多川さんの世界観を感じる事が出来て、非常にいい時間を過ごさせて頂きました。

喜多川泰さん講演会
喜多川泰さん講演会

喜多川泰さんというと、

若者向けの小説が有名というか大人気で、爽やかなストーリーの中に、人生における真実、よき人生を送る為の要諦や原理原則といったものを織り交ぜて、誰にでも取っ付きやすい自己啓発の書の書き手として知られています。
私の認識では、そこに書かれている世界観は若者の人生に対する指南書であるのと同時にビジネス全体に通じるマーケティングの書だと思っています。

 

 

夫婦での学びの時間の重要さ。

今回の講演を聴いて、その源泉というか基本的な考え方や価値観が自分自身と非常に近しい事を確認させて頂いて、非常に嬉しく感じました。そして、何よりも、夫婦で同じ学びの時間を過ごし、そのような価値を共有出来たのは、これ以上無い幸せな時間なりました。

素晴らしい講演をして下さった喜多川泰さん、講演会の告知を頂いた杉田さん、そして、一緒に行ってくれた妻にも心から感謝致します。

心謝。

喜多川泰さん講演会後の懇親会
喜多川泰さん講演会後の懇親会

 

喜多川泰さんの講演内容

その喜多川泰さんの講演内容を少し御紹介すると、、

冒頭に「私は作家であると共に教育者である、という観点からどうしても研究したい人物がいる。」と、吉田松陰の成した偉業からスタート。幕末から明治維新にかけての激動の時代の中心となり、その後の日本の隆成の立役者を数多く排出した松下村塾で塾生達が規範として持ち続けた『士規七則』について説明をされました。

士規七則を要約すると3点にまとめられ、それは、

立志 志を立てる。
択交 付き合う相手を選ぶ。
読書 書を読む

になるとの事です。
明治維新の立役者となった志士たちはこの3つを真剣に、いわば命懸けで本気で取り組む事を吉田松陰に教えられ、松下村塾がたった1年半足らずで無くなった後もこの『士規七則』を守り続け、それが実を結んで、やもすれば欧米の植民地と化していたかもしれない日本を独立国家としての近代化に大きな貢献をしたのです。

 

 

終身の計は人を樹うるに如くは莫し

喜多川泰さんは小説家であると共に塾を経営されており、そこで教えた子供達が将来の日本を担ってくれる様な成長、活躍を教育を通して目指しているとも言われており、なるほど、吉田松陰に傾倒されるのは自然な流れだと納得。

実は、かく言う私も私塾を開き、毎月結構な時間を費やして塾生さん達と向き合っているのには、(喜多川さんとは影響力の大きさに大きな違いはありますが、、)同じ様な想いがあります。
実際、様々な分野で大きな志を立てて、「業界を変える!」「日本を変える!」と気勢を上げる凄い塾生さんも何名もおられ、あながち見当違いな事をやっている事も無さそうです。(笑)

 

 

志の重要性。

喜多川泰さんの講演でもありましたが、吉田松陰が塾生に叩き込んだ最も根本は志を持て、という事でした。これをすっ飛ばしてしまうと、いくら学び、知識を得たところでその力を発揮する方向性も定まらず、なんの為に学ぶのかさえ分からなくなってしまいます。
そして、私の塾では『在り方』(=なんの為に存在するのか)を繰り返し問い続けておりまして、持つべきは、『夢』ではなく、『志』であることが重要であると私も思うのです。

 

 

現代の吉田松陰の言葉。

たまたま、今日届いたとある(フランクリンコヴィージャパンの)メールマガジンにもsoftbankの孫社長が師匠と仰がれる、『マネジメント』等、ドラッカーの書籍の監訳者としても有名な野田一夫さんが語った言葉が引用されておりました。

以下に野田一夫さんの言葉を転載させて頂きます。

「【夢】というのは漠然とした個人の願望。

車を買いたい、家を持ちたいといった夢はみんな、個々人の未来への願望。

でも、その個々人の願望を遥かに超えて、多くの人々の夢、多くの人々の願望をかなえてやろうじゃないかという気概を【志】というんだ。

【夢】は快い願望だが、【志】は厳しい未来への挑戦だ。

だから、【志】と【夢】はまったく次元が違うぞ。

【夢】を追うなんて程度の男になってはいかん。

【志】を高く持て!」

志に縛られる人生。

喜多川泰さんの講演で聴いた吉田松陰の教えも、現代の吉田松陰とも言われた野田一夫さんの言葉もずっしりと腹に響き、もう一度自分自身、なんの為に生きるのか、なんの為に仕事をするのか、そしてなんの為に死ねるのかを心に問い直し、その答えを刻み込んで日々を過ごさねばならないといけん。と改めて。

そもそも、私の名前はタケシと言って、岡に立刀の剛に志がついてます。と生まれて此の方、名前を名乗る度に言い続けています。自ずと、名前の最後についている『志』の漢字を意識せずにはおられませんでしたし、その名前に縛られて自分自身の価値観を形成させられた気がします。
命名した親の思う壷なのでしょうが、、(笑)

今更ではありますが、名前負けする事無く、厳しい未来への挑戦、気張ってみたいと思います。

 

 

士規七則

最後に、喜多川さんが紹介された士規七則の原文、現代語訳を私自身の備忘録としてここに転載しておきます。

原文

披繙冊子。嘉言如林。躍躍迫人。顧人不讀。即讀不行。苟讀而行之。則雖千萬世不可得盡。噫復何言。雖然有所知矣。不能不言。人之至情也。古人言諸古。今我言諸今。亦詎傷焉。作士規七則。

  • 凡生為人。宜知人所以異於禽獣。蓋人有五倫。而君臣父子為最大。故人之所以為人忠孝為本。
  • 凡生皇國。宜知吾所以尊於宇内。蓋皇朝萬葉一統。邦國士大夫世襲禄位。人君養民。以續祖業。臣民忠君。以継父志。君臣一體。忠孝一致。唯吾國為然。
  • 士道莫大於義。義因勇行。勇因義長。
  • 士賢以質實不欺為要。以巧詐文過為耻。光明正大。皆由是出。
  • 人不通古今。不師聖賢。則鄙夫耳。讀書尚友。君子之事。
  • 成徳達材。師恩友益居多焉。故君子慎交遊。
  • 死而後已四字。言簡而義廣。堅忍果決。確乎不可抜者。舎是無術也。

右士規七則。約為三端。曰立志以為萬事之源。選交以輔仁義之行。讀書以稽聖賢之訓。士苟有得於此。亦可以為成人矣。

書き下し文

冊子を披繙ひはんすれば、嘉言かげん林の如く、躍躍やくやくとして人に迫る。
おもふに人読まず、し読むとも行はず、苟くも読みて之を行はば、則ち千万世ばんせと雖も得て尽す可からず。
ああ、復た何をか言はん。
然りと雖も知る所有りて、言はざること能はざるは、人の至情なり。
古人はれをいにしへに言ひ、今我は諸れを今に言ふ、亦たなんいたまん。
士規七則を作す。

  • 凡そ生まれて人たらば、宜しく人の禽獣に異なる所以を知るべし。蓋し人に五倫*1有り、而して君臣父子を最も大なりと為す。故に人の人たる所以は忠孝を本と為す。
  • 凡そ皇国に生まれては、宜しく吾が宇内うだいに尊き所以を知るべし。蓋し皇朝こうちょう万葉まんよう一統にして、邦国ほうこくの士大夫、世々に禄位をぐ。人君は民を養ひて、以て祖業をぎ、臣民は君に忠して父志ふしを継ぐ。君臣一体、忠孝一致たるは、唯だ吾が国のみ然りと為す。
  • 士道は義より大なるは莫し。義は勇に因りて行はれ、勇は義に因りて長ず。
  • 士道は質実欺かざるを以て要と為し、巧詐こうさ文過ぶんかを以て恥と為す。光明正大、皆な是に由りて出づ。
  • 人、古今に通ぜず、聖賢を師とせずんば則ち鄙夫ひふのみ。読書尚友しょうゆうは君子の事なり。
  • 盛徳達材、師恩しおん友益ゆうえき多きに居り。故に君子は交遊を慎む。
  • 死して後むの四字はげん簡にして義広し。堅忍果決、確乎として抜く可からざる者は、是をいてすべ無きなり。

右、士規七則は、約して三端と為す。
曰く、立志を以て万事の源と為し、選友せんこうを以て仁義の行をたすけ、読書を以て聖人の訓をかんがふ。
士、苟くも此に得る有らば、亦た以て成人たる可し。

現代語訳・抄訳

書物に溢れる偉大な言葉の数々は人の感奮を興起させる。
しかし、今の人々は書を読まず、読んだとしても実行をしない。
もしも読みて実行したならば、千年万年と受け継ぐに足るものなのである。
ああ、また何をか言うべきことがあろうか。
そうは言っても、良き教えを知りてどうしても伝えたくなるのは、人の至情である。
だから古人はこれをいにしへに述べ、私は今これを述べる、また何を憂えることがあろうか。
士規七則を作す。

  • およそ人として生まれたのならば、人の禽獣と異なる所以を知るべきである。そもそも人には五倫があり、その中でも特に父子の親と君臣の義を最も大なりと為す。故に人の人たる所以は忠と孝を本と為す。
  • およそ日本に生まれたのならば、日本の偉大なる所を知るべきである。日本は万世一統にして、地位ある者たちは世々に禄位を世襲し、人君は民を養いて祖宗の功業を継ぎ、臣民は君に忠義を尽くして祖先の志を継ぐ。君臣一体、忠孝一致たるは、ただ吾が国においてのみ自ずから然りと為す。
  • 士の道は義より大なるは無し。義は勇によりて行われ、勇は義によりて長ず。
  • 士の道は質朴実直にして欺かざるを以て要と為し、偽り飾るを以て恥と為す。公明正大なること、皆これより始む。
  • 古今に通ぜず、聖賢を師としなければ、くだらぬ人物となってしまう。故に読書して古人を友とするは君子の事である。
  • 盛徳達材は、師の教導と友との切磋琢磨をどれだけ経験するかである。故に君子は交遊を慎む。
  • 死して後むの四字は簡単な言葉だが言うところは遠大である。堅忍果決、何事にも動ぜざる者は、この言葉を置いては成る術は無い。

この士規七則は、要約すれば三点である。
即ち、立志を以て万事の源と為し、選友せんこうを以て仁義の行をたすけ、読書を以て聖人の訓をかんがえる。
士たる者、もしもここに得ることが有れば、また人と成るに足るであろう。

出典・参考・引用
岩橋遵成著「大日本倫理思想発達史」下281/550,吉田松陰著、足立栗園編「吉田松陰修養訓」15/234

 

 

おまけ、

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