業界の闇を照らす洗脳の是非。

8月29日 雨

道は開ける

台風10号の影響か、朝から久しぶりの雨、しかも本降り。一日中降り続いた雨は夏の間に溜込んだ大地の熱を冷ますかの様でした。

今日は朝から京阪神木造住宅協議会の理事として、県木連にこれから取り組もうとしている新規事業の打ち合せ。なかなか高いハードルにもうダメか、と何度も諦めかけましたが、意志が有り、願えば道は開けるものですね、満願とは言いませんが、一縷の望みを見出す前向きな打ち合せが出来ました。予断は許さない状況には変わりはありませんが、我々地域に根ざす工務店の未来を創る取り組みですので、なんとか事業化を叶えたいと思います。

インベスターZならぬインスペクターT(笑)

昼からは石田三成ブーム?に沸く近江の国、米原、彦根に。店舗工事で御世話になっているクライアントの依頼で新築して間もない住宅のインスペクションとアフターメンテナンスに伺いました。いつもと少し違うインスペクションは同業者が施行した完工間もない建物の不具合、瑕疵を調査するという難しい依頼ですが、第三者の立場として「良い事はいい、悪い事は悪い」とハッキリと申し上げる事で施主側も施行側もスッキリするのではないかと考えてお受けする事にしています。

しかも、最近、この手のご依頼が多くあり、調査に行ってみると残念な施工を目の当たりにする事が少なくありません、、同じ業界の者として恥ずかしいというか情けないというか、、
他山の石として自社の施工ももっと精度を上げる努力、職人の意識喚起を進めねばと思い返す事しきりです。。

 

 

いい工務店は氷山の一角の現実。

それにしても、私の周りの工務店さんは皆さん勉強熱心、知識も豊富でキッチリとした仕事をされておられる方ばかりなので、業界全体がずいぶんと良くなったのだと思っておりましたが、どうやら大きな勘違いで、実際はそんな事は無いようです。

本当に顧客の幸せを願い、信念と理想を持って建築の仕事に向き合っているのはやはり一握りの意識の高い工務店さんに限られており、大部分は旧態依然の、契約だけとったらあとは丸投げ、やりっぱなし、建てっぱなし、の会社が少なく無いのが現状の様です。
一生に一度の大きな買い物かもしれない住宅は「何を建てるか」も大事ですが、「誰と建てるか」「なんの為に建てるか」をしっかりと考えて慎重な選択をしてもらいたいものです。

そんな風に考えると、相談だけでも私達で受けていれば結果はずいぶん違ったものになったのではないかと、自分達の間口の狭さ、アピールの弱さに自責の念を感じずにはおられません。
直近ではなくても将来家を建てる、店舗を創る計画がある方は情報収集の一環としてで構いませんので、売り込みをしないのを信条としております私達にお気軽に御相談を頂ければと思います。

 

建築業界の構造的な闇

今から18年程前になりますが、大工から起業した当初、私は世の住宅メーカー、地場ビルダーや工務店の殆どが実際のモノづくりを全て外注に出す、ブローカー化している事を危惧し、それらの会社で家を建てることが不幸だな、と思っていました。

自らが職人として現場で働いて来た体験から、最も丁寧に仕事をしなければならない大工が下請けで、決して満足出来ない一軒あたりに決まった金額で請け負う事は、構造的にいい結果が生まれないのを実際に見て来たからです。

丁寧な仕事=ひと手間かける=職人は儲からない

という構図がある限り、施主も工務店も大工も不幸になるばかりではないかと思っていました。

丁寧な仕事=ひと手間かける=顧客に喜ばれる=職人の評価が上がり給与が上がる

こんなアタリマエの図式がどこの建築会社にも無いことが建築業界の構造悪であり、その根本的解決は工務店が職人を正規雇用して請負ではなく給与で職人を養わなければならないと、すみれでは創業以来一環して自社社員大工の雇用と育成に取り組んできました。

 

 

正義は我に有り!の危うさ。

当時、まだ若く、世間知らずだった私が思っていたのは、自分達こそが正義で、自社以外で家を建てられる人は可哀想だな、と言う事でした。自分自身そんな風に思い込んでいましたし、スタッフにもずっとそんな刷り込みをしていました。自分を含めた一種の洗脳ですね、、(苦笑)

その後、研修会や勉強会を通して同業者との交流も増え、立派に事業を行っておられる工務店経営者の方とも数多くご縁を頂いて、設計だけではなく施工も自分達よりも優れている事業所が数多くあることを知り、自分が如何に井の中の蛙で偏狭な考え方をしていたのかを思い知らされ大いに反省させられました。

それからは「絶対ウチで建てた方が良いですよ!」と強い言い方をしなくなったのですが、ここ最近になってせっかく新築を建てたのに、基本的な住宅の性能さえも担保されていない様な深刻なトラブルを抱える方を散見し、(すみれで施工するかしないかは別としても)どの様な工務店で建てるのか、もっとしっかりと聞いて業界内部の目線で見た専門的なアドバイスをしなければと思った次第です。モチロン、スタッフにもそんな意識喚起をもう一度さけびたいと。(一種の洗脳ですが、、汗)

 

 

洗脳は悪か?

洗脳という言葉は一般的にあまりいい印象を受けませんが、私個人的には自分達が正しいことを行なうのだ、というポジティブ且つ発展的な洗脳は悪く無いと思っていて、言葉を言い換えると(ニュアンスは少し違いますが、)意識改革だと考えています。あくまで強制ではなく、理解を求めることを考えると洗脳とは言わないのかも知れませんが、世に言う教育はある意味一種の洗脳だと考えると大きく間違っていることもないのでは、と。

商品やサービスを人に強く進めるには確固たる自信や信念、それを担保するエビデンスが必要です。それらをしっかりと意識すること無く盲目的に信じ込ます洗脳は確かにヤバいですが、自信を下支えするものが自分達の行動に繋がった時、洗脳は善の循環に入り、正のスパイラルで周りはじめます。

自社の商品(サービス)を強く勧める→自分自身でその責任を受け止め、全うする。

自信があるから勧めるのか、勧めたからには完璧を目指すのか、という卵が先か鶏が先か論ではなく、どちらもが螺旋状に繋がり、精度を上げて高みに登って行くには先ず意識、洗脳があって然るべきだと思っています。(あくまで私見です、笑)

 

 

30年前に受けた洗脳。

その昔、某運送会社で働いていた際、正社員研修を受けました。その研修は完全なる洗脳だったのですが、今思い返しても別段、悪だったとは思っていません。(ひょっとしたら洗脳が解けていない?笑)

その研修で学んだのは、自分の限界を自分で決める自己限定を説いて可能性に挑戦すること。そして自社の持つ強みとその卓越性の細かなレクチャーで、その理由が積み重なって業界でNo1の座を得ることが出来ている。同時に、他社の旧態依然としたルーズさやリスクを叩き込まれました。

ずいぶん昔の話ですので、運輸業界も今とはずいぶんと様相が違っており、まだ神戸から関東に荷物を送って、翌日到着、配達出来る業者がなかった頃で、私が勤務していた会社だけがそれを確実に行なえる。と教えられたことは現場に出てみると確かにその通りでした。その現実を見てから、(すっかり洗脳されていた)私は自社で配送することこそが正義であり、顧客の為になると他社の荷物を次々に自社に切り換えて行きました。そして、そんな行動をとった以上、絶対に発送に間に合わさなければならないという厳しい責任を負って必死に走り回ったものでした。

 

 

前向きな洗脳で三方よしを叶える。

その結果、顧客には喜んでもらえ、自分の営業成績は伸び、会社も儲かるという三方よしのビジネスモデルを体感したのを良く覚えています。今は時代も違いますし、そのままおなじ事は出来ませんが、信念を持って仕事に向き合うには(言葉は悪いですが、)明確な根拠のある洗脳は必要ではないかと思うのです。

前職の会社は前述したスピートと確実性を兼ね備えた圧倒的な強みを生かし、業界シェアNo1になりましたが、その後、コンプライアンス違反、同業他社のサービス向上による強みの埋没によってずいぶんとその地位を下げてしまいましたが、トータルな物流システムサービスを行なう等、違う商品開発を積極的に推し進め、今でも大手として活躍しています。

今でも洗脳の社内風土が残っているかどうかは分かりませんが、遠くから眺めていて、創業者のイズムが今も企業風土に残っている様に感じます。商売に最も重要なのはやはり顧客に提供する価値の最大化とそれを信念に据えての日々の努力を末端の社員まで一丸となって行なうこと、理念の共有なのでしょう。

やはり、一種の洗脳となるのでしょうか、、(笑)

おまけ、

大河ドラマではいつも散々なキャラですが、忠臣という洗脳を死ぬまで解かなかった石田三成展、行ってみたいと思います。(^ ^)

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以下はセミナー情報等の告知です。(笑)

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