10月6日晴れ
台風一過。
神戸は秋らしい爽やかな青空が広がりました。昨日の風雨で空気中のチリやほこりをきれいに洗い流してくれたような清々しい朝、久しぶりに事務所で朝礼に出て、ラジオ体操をした後は気分を上げて1週間以上ほったらかしにしていた自分のデスクがあるセミナールームの掃除に精を出しました。
その後は、すぐ隣街の明石にあり日本全国を股にかけて大活躍されている松尾設計室一級建築士事務所の松尾室長にご来社いただき、情報交換を兼ねた話し合う時間を持ちました。
私が連載している雑誌(新建ハウジングプラスワン)に松尾さんも(私のずっと以前から)人気の連載を続けておられた関係で、しかも事務所同士がすぐ近所じゃん!と言うことになり今回お会いすることになりました。(笑)
若き建築業界のリーダー
この松尾さんは、建築の専門雑誌で人気の連載を数本抱えておられるだけではなく、日本全国で大人気の講演活動を活発に行われており、確か少し前の業界紙調査では業界で最も講演を聴きたい講師の一人に名を連ねておられました。気密断熱、省エネなどの住宅性能と、デザイン、意匠性を兼ね備えた住宅設計には定評があり、パッシブハウスジャパンの理事として建築業界を牽引されている若きリーダーの1人です。
また、私たちが所属する(高性能住宅の普及を目的とした団体)新住協の元メンバーと言うことで共通の知り合いも多く、また、電磁波測定士の資格を取得されて電磁波対策を施した住宅も手がけられているところなど意外な共通点も多く、話すネタに事欠かず、2時間みっちりと膝を交えて話し込みました。
本から始まる。
そんな松尾さんとの会話の中で最も盛り上がり、互いにうなずきあったのは教育の重要さについて。同じように父親であり、また経営者(=教育者)の立場から日本の教育制度に対する疑問や、失望にも似た不信感など共通の認識を持っており、危機感を共有。また、スタッフを始めとする若者への教育についても話が及び、読書の習慣を持ってもらうようにしなければならないという、私が常日頃言い続けている結論へと帰着、なんだかスッキリとした気分にさせて頂きました。(笑)
話の発端は、テーブルの上に無造作に置いていた私の読みかけている書籍を目に留められて、「こんな本を読んでおられるのにはびっくりしました。」と言われたところから。
その書籍とは、ヴィクトール・E・フランクルの『夜の霧』で、ずいぶん昔に1度は読んでいるのですが、最近もう一度読み直そうと取り寄せた1冊です。
松尾さん曰く、「読書をしない=先人の残してくれた知識や知見を学ばずに今を生きるなんて、遠方に出かけるのに交通機関も車も何も使わずに徒歩で歩くようなものだ。」と社員さんに言っているとのこと。すみれ文庫なる会社の片隅に私設の小さな図書館を作って、スタッフに一生懸命に読書を推奨している私にとっては共感するどころか、非常に嬉しい言葉でした。
松尾先生、ご近所のよしみもありますし、イロイロと共通点も見出せた事で今後とも宜しくお願い致します。本日はありがとうございました。
夜の霧
意外な共通点として話題に上った、1956年に初版を出された半世紀以上前の本にも拘わらず、今なお繰り返し読み続けられている同書の内容を以下に転載しておきます。その内容は非常にヘビーで、アウシュビッツの収容所に捕らえられた作者が絶望の淵に叩き込まれながらも釈放されるまで生き抜いた軌跡を描いた実話に基づいた体験記です。
商品説明
名著の新訳には、つねに大きな期待と幾分かの不安がつきまとう。訳者や版元の重圧も察するにあまりあるが、その緊張感と真摯さのためか、多くの場合成功を収めているように思われる。本書もまた、その列に加わるものであろう。
ユダヤ人精神分析学者がみずからのナチス強制収容所体験をつづった本書は、わが国でも1956年の初版以来、すでに古典として読みつがれている。著者は悪名高いアウシュビッツとその支所に収容されるが、想像も及ばぬ苛酷な環境を生き抜き、ついに解放される。家族は収容所で命を落とし、たった1人残されての生還だったという。
このような経験は、残念ながらあの時代と地域ではけっして珍しいものではない。収容所の体験記も、大戦後には数多く発表されている。その中にあって、なぜ本書が半世紀以上を経て、なお生命を保っているのだろうか。今回はじめて手にした読者は、深い詠嘆とともにその理由を感得するはずである。
著者は学者らしい観察眼で、極限におかれた人々の心理状態を分析する。なぜ監督官たちは人間を虫けらのように扱って平気でいられるのか、被収容者たちはどうやって精神の平衡を保ち、または崩壊させてゆくのか。こうした問いを突きつめてゆくうち、著者の思索は人間存在そのものにまで及ぶ。というよりも、むしろ人間を解き明かすために収容所という舞台を借りているとさえ思えるほど、その洞察は深遠にして哲学的である。「生きることからなにを期待するかではなく、……生きることがわたしたちからなにを期待しているかが問題」というような忘れがたい一節が、新しくみずみずしい日本語となって、随所に光をおびている。本書の読後感は一手記のそれではなく、すぐれた文学や哲学書のものであろう。
今回の底本には、旧版に比べてさまざまな変更点や相違が見られるという。それには1人の哲学者と彼を取り巻く世界の変化が反映されている。一度、双方を読み比べてみることをすすめたい。それだけの価値ある書物である。 (大滝浩太郎)
淘汰の時代。
巷でも阿部ノミクスの成果の是非についてよく話題にのぼりますが、現在のところ計画されていた消費者物価指数の上昇はなく、長期金利は依然マイナス金利。一向にデフレが収まる気配はなく、最近はそもそも物価が安いことは悪くないと言う論調まで飛び出しており、日本の不景気の行く先は非常に不透明かつ不安定です。デフレ経済が定着するとなれば、資本力のある大手による寡占化の流れはいたって自然であり、建築業界に限らず、中小零細企業にはこれからますます厳しい時代がやってくることが予想されます。
そんな中で、学ばず、読まず、動かず、続けず、の現状維持思考で生き残れるわけがないと普通に考えればわかることで、企業は人なりと言う原則に沿って考えれば、社員教育こそが生き残りを左右する重要なファクターであるのは間違いないと思っています。
入り口はやっぱり読書。
吉田松陰先生は、士規七則で「人は読まず、読めども行わず、」と嘆かれましたが、知識を身につけ、先人の経験則を学び、自らを奮い立たせるモチベーションの源となる心に火をともすきっかけを持つことこそがとにかくたった一回の人生を良くするためのはじめの第一歩だと思うのです。
学も金も今年もなく、無一文のただの大工だった私が、こうやって曲がりなりにも経営者を続けていられるのは、読書の習慣を持っていた。ただその1点に尽きると思っています。
自社のスタッフにはもちろん、私たちの次の世代を担う若者に「とにかく本を読め、そして心に灯をともし、学んだ事を実践してみろ!」と、これからも言い続けるのが私の役割なのかな、なんて改めて思う一日となりました。
おい、廉くん、熊本で朝の読書やっとるか?
人生、やるかやらんか、やぞ。(笑)
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