12月19日 晴れ
リモデルエキスプレスの取材。
年末らしくドタバタした感じになってきました。そんな中?週の初めの月曜日は朝から昼までみっちりと『リモデルエキスプレス』という全国の5000社にも及ぶリフォーム事業者が加盟するTOTOリモデルクラブの広報誌の雑誌の取材を受けました。
経営者インタビューと言う事で、起業してから今までの変遷や苦労話?、一介の下請け職人だった所から元請工務店として事業展開するに至った転機など、震災後の復興があらかた終わって、消費増税のタイミングで手間請けで勤めていた工務店が倒産して、押し出される様に起業した時から今までを振り返る稀な機会になりました。なかなか振り返る事も無い、軽トラックと道具しか持っていなかった一文無しの大工からスタートした私自身のこの20年の歩み、話してみると以外に面白かったです。(笑)
以下に本日取材頂いたすみれのこれまでの変遷について簡単に書いてみたいと思います(笑)
下請け工務店からの脱出。
大手住宅メーカーの下請けとして新築工事をメインに行なっていた創業当初から、元請工事を始める様になったきっかけは、言わずと知れた単価の下落です。10年かかると言われた震災復興が3年で落ち着いたあとは、神戸は本当に仕事が無く、下請け工事はどんどん単価が下がって行きました。
職人として働くならなんとか食える、生かさず殺さず程度まで下がった単価では多くの職人を抱えながら会社として成り立てるのは到底ムリな話で、違う道を探さねばと、エンドユーザーから直接受注する方法を模索したのが元請転換のきっかけです。
酒屋のおっちゃんの教え。
一番始めは近所の酒屋のおっちゃんに「これやってみたら」と奨められ、地域のミニコミ紙に小さな広告を出してみました。確か、一回30,000円くらいだったと思います。どーみても人の目に留りそうも無いその広告では強烈なインパクトが無いとダメだと思い、自分達の強みを生かす記事を必死に考えました。その結果、出した答えは大工集団の強みを生かし、フローリング貼りのリフォームに特化して、3,000円/m2(材工共)というなんとか赤字にならない程度の激安工事の広告を打ってみたのです。
徹底したフロントエンド(笑)
多分、全国でも類を見ない程安かった(笑)その広告の反響は上々で、地域の方から多くのお声掛けを頂き、大工の直接施工の安さと品質の良さはお客様の信頼を得て、次々にリピートの仕事の依頼を頂く事になりました。マーケティング用語で言う所の所謂、フロントエンドとバックエンドですが、その当時の私は、一度ご縁を頂いたお客様は一生私達から離れられないくらい真面目に品質とコストパフォーマンスの高い仕事をしている自負がありました。きっかけは何でも良いので、とにかくご縁を頂ければ先々に繋がる関係性を作る事が出来るはずだと。
多額の負債を背負ってでも勝負!
フローリングキャンペーンのスマッシュヒットで元請工事のリフォーム受注が取れ始めましたが、それでも安定した経営になるには程遠く、先行きの不安は消えませんでした。それまで営業していた1階が倉庫、2階が事務所という長屋の様な場所では、事務所にお客様に来てもらうのも気が引ける位で、いつまでもゲリラ的な営業から抜け出せないと、12年程前一気に増え始めた来店型ショールーム併設の事務所に憧れて、(多額の借金をして、涙)今の自社ビルを建てました。それを機にチラシ等のマス媒体を使った反響営業にシフトして完全元請化、下請け工務店からの脱出を図ったのです。
反響営業の光と影
毎月の様に自社社屋で集客イベントを行い、チラシを頻繁に撒く手法はなかなか初めのうちはうまく行きました。しかし、同じチラシはすぐに陳腐化し、大ヒットして開店前から行列が出来ていたイベントも一年も立たないうちに閑古鳥が鳴き始め、また違う施策を考えて悩まねばなりませんでした。
いつの間にか、(そもそも得意でもないのに)チラシ、イベントを考えるのが私の仕事となり、結局、将来の不安は拭う事は出来ません、何かが違う、と違和感を感じながら悩む日が続きました。
原点回帰。
その頃には社員も増え、私の負う責任も大きくなっており、なんとか将来を見通せる、行き当たりばったり、仮説と検証の繰り返しの経営からの脱出を図りたいと思い、考え直したのはやっぱり自社の強みについてです。社員全員とずいぶんと議論を尽くし、自分達に工事の依頼をしてもらう理由を必死になって考えた挙げ句、まとまったのは、自社の社員大工がいること、その大工達が会社の想いを共有し、顧客目線での丁寧な仕事をすることしかないってこと。その強みを最大限に活かし、これまでご縁を頂いたお客様からの信頼をしっかりと得ることで、リピート、紹介の受注を頂ける様にしよう、モノづくりの会社の原点に戻ろうと決意を固めたのでした。
アタリマエのコトが未来を創る。
結局、行なった事は社員大工に対してコミュニケーションやマナー等の研修へ参加させて学んでもらう事であり、顧客からの信頼がどれくらい重要かを社内ミーティング等で繰返し言い続ける事、新しいアクションとしてはそれまでお付き合い頂いた全てのOB顧客に対して社員大工による無料メンテナンス訪問を繰り返し、繋がりを持ち続ける事と、工事を終えた後も責任を負い続ける意志を明確に示す事でした。
そんな地道な事ではありますが、何年も繰返しているうちに、チラシや雑誌などに広告を出さなくても、多くのお客様からお声掛けを頂ける様になり現在に至ります。ちなみに、昨年は全売上の内、95%がリピートと紹介のお客様から工事を頂く事が出来ました。
未来が少し、見える様になって来たのです。
陳腐化、形骸化との戦い。
このスキームも長く続けていると陳腐化、もしくは形骸化してしまうのかも分かりませんし、これから建築業界を席巻するであろう外部環境の激流に流されないとは限りません。しかし、仮説ではなく、原理原則に基づいて、お客様から信頼を得れる工事、アフターサービスをしっかりと行なう事しか、私達に出来る事はありません。その意識をスタッフ全員で共有し、ブラッシュアップを繰り返し続け、地域から必要とされる存在になるしかないと思っています。
結局、全ては『意識』であり、心の持ちよう次第。只今絶賛開催中のスタッフとの個人面談の中でも全員に散々その事を言い続けましたし、分かってくれていると思います。
まだまだ未来を創る自分自身との戦いは続きますが、前を向いて、楽しみながらスタッフと共に気張っていきたいと思います。
みんな、宜しくお願いします!^ ^
『心が変われば、態度が変わる。
態度が変われば、行動が変わる。
行動が変われば、習慣が変わる。
習慣が変われば、人格が変わる。
人格が変われば、運命が変わる。
運命が変われば、人生が変わる』
ですね。