5月15日 曇り
第5回NPO法人ひょうご安心リフォーム推進委員会定時総会
総会花盛りのシーズンが続きます。今日は神戸でNPO法人ひょうご安心リフォーム推進委員会の定時総会と研修会を開催、私も理事の末席に名を連ねさせて頂いており、運営側として参加です。研修会の担当として最新の情報提供をすべく、SNSの活用で新たな顧客の開拓を提案されている株式会社新大陸の鈴木氏とクラウドを使った現場用のモバイルツールで見積もりから受注の流れを一変させる可能性を示唆される株式会社リフィードの右田氏をゲスト講師にお呼びしてお話しを頂きます。
どちらのサービスも先進的かつ革命的なスキームで、非常に大きな潜在的な価値を秘めておりますが、その凄さを単に集客ツール、簡易見積もりソフトと理解してしまうと目新しいくらいで大した事ない。と思ってしまうかも知れません。世界が大きな変革の時代を迎えている危機感を持っていると感じている人だけが、そのサービスの奥に潜む破壊力に気づかれるのだと思います。セミナーが始まるにあたって冒頭にそんな話をさせて頂きました。
昨年に続き初心者向けUX/サービスデザイン概論に参加。
私としては、時代の大きな変化を迎えているという実感とそれについていけなくなることに対する危機感は常に持っていて、対策、対応ができるようにと情報収集や、これと思ったサービスの導入、研修を受けたりと平素から結構熱心に取り組んでいます。そんな1つが昨年1年間通じて畑違いかと思いながらも飛び込んでみたUXデザインの研修です。そのきっかけとなったちょうど1年前のUXデザイン概論のセミナーが今年もまた先週末に開催され、再度参加してきました。
今回も非常に大きな気づきと新たな視点を得られたこともあり、以下に自分自身への備忘録を兼ねて記しておきたいと思います。
未来は現在の拡大ではない
昨年と全く!同じテーマのセミナーであったにもかかわらず、その内容ががらりと一変していたのは冒頭に浅野先生が述べられた、「この一年で世界は大きく変わった」の一言に集約されているからだと感じました。Googleやアマゾンなどのプロダクト、商品を製造していない会社が世界のトップ企業として君臨してしまった現代を「プラットフォームが世界を制覇した。」と一言で説明、消費者による購買活動が圧倒的な変化を見せるなか、aiの発達は知的労働者、肉体労働者の両方の仕事を奪うことになり、ワークシェアリングが進むであろうと示唆されました。
確かに電気自動車による自動運転のタクシーの普及は労働集約型の典型であるドライバーの職をこの世から消え去ってしまうことになるし、一瞬で数値の分析をしてしまうaiは税理士や会計士などこれまで高学歴の人たちが提供していたサービスを直撃します。
日本でも最近、働き方革命なる労働時間の縮小と効率化をセットにして人らしい暮らし、プライベートの充実を図る取り組みが国を挙げて叫ばれておりますが、それも満足できる所得があってこそ。可処分所得を持つことこそに幸せな暮らしを送る資源があると考えれば、シェアリングエコノミーを代表とする固定費を削減するビジネスが栄えるのは当然の時代の流れのように感じます。このような視点で見ると明らかに未来は現在の拡大ではなく、縮小していくと言う事実に正対すべきだと納得させられました。
6頭立ての馬車より車。
激動の時代を生きる私たちは人間の本質に向かう思想が必要であり、頭を180度切り替えるべきと言う浅田先生の言葉は胸に突き刺さりました。豊富な事例をご紹介頂きながらの説明を頂きましたが、その中で「イノベーションのジレンマ」という視点はハンマーで頭を殴られたような衝撃を受けました。要するに、これまでの延長線上でのサービスや商品開発ではダメだ、ということですが、分かりやすい例として馬車のスピードアップの話を紹介されました。馬車を速く走らせるために多くの馬を連ねて、一度に鞭で叩けるように鞭の開発を続けている間に自動車が開発され、全く意味がなくなったという話は、時代の流れを掴めず、思考の転換がなければ全く無意味になってしまうことの非常にわかりやすい例でした。
この激動の時代に未来を標榜して生き残るには何が必要か?という問いへの答えとして、浅野先生が明確に打ち出されたのは顧客視線への転換であり、現在の顧客ではなく未来の顧客に焦点を合わせる思考、研究を行うことです。
「グッズドミナントロジックからサービスドミナントロジック、機能から体験に。全てはサービス!」と刺激的な論調の基本はマーケティングの大家コトラーが提唱したマーケティングの基本のように思いがちですが、全てはサービス!という概念は現在の企業のコモディティ化と顧客の文脈の多様化、複雑化を同時に紹介され、ポストモダニズム(自分らしく生きること=多様化、細分化への対応)への対応をするにはその精度をもっと深化させなければならないことを示唆されていると感じました。そのためにUXの概念を学び、私たちはマーケティングのその先に進まなければならないということだと理解した次第です。
学ぶべくは哲学。
その他にもIot/aiの現状やそれぞれに対する向き合い方、デザイナーの新たな仕事はユーザーが操作を意識しないでデータを収集するIot機器のプロダクトデザイナーになるべきだ!等々、旬というよりは時代の最先端を読み解くヒント盛りだくさんの刺激的なセミナーで、昨年同じテーマで聞いたとは思えない斬新さには本当に驚きました。(笑)
最後に、今回のセミナーを受講して私の中で一番印象に残った浅野先生語録は、「HCD(人間中心設計)は哲学であり、UX(ユーザーエクスペリエンス)を下から支える。」というもの。畑違いかと思いながらもどんどんと引き込まれてしまう理由はこの辺りにあるのだと改めて感じた次第です。
浅野先生、UX KANSAIの運営スタッフの皆様、本日も非常に良い機会(LTを含めて)を頂けましたこと心から感謝致します。今年もまた、一年間よろしくお願い致します。
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