天命を知る日と、UX KANSAI #2 オブザベーション

7月10日曇り

天命を知る歳。

今日は私の50歳になる誕生日。朝から(というか既に昨日から)多くの方々からお祝いのメッセージやプレゼントいただき、今更そんなにめでたいわけでもない初老に差し掛かっていくおっさんの誕生日ということで自分ではあまり意識しておらずJBN京都、共緑会での講演と懇親会に出席と、朝から晩までギッシリと仕事を詰め込み普段通り走り回る1日でしたが、その合間に絶え間なくiPhoneに流れてくるお祝いメッセージにずいぶんと幸せな気分を味わせてもらいました。皆様本当にありがとうございました。心から感謝いたします。

その中でも昔からリフォームや新築工事を通してお付き合いいただいているお客様がわざわざ事務所まで花を届けて下さったのには正直驚いたと共に感動しました。電話で失礼します、と言いながらお礼の連絡をしたところ、「いつもお世話になっている高橋さんの50歳の節目のお誕生日なので、これからの半生に幸多かれと願いを込めてお届けしました。」と、お世話になっているのはどう考えても私の方なのに、有難い言葉を頂戴してしました。I様、本当に有難うございました。心から御礼を申し上げると共に、引き続き末永いお付き合いをよろしくお願い致します。

 

 話は変わって、、

先週末はいよいよ今期も始まったUX KANSAIの研修の第2回目、#02 オブザベーションに参加して一人の生徒としてインプットに励んで来ました。 UX(ユーザー体験)からサービスデザインを生み出す手法と思考、そして哲学を学ぶこの研修は、日本を代表する大企業の若いデザイナーやエンジニア、最先端を走るITベンチャーの企業のプロデューサーやディレクターが多く参加されており、私が住む建築業界とは全く違う世界です。昨年に引き続き今年も通年で受講の申し込みをしたのですが、今年もやっぱり!最年長で畑違いのおっさんが紛れ込んでいる感じが否めませんでした。(苦笑)他の受講生には「変なおっさんが紛れ込んでるなぁ」と思われ ているのは間違いありませんが、私としては最も高額な購入物であり毎日の暮らしに密接な関係がある建築の世界にこそUXがもっとも反映されるべきであり、他の業界に遅れを取らずに学ぶべきだと思っています。

 

#2オブザバーション

今回の研修はオブザベーションと言う内容で、ユーザ体験の調査の手法について学びました。このUX KANSAIで学ぶ研修の全体像を簡単にご紹介しておくと、

ユーザー調査(利用状況の把握と明示)
ユーザー情報の視覚化(ユーザーの要求事項の明示)
情報のモデル化(ユーザーの要求を満たす解決策の作成)
ユーザー評価(要求事項に対する設計の評価)

以上のステップを踏んだ後、適切な箇所への繰り返しを行いながらサービスデザインをブラッシュアップしてシステムがユーザーの要求事項を満たすことができる設計を作り上げていくことを目的としています。今回はユーザー調査の中の3つの手法(フィールドワーク、オブザベーション、インタビュー)の中の質的調査に当たるオブザベーション(対象社会の生活の直接観察)についての講義とミドルサード(基礎の基礎からではなく中途から、完成度はともかく興味を持ちやすい)なワークショップが行われました。この観察手法の有効性とは、出来事に対する感想や意味づけに対するインタビュー(回顧法)ではユーザーは本当のことを口にすることは少なく、体験を通した感情や事象がインタビューに正確に反映されないことが多いからとのことで、確かに人の脳は嫌なことは忘れる様にできていることを考えると体験時にリアルタイムに観察することををしなければ質的な調査にならないという浅野先生の言葉には納得させられました。

 

イノベーションの機会を発見するためのアプローチとメソッド。

今回の学びとしてはミドルスタートなワークショップということでワークショップを通して導き出した答え(発表については精度を期待しないで良いとのことでしたが、)探索的情報収集を実際に行って(フルーツたっぷりゼリーを食べる姿を観察)上位下位関係分析法により概念の模索を行った上で仮説の生成を行い、課題である「ユーザーに新しい経験を与える様な斬新なコンビニに置くゼリーの新パッケージを提案」を考える中で、イノベーションの機会を発見するためのアプローチ、メソッドの大枠を理解するということでした。

要するに、(簡単かつ乱暴にまとめてしまうと)被験者がゼリーを食べながら、感じたことや感想を発話して観察者がその行動や発話を細かく記述した後、作業ステップごとにまとめ、一連の流れの中でのエラーや不具合、症状、改善点を発見して問題解決を考える(→斬新なパッケージを発案する。)ということでしたが、これが思いの外深い学びを得ることができました。

 

本質を見極める。

私たちが建築の仕事を通して目指すべきは顧客の潜在的な問題解決や新しい価値を見出してもらえるソリューションを提供することであり、その為に必要な思考のプロセスをロジカルにレクチャー頂いた後で、実際にワークショップを通して思索を巡らす作業は、トリアージ(優先順位を考える)や調査と設計の間の深い溝(キャズム)を浅くする方法論、何よりインサイト(洞察)による本質を見出し、多くのユーザーの最大公約数としての生活価値ニーズの発見をしなければ意味がないという哲学と言っても過言ではない厳しい視点を持つことの重要性を学ばせて頂きました。やはり、「本質はこれだ!」という解を得なければ研修を受けて学ぶ意味はない訳で、ユーザーに対するソリューションの提供は上っ面の観察ではなく、洞察(個別の差異ではなく共通する生活価値やニーズを炙り出し、ルールの発見(概念化)する)までを一連の作業として慎重に、そして確実にこなせるスキルが必要だということを改めて突きつけられた様に感じました。

 

本当のニーズ。

今日のワークでの事例でいうと、被験者がゼリーを食べる間観察されて、感じていた中で目立ったのは(蓋がめくりにくい、机を汚す、手が汚れる、最後がたべにくいのでかきこむ等の)恥ずかしさでしたが、感情曲線を元にもう少し本質な部分に焦点を合わせると、ゼリーを食するのに恥ずかしい感情を覚えるのはワークの被験者となっているからであり、普段、職場や家でゼリーを食べるシーンではそこの問題は無いに等しいということことが見えてきて、そこで、もっと視野を広げてポジティブなニーズに目を向けると、ゼリーとフルーツを一緒に口に運びたい。とか、一回で食べる量をコントロールして食べかけのゼリーを冷蔵庫に戻したいなど、私の様なおっさんには全く理解ができないニーズが浮き彫りになりました。結局、私が所属するチームでは平べったくて、底に区分けの凹凸があるパッケージを考案、発表しました。

 

本質への視点の移行とUXマインド。

浅野先生には販売の主戦場であるコンビニに置くのにその形は適しているのか?という厳しいツッコミもいただきましたが、短い時間で発案した平べったいパッケージという解の実効性、ビジネス的な観点で見た実用性の可否はさておき、観察から洞察、本質を探し出す思考への視点の移行という意味ではなるほど!と大きな学びと気づきを得ることができた様に思います。

この様な学びのプロセスを積み重ねることによって、UXデザイン的な思考やマインドをじわじわ身体に染み込ませていき、そのうち違和感なくフツーの感覚として日常の業務に活かせる出来る様にしたいと思います。一度聞いたからと言って理解できる訳ではなく、よしんば理解したつもりになったとしても普段使える様になる訳ではないのは残念ながら容易に想像できます。数年かかるかもしれませんが、UX的思考、UXマインドを持てる様に今期も1年間、学ばせて頂こうと背筋を伸ばした次第です。浅野先生、UX KANSAIの運営スタッフの皆様、宜しくお願い致します!

 

おまけ、

懇親会は相変わらずの盛り上がりと学びを深める素晴らしい場でした。今期も楽しませていただきます!(笑)

 

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