7月21日 晴れ
学びの日。
朝からうるさいくらいに蝉が鳴き、日差しも強くなってきてすっかり夏本番、知らない間に梅雨も明けてたようです。今日は昼からNPO法人ひょうご安心リフォーム推進員会の運営委員会と会員向けセミナーの開催、高知県から(株)光テック 取締役 夕部 美子さんを招聘して「プラスワンで素敵に見えるリフォームコーディネート」と題したセミナーイベントを開催しました。ひとさじリッチ❤リフォームを合言葉に数多くのお客様に
選択と集中。
午前中は相変わらず滞りがちのメルマガの配信を行いました。来週の25日に迫ったすみれ本社で開催する元祖職人起業塾の今月の課題とテーマについての事前配信です。今回のテーマは「選択と集中」京セラの稲盛和夫会長がJALの事業再生の際のスローガンに掲げられたり、Canonの経営再生の原動力になったと言われたりしてすっかりお馴染みの言葉ではなりますが、私個人的には「選択と集中」という事業改革への概念はそんなに簡単なものではなく、私たち中小零細企業にはとっつきにくいというか、使いづらい考え方だと思ってきました。しかし、苦手なものに目を閉ざすのではなく、正面から向き合うのも信条として持っていることから、若干の躊躇もありながらも今回のテーマに取り上げてみました。以下は本日メールマガジンで配信した内容の抜粋です。
___________以下転載______________
第47回職人起業塾テーマ:選択と集中
GEの例
その昔、GEの再建を託されたCEOジャック・ウェルチ氏がドラッカー博士に尋ねました。
ジャック・ウェルチ:「これからのGEはどうしていけばよいか」
ドラッカー博士:「この事業の中で、今、もしも行っていなかったとしたら、絶対に手を出さないだろう、というものはあるか?」この質問で、ジャック・ウェルチは何を選択すべきかを悟り、結果、30を超える事業分野を持っていたGEを、その分野で世界ナンバー1か少なくともナンバー2になれる事業だけに経営資源を集中し、それ以外の事業は他社に売却して撤退するという方針を打ち出し、集中した分野での業績を徹底的に伸ばした結果、不振事業のマイナスという足かせがなくなったGEを見事に復活させた。
アシックスの例
アシックスはシューズだけでなく、スキー用品はじめスポーツウェアなど周辺商品の販売にも手を広げたものの、バブル崩壊による市場縮小で大打撃を被りました。結果7期連続での赤字計上。倒産の危機すら噂され瀕死の状態にあった同社がとった起死回生の策が、そもそもの本業であり自信を持って販売できるシューズ事業への特化、経営資源の集中でした。シューズへの技術開発、製品開発への全社的注力は潜在的市場の堀おこしにもつながり、業績はV字回復を遂げます。そして05年には連結売上高で宿敵ミズノを抜き国内トップになりました。
シャープの例
シャープは00年ごろから液晶テレビを他社に先駆けて積極的に取り組み「液晶のシャープ」の地位を確立しました。この好調を受けて同社はさらなる飛躍を狙い、経営資源の液晶部門への「選択と集中」を行います。三重県の亀山市に相次いで液晶パネル工場を増設し国産、高品質の「亀山モデル」を印象付けると、さらに大阪府堺市にも液晶の大型工場を建設したのです。この時期の同社の投資総額は1兆円を超えるほどの巨大規模となりました。しかし、08年のリーマンショックで需要は落ち込み、追い討ちを掛けるように中国や韓国などの新興勢力の台頭による激しい価格競争に巻き込まれて収益は悪化の一途をたどります。とどめを刺したのが、10年7月の国内地デジ化完了による地デジ対応テレビ特需の終焉でした。翌11年には、シャープの巨額赤字体質への転落が明らかになり、その後4年間で総額1兆円以上の経営赤字を計上するというどん底に突き落とされたのです。
選択すればいいのではなく、集中すれば良い訳ではない。
これら3件の事例に学ぶのは選択と集中は必ずしも正しい経営判断ではなく、正しい選択が出来ていれば集中した方が効果性が高いということであり、正しい選択が出来なければ、選択と集中は失敗を加速させるということです。
まず選択ありき。そして(その選択が正解ならば)集中すべし。となりますが、選択したコンテンツやサービスが他者に勝てるものでなければすべて負けることになり、事業は一気に破綻します。正しい選択が出来てこそ、集中する価値があるということです。
「正しい選択」とは何かを考えた時、思い出すのはドラッカー博士が何度も言い続けていた「強みの上に立ちなさい」という言葉であり、(大した)強みがないものが選択と集中をしてはいけないのです。
Q:強みに焦点を合わせて、あなたにとっての選択(これは負けない!と思える強み)と集中(行動、計画、プラン、習慣)をお答えください。
___________転載ここまで______________
差別化戦略の欺瞞。
「なんでもやる工務店は何にもできない工務店と同じ。」と数年前から差別化戦略を推奨する風潮が工務店業界には随分と一般的になり、得意な分野に特化すべきとセミナーや研修に参加する度にコンサルティングの先生から言われました。私としては地域密着の工務店は際限なくマーケットを広げるのではなく、地域のインフラを含め建築にまつわる地域住民のあらゆるニーズを汲み取って狭くても太い繋がりを大事にすることで小さくても持続性のあるビジネスモデルを作り上げるべきだとの想いがあり、事業内容を絞り過ぎることに対して非常に抵抗があったのが正直なところです。
また、一口に建築といっても現在は随分と分業、細分化が進み上述の差別化戦略ばやりの影響もあってか新築、リフォーム、店舗工事のそれぞれの専門会社に分かれているのが現状で逆に(私達すみれの様な、)どの工事でも専門業者に負けないレベルで設計・施工ができる工務店の方が稀になっているのが実際のところです。そして、建築工事というのは設計図書さえあれば(ある程度のスキルは必要ですが)誰でも同じものを作ることができますし、材料にしてもなんでも手に入るようになっており、実は本当の意味での差別化、更にその先のコアコンピタンスに強みを磨き上げるのが非常に難しい業界でもあります。多分、殆どの工務店経営者が薄々感じておられるのだと思いますが、モノのカテゴリーで考えると工務店側の売り手目線では強みに特化しているように思い込んでいても消費者目線に立つとどこもあまり変わりはないのです。
本質的な選択と集中。
そんな現状を見ると選択と集中の概念の向かう先が少し変わってきます。モノではなくコト、ハードではなくソフトに目を向けて選択と集中を行うべきだと考えると、新築の企画商品、リフォームのデザイン提案等々の提供するモノではなく設計・施工でそれを支える人のスキルや属性、人となりに焦点を合わせるべきだと思うのです。
そんな訳で、今月の元祖職人起業塾は、すぐに誰にでも真似をされるような表面的な強みではなく、小さくセグメントされた小さな市場で構わないのでその中で持つ絶対的な強みを再度見直し、その強みを伸ばすための取り組みを選択と集中という概念で見つめ直して頂く機会を持って頂こうと思っています。ちなみに、自社に置き換えて考えて見ると、私達の強みはゼロエネルギー住宅の企画商品であるsumika zeroなどの住宅商品や豊富な経験に裏付けされた店舗改装の設計施工、女性アドバイザーによる丁寧なプランニングを特徴とするリフォームといった表面的な商品やサービスではなく、設計・大工共自社の社員として育て、真摯に誠実に顧客に向き合う姿勢と共に全体のスキルを高めてきた社内教育とスキルの移転に強みがあり、それがバックボーンとなってマーケティング・アクションを実行できることです。選択と集中すべきは人材育成、また知識やスキルの水平展開の仕組みの再構築に尽きるということになります。手前味噌になりますが、塾長の立場で問いを立ててメールマガジンでアウトプットした訳ですが、我ながらいい気づきを得ることができました。(笑)
苦手なことに向き合うことの重要性を再確認、そしてアウトプットにこそ学びあり、ですね。
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