UX KANSAI #3 ビジネスインタビュー 目指すのは新しい顧客体験

8月8日 曇り時々晴れ

 

 

限界突破の体験談

今日は火曜日、朝活の日。昨夜、すっかり毎年恒例となった夏の富士山登山から帰ってきていきなりの朝起きで大丈夫か?と若干の心配をしておりましたが、なんとか寝坊することなく6時半から姿勢を正して倫理法人会のモーニングセミナーに参加しました。奇しくも、今日のスピーカーは会社経営者でありながら世界最高峰のエベレストに登頂した経験を持つという木村正均氏で、富士山とは比べるべくもない壮絶な生と死の境を乗り越えて無事に登頂、そして下山された体験談を拝聴することができました。地球上で天国に一番近い場所にてお母さんへの感謝を言いたくてエベレストへの登頂を決意されたという話は本当に素晴らしく、心を大きく揺さぶられました。著書も購入したのでまたの機会に木村社長の限界突破の人生についてはご紹介させてもらえればと思っています。

 

 

某大手ハウスメーカーのビジネスモデルキャンバス

さて、先週末は富士山の前に大阪にてUX KANSAIの研修に参加してきました。昨年に引き続き、通年での研修参加を決めてからの、今回で3回目のワークショップは実在のサンプル企業を招聘してビジネスインタビューを行い、BMC(ビジネスモデルキャンバス)でAs-Is(現状)を明らかにした後、UX的見地からTo-Be(これからのビジネスモデル)を考えて提案するという非常に実務に置き換えやすい実践的な内容の研修でした。これからの研修では今回のBMCをベースにサービスデザインを考案、ブラッシュアップを繰り返しその実在の企業様へプレゼンテーションを行うという流れになっており、(たまたまですが、)そのサンプルとして来られた企業様がなんと!建築関係(某大手ハウスメーカー)でして、UXデザインの建築への転用に頭を悩ませていた私としては願っても無い展開であり非常に嬉しい益々楽しみな研修になってきました。どー考えてもツイテます(笑)

 

 

前提条件と目指すべき方向性

今回も実際のワークに入る前に講師の浅野先生による留意すべき点のレクチャーがありました。冒頭の30分でサラサラ〜と話をされるのですが、実はここが肝で、前提条件や目指すべき方向性を明確に示されます。当然といえば当然ですが、この全体像の理解がなければ、UX的見地に立ったビジネスモデルの考案などできるわけがないわけで、毎回聴き漏らすまいと注意をする様にしていますが、いざ実際にワークショップに入るとその大事な部分をすっ飛ばしてしまったりします。また、軸足はずれていないはずなのに、5人のグループで様々な意見を集約するうちにコンセプトがぼやけてしまったり、サービスのコアな部分が不鮮明になったりとワークショップの落とし穴にはまってしまうこともしばしば、今回も若干そのきらいもあったこともあり、浅野先生が冒頭に語られた重要な部分について改めて自戒を込めてまとめておきたいと思います。

 

 

 

マーケティングのパラダイムシフト

UXデザインで学ぶべきはユーザー体験の情報収集を元にサービスデザインを考案することであり、それは企業の経済活動で収益を得られる様に使えるものでなければなりません。当然、マーケティング的な要素もふんだんにあるのですが、劇的な変化を続けている今の時代を泳ぎきるにはその精度を更に上げるだけではなく、根本的な視点移動を含めてこれからの時代に即した商品、サービスを考える必要があります。今回の冒頭、以前から何度も聞かされ、その度にドキっとさせられるマーケティング活動にパラダイムシフトが起きており、これまでの様に高性能なモノ、美しいモノを作れば売れる時代からサービスドミナントロジックと言われる体験に価値がある商品やサービスしか売れない傾向が加速している。コトラーが「モノからコトへの転換」を提唱された時とはそのレベルが格段に変わっているというお話がありました。

 

 

イノベーションのジレンマ

これまでP・F・ドラッカーやスティーブン・R・コヴィー博士が基礎的な概念をまとめ、コトラーやジェイ・エイブラハムが体系化してきた原理原則に基づいたマーケティング理論の深化もしくは本質化というべき流れですが、単にモノからコトへと焦点を移すだけではなく、多様性と細分化が激しくなり、個別対応が出来ないレベルに達したユーザーニーズを炙り出し、未だ顕在化していない顧客が求める体験を提案、提供する。というのはこれまでの経験則の積み重ねからの発案では絶対に出来ません。イノベーションのジレンマという説明を以前にお聞きしましたが、自社のサービスや商品を気に入ってくれている既存の顧客にいくらインタビューを繰り返し、ニーズを掘り起こしても新たな顧客を獲得するイノベーションは起こらないと考えると、私たちはニーズを調査する対象のユーザーのペルソナから根本的に見直す必要があり、ここにUX(ユーザーエクスペリエンス=顧客体験)デザインを学ぶ必要性と意義があると思っています。

 

 

(当たり前の)逆転の発想

象徴的なのはビジネス調査において、「顧客>提案価値>強み」の順でなければならないという考え方です。私たちがこれまで行ってきたマーケティング理論は自社のUSP(ユニーク・セリング・プロポジション=自社独自の強み)ありきで、それを明らかにしてそこからどのような価値を提供できるか、それをどのようにして顧客に見つけてもらうかという順番でビジネスモデルを考案していました。しかし、全くその逆のロジックこそがIT革命、情報革命が起こって劇的な変化を遂げようとしている今の時代には必要だと釘を刺されたことです。理屈から言えば、ユーザーニーズを知ってからその要求を満たす方がビジネスの構築としてスムースなのは当たり前ですが、前述のイノベーションのジレンマの中ではあらゆるサービス、商品が一瞬にして陳腐化してしまう訳で、そんな中、調査のやり方もわからないままでは手のつけようがないということです。ただ、浅野先生が繰り返し口にされるのは「何をもって社会に貢献し、尊敬される企業になるのか」という言わば事業に対する理念の重要さであり、ここだけは私たちが長年取り組んできた「在り方から始める」というマーケティング理論と根幹を同じくする部分です。

 

 

新しい顧客体験を提供すべし

少し前に「技術革新で仕事の5割が消滅」20年後の社会 – ハフィントンポストという記事が話題に登りましたが2030年までに、現在、人間が行なっている仕事の8割を自動化することが可能と言われる学者もいるくらい私たちは劇的な変化に晒されています。これまでの顧客がスマフォ世代に変わり、生活スタイルも価値観も大きく変化する(既にした!?)これまでの延長線上にないこれからの時代に向けて、UXデザインの考え方と手法を学ぶことで、サービスデザインと呼ばれるこれまでのマーケティングからもう一歩踏み込んだ、顧客の行動、文脈、そして期待価値を把握した上でビジネスとして成り立つべく競合優位性や自社が持つ提供価値をリフレーミングし、顧客体験を提供(要するにここが肝!)できる企業になるべきで、私たちは顧客がぼんやりとしかイメージできていない「素晴らしい体験」を具体的に提供できる工務店となって、建物という箱(モノ)ではなく、暮らしというコトをデザインするスキルを身につけなければならないということになります。

 

  

体験を提供している事例(後付けですが、、)

今回は実際のワークの内容などはさておき、UXデザインの概念的な部分をおさらいしてみました。「抽象的でさっぱりわからんわい」と思われたかも知れませんが、例えば昨日の富士登山には私の(研修事業の)クライアント企業からも多く参加されておられます。研修では目標達成や計画の実践の為のマインドセット、具体的な行動の共有などを行いますが、その象徴としてのイベントで日本最高峰の頂に立って、目標達成と自分自身の限界突破の体験を提供していると考えればわかりやすいかも知れません。山登りなど実務と関係のないレクリエーションのように見えるかも知れませんが、実際にその体験をきっかけに大きく人生を転換させた方が(私を始め)数名おられることを考えれば、(後付け理論にはなりますが、)研修事業を行なっている事業所が企画しているツアーとしては建築事業を行なっている自社をペルソナとして期待価値を把握した上で自社が持つ提供価値をリフレーミングした結果、対外的なサービスとして継続している事業とも言えると思うのです。
イマイチ、、な感も否めませんのでこれからもう少し浅野先生にご教授頂いてUX的思考回路を身につけて建築実務に反映できるように精進したいと思います。
浅野先生はじめ、UX KANSAI運営メンバー、そして共に学びの場に来られている皆様、宜しくお願い致します。


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