11月23日 勤労感謝の日 土砂降りのち晴れ
環境は性能とデザインの両立。
引き続き東京滞在中。昨日のオールアースパートナー会では新たな取り組みの発表もあり、様々な(独特の強みを持った)企業や団体と新しくアライアンスを組んで電磁波対策だけでなく住環境全てを包括的な視野に立って改善していく方針を会として強く打ち出されて、私としても大いに刺激を受けたと共に、常日頃、家づくりは単なる手段であり、私たちが目指すのは顧客の健康で安心できる楽しい暮らしだと言い続けているのと同じ考え方を持った仲間が全国にいることに非常に嬉しく感じた次第です。日本の住環境を電磁波対策のみならず、性能もデザインも含めて大きく改善していこうという団体のパートナー企業として取り組みを加速させたいと思います。
運慶展
今回の東京出張は明日の職人起業塾@東京の講座に挟まれたこともあり、いつもの弾丸日帰り出張ではなく3日間の滞在としました。今日はその中日、珍しく午前中は完全オフを決め込んで、巷で仏像の新しい世界が見えると大きな話題になっている国立博物館で開催中の運慶展を観に行きました。以前、楽しみにしていた若冲展を観ましょうと思い、昼頃に上野に行ったら衝撃の4時間超えの長蛇の列に遭遇し「大都会東京はなんてたくさんの人がいるんや!」と驚きながら尻尾を巻いて神戸に逃げ帰った苦い経験があり、同じ轍を踏むまいと、その時の経験を生かして今回は土砂降りの雨の中、会場前にチケットを買ってから到着するという周到な計画を立てて向かいました。それでも開園と同時に即入場制限がかかる人気ぶりで30分くらいは並ぶことになりましたが、想定したイメージ通りに史上初となる運慶の作品を一堂に集めた展覧会に潜り込むことができました。
運慶と快慶
今の子供たちがどのような教育を受けているのかはよく知りませんが、私たちが子供の頃に学校で習ったのは日本の仏教彫刻、仏像の大家といえば運慶と快慶、この二人がセットでその流れの慶派が本流、主流となり平安時代の古の頃から脈々と戦国時代、そして現代にまで引き継いで来られているということで、特に教科書にカラー写真が載っていた運慶と快慶が共に創作したとされる迫力満点の東大寺仁王像は子供心にも強く印象に残っていますし、実際に小学校の遠足で東大寺に行き、実物を観て度肝を抜かれた覚えがあります。とにかく、仏像といえば運慶と快慶なのですが、今回の展覧会は「運慶展」となっており、快慶は一体どうなったのか?という些細な疑問を持ちながら国立博物館に足を運びました。
技術革新と仏像
土砂降りの中、30分近くも並んだのち、会場に足を踏み入れるとそこには運慶がまだ20代の若き頃に創作したデビュー作、薬師如来像が据えられており、通常は半年ほどで彫る仏像を一年という歳月をかけて(身体の角度に4.5度の修正を加えたりしたことがCTスキャン等で解析されていた!)ディティールに拘って高めた完成度は日本の歴史に名を残すというより、ミケランジェロと並び称される天才の持つ凄みをのっけから感じさせられました。また、技術革新により仏像の調査解析が飛躍的に進んでおり、仏像の内部に仕込まれている五輪塔を模した木札や水晶の心月輪、納入品や巻物等、仏像が単なる彫刻ではなく仏師が魂を吹き込んでいる様をまざまざと見ることができ、お寺を巡って仏像を観るのとは一味違う非常に貴重な体験ができました。
木に魂を吹き込む。
半日間どっぷりと運慶の世界にはまり、木に命を吹き込む仏師の執念とも言える精神世界に触れることによって、よく耳にして言葉としてはすっかり陳腐化しつつある「ディティールに神が宿る」という概念がまさに具現化されてる様は圧倒的なリアリティーを持って迫ってきました。特に視聴室で上映されていた東大寺の仁王像の解体修復作業のドキュメンタリー映像は仏像というより構造物ともいうべき8mにも及ぶ大きな仏像を刻んだ先人の偉業を組み合わせる仕口まで細部に渡り見られる稀有な機会であり、木を刻む職人の端くれとして大いに心を打たれました。感動冷めらやぬ中、運慶展を後にして「なるほど、」と納得したのは前述の私が持っていた、快慶はどうなった?という小さな疑問に対する答えで、それは世界に誇る仏像彫刻の巨人、運慶と快慶はそれぞれ単独で展覧会をすべき程偉大であり、運慶だけの単独展で十二分に見応えがあるし、これで正解だということ。そのうち、全国から快慶の作品を集めた展覧会が模様されることを期待したいと思います。
環境と感性。
運慶展で私が感じたこと、それは運慶が康慶という卓越した父親の元に育ち、快慶をはじめとするその弟子たちが日本の仏像の主流をなした系譜を見て後世に名を残す天才はそれを生み出す環境が大きく影響するということであり、卓越した人が持つ高いレベルを共有する集団の中での先人の教えの踏襲は圧倒的な技術と思考を身につけることと、その中で運慶のようにさらに突出して才能を開花させるのは技術の上に新たな自分なりの眼を養ってその心が感じる向きを表現するチャレンジ精神であり、本質に気づく感性を養うことの重要性です。私が運慶に学んだところで今更なににも使えないかもですが、とにかく、感動と学びと気づきをもらえる非常に素晴らしい展覧会でした。東京ってやっぱ、すごいですね。感性を高めるためにこんな環境で暮らしてみたいものです。(笑)
注:参考の写真は雑誌Penから拝借しました、非常にいい特集をされているのでよかったら購入して見てください。^ ^
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