12月2日晴れ
UX KANSAI #8 ペーパープロトタイピング
今日は朝1番から大阪へ。UX KANSAIのセミナーでした。朝の9時から研修前のチームメンバーとの下打ち合わせ、10時から夕方6時まで丸一日みっちりと講義とワークショップ、終わってからは東通りの焼き鳥店での懇親会ととん平での二次会、丸一日どっぷりとUXデザインの世界につかりました。一年近くかけて行われる全9回の講座も今回を終えると1月のあと1回を残すのみ、最終会はサンプル企業へのサービスデザイン、ビジネスモデルのプレゼンテーションなので実質、今回がUXの思想を取り入れたサービスデザインを学び、考える最後のワークショップとなりました。幸運なことに今年のサンプル企業に取り上げられたのは日本最大手の某住宅メーカーで、これからの住宅市場の縮小に備え新たなビジネスモデルを模索しており、そこにUX的観点から新たなサービスデザインを提案するという私にも非常に深い関連のある興味深いテーマとなっています。
新しい働き方と住まい方。
私たちBチームが立案したプランはフリーランスや企業に所属しながらも自分の持つスキルを活かして余裕のある時間で仕事をしたいと考えるクラウドワーカー、もしくはこれからスタートアップを目指す若者が働きながら暮らしやすいコワーキングスペースと住居が一緒になり、仕事や情報が集まるSOHOのような施設の運営で、プライベートと仕事のバランスをこれまでとは違うボーダレスにすることによってそこに住まう人が自分らしい生き方を標榜できる梁山泊のような賃貸施設を全国に展開するプランです。これから日本が抱える人口減、人材不足の解消には働き方改革が求められると言われていますが、新たな働き方、稼ぎ方ができる場の提供、また人材不足に悩み、アウトソーシングを増やしていきたいが、クラウド経由だけでは心許ない、もしくはクラウドでの発注に慣れていない企業にも業務委託の選択肢を増やせる可能性があると考えました。
意味があるのか?尊敬されるのか?
上記のプランで目指したはテーマである、企業が持て余している現在使われていない社員寮などの遊休施設を再活用することでその施設の所有者である企業と建設会社であるサンプル企業、そして入居するユーザーの3者が共に幸せになるようなスキームです。講師の浅野先生が繰り返し口にされる、「その事業をこの企業がやる意味があるのか?」と「そのビジネスは尊敬されるビジネスなのか」という問いに対する答えを織り交ぜつつ、これまで行ってきたユーザー調査やインタビューで得た知見をもとにまだ顕在化していない顧客のニーズや劇的に変化する時代の流れを鑑みながらあれこれと議論をたたかわせてきました。その中で一番の問題は、マネタイズと言われる事業としての収益性の部分であり、ここにはチームメンバーさんと一緒に随分と頭を悩ませました。その結果、私が提案したのは、事業収益のサイクルを短期間ではなくもっと長期的な視点に立って計画をすることです。
ビジネスの起点は常に集客。
遊休施設の活用にはとにかく、そこに住まう人が集まらなければ話になりません。スキルと経験を持った社会人や才能を持った若者に集ってもらうにはそれなりのメリットが必要でこれが出来なければ何も始まりません。ある程度のスキルを持った人が移り住みたくなる理由づけには仕事が集まるSOHO的賃貸マンションというコンセプトなので、そこで得た収入に応じて家賃設定をするのはどうかと考えました。仕事が順調に回れば家賃を多く支払うし、収益が上がらない内は最低限の格安な家賃しか課金されないという条件です。建物のオーナーにすると最低限の収益が必要となるため、事業主体となるサンプル企業が一括借り上げをして建物オーナーの利益を確保して事業に参画してもらいます。問題は一括借り上げをする事業主体である住宅メーカーが手にする利益ですが、これは採算を取れないことを初めから覚悟して、CSR活動の一環、もしくは企業のブランドイメージ向上のための広告費という位置付けで予算計上をしてもらいます。結局、採算の取れない慈善事業のように感じられるかも知れませんし、マネタイズが成り立っていない無謀な計画のように見えるかも知れませんが、才能やスキルを持っているにも拘らずそれを活かせていない人たちに活躍の場を提供する取り組みは社会的に大きな価値を持つだけではなく、住宅メーカーとして近い将来、注文建築を受注することができる信頼関係を結んだ見込み顧客を創造する企業ブランド価値を高める大きな可能性を秘めていると思います。
リフレーミングから始める。
以上のプランは私の個人的な提案であり、まだチームメンバーとの合意が取れている訳ではないので、まだ最終回のプレゼンでサンプル企業に提案するかはわかりません。大体、収益は取れませんが、社会のためになるので新規事業として取り組んでください。なんて失礼な提案をするなんて常識的にはあり得ません。(笑)しかし、UX KANSAIでこの2年間学ばせてもらったのは今まで通りの思考では激変するこれからの時代には通用しない、ユーザーの体験から導いてまだ顕在化していないニーズを見つけ、提供することで新たな価値を生み出し、これからの時代にあったサービス、デザイン、ビジネスとして成り立たせることができる。今までの常識を打ち破ること、リフレーミングの思考を持つところから始めるべきということでした。実際にこのような新たな事業を立ち上げるというのは簡単なことではありませんが、業界を牽引するトップ企業であるからこそできることでもあると思いますし、全く新たな視点での事業モデルという点に関しては建築業界の枠組みにはない発想の提案ではないかと思います。(絶対に採用はされませんが、笑)
未だ見ぬ、未来の素晴らしい体験を作る哲学。
2年近くUXデザインを学んでみて、私がその理論体系が理解出来たかと言うと残念ながらそんなことはなく、未だ何にも実務に落とし込めてないのが現状ではあります。しかし、そろそろ来年から設計のステップにUXの手法を取り入れて、顧客の体験を調べること、知ることから未来の素晴らしい体験をデザインできる設計手法の確立を目指して行きたいと思います。とはいえ、漸く全体の流れ、ユーザー調査から分析、情報の可視化、そしてストーリーテリング、ペーパープロトタイピング、アクティングアクトというサービスデザインを生み出すプロセスの概要がぼんやりと理解できたに過ぎません。ご縁を頂いた浅野先生、UX KANSAIのコミュニティーの皆様にはこれからもご指導、ご教授をお願いしなければなりませんし、来年以降も引き続き学び続け、UX的な思考、哲学を身につけることができるように精進したいと思う次第です。特に今回は建築業界からサンプル企業が選ばれたこともあり、本当にいい勉強になりました。他のチームも(苦しみながら、笑)斬新なアイデアを考案されておられましたし、来年一月の最終講、各チームの発表を非常に楽しみにしています。とにかく、新しい世界を学べる環境よご縁には本当に感謝するばかりです。
深謝
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