三人のレンガ職人に学ぶ職人が学ぶべき理由。

12月4日 晴れのち曇り一時雨

師走る。

12月初めの月曜日、日々年の瀬に近づいている感が満載、師走らしくなってきました。12月になると今年中にやっておきたい、片付けたいことが頭に浮かぶのは人間誰しも。師も走り回らなければならない程忙しくなるのはその所為か、とにかく気忙しい日が続きます。そんな割には昨日は予定していたアポイントメントが2件もキャンセルになり(先延ばしなだけでで暇ができたわけではないが、)比較的ゆっくりした日曜日になりました。いつもの通り海岸線を10km程走り、大好きな海岸に面した銭湯、龍の湯にゆっくり使って久しぶりにアカスリなんかしてもらったりして日曜日を満喫、昼からは一応出社しましたがいつもに比べて随分とゆっくりとさせてもらいました。たまにはこんな日もないとね。(笑)

眠らない。

夜は家族で食卓を囲みながらM-1グランプリを見つつ、年末風情を感じたりしておりましたが、そこは師走、そんなゆっくりしたままでは問屋が卸しません。実は昨夜は超久しぶりに店舗工事の着工に解体の職人として駆り出されることになっておりまして、いよいよM-1の準決勝が始まろうとする時間からおもむろに支度をはじめ、M-1の盛り上がりはこれから!という時には大工の大ちゃんと共にダンプに乗り込んで出発!姫路駅前のフェスタという複合ビルでのテナント工事に一職人として向かいました。今日は今日とて夜勤を終えて帰ってきたからと言って月曜日の午前中に寝ている訳にも行かず、シャワーを浴びてそのまま出社、冷静に考えると、昨日の朝起きてから、ずーーっと起きてて、今向かっている今日の忘年会がお開きになる頃には40時間くらい起きっぱなしってことになってしまいます。ほんと、ショートスリーパーでよかった。(笑)

解体とコンリートブロック積みのミッション完遂

昨夜の久しぶりの現場作業は解体工事という簡単な仕事で、長らく現場を離れて勘が鈍った私でもそこそこ戦力として使えた気がします。若手大工のリーダー格の大ちゃんに墨出しや水盛りなどの細かな、そして大事な仕事は全て任せて丸ノコをぶん回し、大バールを振り回して汗をかきました。明け方、解体した廃材を台車に積む込みダンプまで運んでいると、ビルの守衛さんに「オタクは解体屋?」と違和感なく問いかけられたのにも、「ハイそうです。」と私も自然と解体屋になりきって返事をしてしまいました。きっと根っからの土方体質なのでしょう。笑

不要な部分の床の解体工事を片付けた後は、厨房と店内を防水区画で区切るコンクリートブロックを積む工程でした。前日に、大ちゃんにそこまではやるので材料の準備をしておく様に言っておいたのですが、明け方の帰る時間に思っていた通り綺麗に進んだのには未だに現場のイメージを元にしてシュミレートする力は衰えていないのだとご満悦。ま、ブロックは主に大ちゃんが積みましたがそれも私のイメージ通りといえばその通り、すっかり満足してきれいに掃除をしてから帰途につきました。

三人のレンガ職人の話。

大ちゃんと2人でモルタルを練り、コンクリートブロックを積みながら、思い出したのはこのブログでも何度も紹介していいる有名な三人のレンガ職人の話です。(そのままですが、笑)
とある街でレンガを積んでいる職人に出会い「何をしてるんですか?」と聞くと一人目の煉瓦職人は「見たらわかるやろ、レンガを積んでるんだ」と言いました。二人目の煉瓦職人に同じ質問をすると、「俺はね、大きな壁を作ってるいるんだよ」と自慢げに話しました。三人目に出会ったレンガ職人に同じ質問をすると、その職人は「私は立派な教会で人々が救われ、幸せになるその場所を作っているんだ」と言ったという話。同じ仕事をしていても、人の感じ方次第でその意味合いは全く変わるし、やりがいも達成感も幸福感も人それぞれ、まさに人生はパラダイム次第、事実は一つ、解釈は無数っていう示唆を私たちに与えてくれる寓話です。

レンガ職人

職人という生き方。

バケツでモルタルを練りながらそんな話を思い出しつつコンクリートブロックを積みながら、ふと考えたのは同じ仕事をしている3人の職人がどうしてそんなに違うパラダイムを持つようになったのかと言うことです。自分自身の体験を振り返ってみると職人になってモノを作るようになったときは正直何をやっても楽しかったもので、同じ作業をどのようにすれば早く美しく仕上げることができるかばかりを考えて作業に没頭していたような気がします。ものづくり携わる仕事って高い志があろうとなかろうとそれだけで非常に楽しく面白くやりがいがある仕事で、ひとりめの煉瓦職人がただひたすら美しくレンガを積むだけに固執することも十分に理解出来ますしそれはそれで決して悪くないことだと思うのです。

職人を続けることさえ難しい。

25歳のとき私は勤め人をやめて職人になると言う生き方を選択しました。その時、別段大して高い志があったわけでも、仕事の先にあるべき本当の目的を考えていたわけではありません。ただ、自分の腕に職をつけて誇りを持って働きたい、稼げるようになりたいと思っただけのことです。もし、阪神淡路大震災、そしてその後の震災復興に目処が立ったのと時を同じくして行われた消費税増税のあおりを受けて勤めていた工務店から出て行かざるを得なくなり、自分で仕事を探さなければならなくなったことが無ければ、私はお気に入りの大工という生き方で(仕事さえ切れず、働ければ)十分満足していたように思います。その思考は前述の一人目、もしくは二人目のレンガ職人と同じと言っても過言ではありません。しかし、残念ながら手に職をつけただけでは家族を養うことすら出来ないし、ましてや弟子として自分の下で働く者への最低限の義務さえ果たせなくなったのが現実でした。

誇りも自由も無い職人時代。

押し出されるようにして起業した私が、その当時したこと(出来たこと)と言ったら、知り合いに頭を下げて仕事の紹介をお願いすることくらい。腕に職をつけて自由に暮らせるようになりたいと思って建築の世界に飛び込んだのに、結局、技術を身につけただけではあっという間に職にあぶれる不安定な生活で、誇りを持って自由に生きるどころか、あちらこちらに頭を下げて回った挙げ句、安い日当だろうが遠方だろうが歯を食いしばり辛抱し、仕事を持っている人に言われた通りに走り回るだけ。美しく、完璧にレンガを積めるだけでは結局、職人として誇りを持って働くことなど出来ないのを身を以て学んだのでした。

職人がマーケティングを学ぶべき理由。

このままではあかん。と、人に頼って仕事をもらうのではなく、自分で受注出来るようにならねばと考え始めてから、様々な場所に行ったり、本を読み漁ったり、教えを請いに出向いたりして遅ればせながら必死で学び続けました。その結果、漸く元請け建築会社として成り立つ様になったのは今から10年程前ですが、その頃の私はただ美しくレンガを積むだけではなく、何故レンガを積むのか?という問いを深く考える様になっていたのです。レンガ職人の寓話は志を持った仕事をしよう!という話のみにあらず、当初は稼ぎたい、安定した暮らしをしたいと思う個人的な欲求からスタートしたとしても学びのプロセスを経ることで志を大きく持つことにつながり、結果的に誇りを持って働くことが出来る状態を作り上げることができるのを示しているのでは無いでしょうか。私が職人は儲かる理論、マーケティングを学ばなければならないと思う理由です。

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