平成30年3月20日雨
東北とのご縁。
昨日に引き続き神戸は今日も朝から雨、寒い日が続いています。今朝は火曜日と言うことで、朝活の日、朝早くから起き出してモーニングセミナーに参加して姿勢を正して気合を入れてから出社しました。明日は春分の日というのに、本格的に暖かくなってもらいたいものです。。
話は変わって、、現在、縁あって職人起業塾6ヶ月研修を仙台での開講のオファーをいただいて受講生を募集しています。私も今月、来月はオープンセミナーと受講説明会のスピーカーとして仙台に通っているのですが、偶然、私がこのところ熱心に読んでいる小説は東北地方が舞台の時代小説になっておりまして、高橋克彦さんの作品にどっぷりと浸かり込んでおります。現在読んでいるのは、同氏の陸奥三部作の最も長編小説である「炎立つ」で、全5巻の文庫本に毎夜、ドキドキワクワクしながら波乱万丈の古に生きた武士の人生を間接体験とすべく取り組んでいます。
東北のヒーロー
少し前に読書家のO社長が「号泣した。」と書評を述べられていた「火怨」なる作品を読んで、私も甚く感動すると共に男泣きに泣いたこともあり、東北三部作すべての読了に取り組み始め、先日2作目となる「天を衝く」を読み終えました。これも非常におっさん向きの、男心をくすぐる素晴らしい作品で、興奮冷めやらぬうちにここで作品の紹介をしておきたいと思います。これまで司馬遼太郎や山岡荘八などの歴史小説は数多く読んできましたが、東北を主な舞台とした物語は1つも読んでおらず、「北の鬼」と言われ、豊臣秀吉に喧嘩を売った男として東北地方では非常に有名な九戸政実の事は全く知りませんでした。ちなみに、先日仙台でこの話題を振ってみると青森の経営者のY社長は東北の英雄として当然の様にご存知でした。やはり、陸奥のヒーローなんですね。ちなみに、以前、仙台のTOTOショールームに講演に行った際、「火怨」の主人公、阿弖流為の話題を振ったところ誰も知らなかったのですが、九戸政実の方が時代も近いからか知る人は多い様です。
「天を衝く」
日本の歴史で最もドラマティックな戦国時代、織田信長、豊臣秀吉が天下統一を成した時代の物語はこれまでなんども読んだり観たりしていますが、天下統一は北条氏を小田原城で降伏させて終結したものだとばかり思っておりました。この「天を衝く」を読んで初めてその後、10万もの大軍で奥羽仕置が行われ、これにより天下統一が成し遂げられたと言う史実があったと知り、豊臣秀吉に最後まで堂々と戦いを挑んだ九戸党の叛乱は(聞いたことがあったのかもしれませんが、)日本の歴史の表舞台には出て来ていない、しかしとても大きな出来事だと思いました。ちなみに、百科事典には史実としてこんな記事になっています。
九戸政実の乱 平凡社世界大百科事典より
16世紀末陸奥国に起きた争乱。1591年(天正19)3月、三戸城主南部信直の一族九戸政実が櫛引清長らとともに反した。上洛した信直の報告に接した豊臣秀吉は、豊臣秀次・徳川家康を総大将、浅野長政を軍監として蒲生氏郷・伊達政宗・石田三成以下を派遣した。奥羽諸軍を加え6万ともいう大軍に包囲された政実は、誘降の謀計にかかり9月4日降伏したが、城兵5000はなで斬りにされ、政実らは護送の途中斬罪とされた。これより先1580年南部晴政の跡を信直が継いで以来,信直と政実は緊張関係にあった。前年の〈奥羽仕置〉の秀吉朱印状に記された、信直の宗主権公認、検地と領内諸城破却、家中妻子の三戸集住のことが推進されるなかで、政実は挙兵に踏みきったが、信直はこれを天下秀吉への反乱として中央軍の手で鎮圧する道をとったのである。この乱を最後に〈奥羽仕置〉反対の一揆・反乱の動きは鎮静させられた。 小林 清治
商品の説明
内容紹介
天下人に喧嘩を売る男たちの最期の戦場。目前に迫る10万の豊臣秀吉軍。日本中がひれ伏した敵に、わずか5000の兵で九戸政実(くのへまさざね)は喧嘩を売った。策を尽くし、鍛えた武力で敵を翻弄する九戸党。誇りをかけた最期の戦いを待ち受けていたのは――。『炎立つ』『火怨』からつづく、陸奥(みちのく)の男たちの熱き魂を描いた歴史巨編「3部作」が、万感の最終幕を迎える。(講談社文庫)
内容(「BOOK」データベースより)
目前に迫る十万の豊臣秀吉軍。日本中がひれ伏した敵に、わずか五千の兵で九戸政実は喧嘩を売った。策を尽くし、鍛えた武力で敵を翻弄する九戸党。誇りをかけた最期の戦いを待ち受けていたのは―。『炎立つ』『火怨』からつづく、陸奥の男たちの熱き魂を描いた歴史巨編「三部作」が、万感の最終幕を迎える。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
高橋/克彦
1947年岩手県生まれ。早稲田大学卒。’83年『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞、’86年『総門谷』で吉川英治文学新人賞、’87年『北斎殺人事件』で日本推理作家協会賞、’92年『緋い記憶』で直木賞、2000年『火怨』で吉川英治文学賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)出典:Amazon
武家の棟梁と蝦夷の深い関係
徳川家康が天下を取って江戸に幕府を置くまでは、飛鳥時代から豊臣秀吉の時代まで殆どが京都、奈良、大阪、兵庫と近畿圏が日本の政治の中心であり、武家政治の始まりである鎌倉幕府を開いた源頼朝が朝廷から任じられたのは征夷大将軍と言う名の通り元々蝦夷を征伐する武士の長のことでした。源頼朝は「火怨」の主人公、阿弖流為を降して勇名を馳せた坂上田村麻呂が武家の棟梁の吉例と言う事で朝廷から征夷大将軍と言う官名を任じられたとのことです。今でこそ新幹線や飛行機があり便利に行き来が出来る様になりましたが、その当時はまさに辺境の地であり、日本であって日本でない独立した国として認識されていた蝦夷と言う地域性が生み出した中央の権力者から繰り返された侵攻と最終的には飲み込まれ、統治に組み込まれてしまうと言う抗えない運命を辿るこの「天を衝く」の物語は、室町時代の阿弖流為が主役となった「火焔」と同じパターンであり、阿弖流為が自分の首を田村麻呂に差し出して蝦夷を救った様に安土桃山時代の九戸政実も己を殺し、大局を見据えて南部藩を残しながら非業の最期を遂げる物語は、人の一生の価値とは何か、命の価値をどう見出すのかと言う大命題を与えられた様で、胸を強く揺さぶられるものがありました。
勝てない敵に向かっていく生き様への憧れ
天下を手中に収めた豊臣秀吉に勝てない事を前提にしつつも一撃を食らわし、南部武士の尊厳を守ろうとして叛乱を起こした九戸党、九戸政実の生き様、死に様を読み終えて、私が考えたのは、その当時と全く違う平和ボケしてしまう様な時代に生きる私が絶対に勝てない相手に向かって戦いを挑み、飲み込まれる事を承知で人生を賭ける様な(男の子としては)憧れるを通り越して痺れる生き方って出来るのか?って事です。一度きりの人生、そして誰もが必ず死を迎えるのを考えると九戸政実の様に出来るだけ価値のある生き様=死に様を迎えたいものですし、巨大な敵に向き合い、後世のために種を植えることに自分の命を惜しみなく使うことに対して私達昭和生まれのオッサンは敏感に胸を震わせて感動する訳で、出来れば自分もそんな風に生きたいし、死にたいと本気で思ってしまします。今からでも遅くは無いんじゃないか?なんて。笑
現代の九戸党を目指すも腰砕け、、
そんな訳で、どう抗っても飲み込まれる程の巨大な敵ってのは何か?と考えてすぐに思い浮かんだのはGoogleとAmazonです。情報革命が本格的に進む現代、巨大資本、グロバリゼーション、ポータルを兼ね備えて持つ企業への産業、資本の寡占化はこれから急激に、しかもどこまでも進むのではないかと思っていて、このままでは町の本屋さんが全て無くなるどころか私達建築業を含めた全ての事業所が行う集客、販売、サービスは巨大ネット企業にフィーを払って商売しなければいけなくなりますのではないかと思ってしまいます。。ちなみに、私は戦いという程ではありませんが「焼け石に水やし、あんまり意味ないやろなー、」なんて思いながらも本は近所の地元書店で購入しよう!と脱Amazon運動を推奨してコツコツとミクロな抵抗をやってます。しかし、Googleの便利さには全く抗う事ができず、自社のクラウド活用もMicrosoftの365をやめて全てGoogleの無料サービスに乗り換えようとしてしまっているのが現状で、立ち向かうどころかゴキブリホイホイに入っていくゴキブリの如く、Googleの無料サービスの虜になってしまいつつあります。。
このままではやっぱりどうかと思うので、陸奥三部作の最後、「炎立つ」を読みながら考えてみたいと思います。読了したらまた、まとめた考えをここに書くことにします。
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東北復興支援映画の応援してます!
3.25 AM10:00 シネリーブル神戸での上映後TEDxKyotoでスピーカーをされていてご縁を頂いた益田 祐美子プロデューサーに誘われて何故か舞台挨拶に立ちます。御縁って本当に不思議。
前売り券あります!是非観てください!
イベント詳細はこちら→https://www.facebook.com/events/206697166581882/
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