UX概論2018

3月24日晴れ

3年連続3回目のUX概論セミナー

刺激的で実のあった鹿児島から東京への出張を終えて朝早くから新幹線に飛び乗って帰阪。神戸には戻らずにそのまま大阪駅前のグランフロントのYahoo!大阪本社のセミナールームに直行して一昨年、昨年に続き今年もUXデザインの第一人者、浅野智先生によるUX概論のセミナーに参加しました。今年はただオーディエンスとして参加するだけではなく、ひょんな流れで運営のお手伝いをすることになり、開演1時間前に会場に到着して当日の流れの確認や、会場設営を若者たちに混じって行いました。

一言一句、聞き漏らせない。

今回で3年連続3回目となるこの講義、流石にそんなに気合い入れて聴かなくても大まか分かっている事の復習としてリラックスして聴きながら運営側として全体に気を配っていればいいや、と思いながらセミナーのスタートを迎えましたが、いざ始まってみると一瞬たりとも聞き逃せない、目が離せない内容にすぐさま甘い考えを改め運営側としての立場を忘れてしまいそうになるほど聴き入ってしまいました。UX概論というテーマは同じですが前に聴いた同じ話などとは絶対に口にしてはならないレベルのブラッシュアップされた内容に驚いたというのが正直な感想です。

革命は急激に進んでいる。

UX概論、その定義と思想、またそれを学ぶ事の必要性と重要性については以前にもこのブログで繰り返し書き綴っているので、今回は省きますが、3年目にしてこれまでよりも更にUXデザインを学ぶ必要性を感じたのは、「世界はこの1年間で激変した」という浅野先生が自らの足を運び、写真を撮り、感じたリアルな個々の事例から社会全体の流れを抽出して示唆されていたところが大きく、これからの世界はこれまでの延長線上にない。と私自身十分理解しているし、革命とも言われる大きな変化に備えようとあれこれと新たな取り組みも手掛けているつもりですが、世界の変化のスピードはもっと早くこのままではヤバイと更に危機感を募らせたからに他なりません。

以前のブログ→https://shokuninshinkaron.com/?p=8001

取り残される建築業界。

社会の変化に取り残されることは即ち、市場からの退場を意味します。あらゆる業態の中で最も変化に鈍感で、旧態依然のおよそ世間の日々新しくなっていく常識とかけ離れた、悪習とまでは言わないにしても狭く独自の常識を頑なに守り続けている建設業界はこのままでは業界自体が市場からそっぽをむかれてしまい、まったく異業種からの参入業者が業界の地図を書き換える事になるのではないかと冷や汗を書いた次第です。実際、ビジネスの根幹となる集客はアマゾンが本気になると我々は全く歯が立たず、フィーを支払って見込み客を紹介して貰わなければならなくなります。また人の手に頼らなければなければならないと思われている職人仕事についてもAIがその役割を担い、実際にロボットが天井を貼ったり、宮大工でなければできなかった高等技術を駆使して伝統工法による木組みを作れるようになっています。

コモディティー化と文脈の多様化

様々な示唆に富んだ刺激的な浅野先生の講義の中で、私がやはりUXデザインを学ばなければなるまい。と改めて感じたのは、「あらゆる企業のコモディティー化とユーザのニーズの文脈の多様化」です。数年前までゼロエネルギーの認定住宅を毎年神戸で建てているのは私たちだけです!と自慢げに言っていたのが、今ではどこの工務店でもハウスメーカーでもそんなものは当たり前、強みでも何でもありません。また、近年、国の積極的な省エネ、CO2削減の政策もあり一種のトレンドになったと言っても過言でない「高断熱高気密住宅」をうたい文句にして住宅の性能をひけらかし、顧客に暖かさや冷暖房効率の良さを訴えたところで、何の興味も持ってもらえないことなどざらにあります。しかも、これから住宅を取得する層の人たちは私たちとはレベルが違うデジタル化の中で育ってきた人たちばかりです。その新たなユーザ層のニーズ、暮らしに焦点を当てた文脈を汲み取った商品やサービスの開発ができなければ生き残っていけません。今までの建築業界の常識をいくら学んだところでこの大きな変化には対応出来ないと改めて感じた次第です。

不易流行

浅野先生の凄いのは最新の情報のソースがネットに転がってあるニュースなどではなく、ご自身が世界各国に出向き、実際に経験された中で見出した最新の事象を繋ぎ合わせ、文脈を読み取り、リアルな知見にした上で未来へどの様なアプローチをするべきかを炙り出されるところだと思っていて、しかもそれは単に目新しいモノだけではなく、何十年も前に大成功を収めて現代に定着した優れたビジネスモデルの守り続けるべき本質もその文脈と掛け合わせる事で先進性を増す、正に古より変わらないモノと最先端のモノは表裏一体であり、どちらも突き詰めると同じところにたどり着くと言った松尾芭蕉の不易流行の概念に通じるものがあり、UXが思想であり哲学だと言われる言葉のリアリティに満ちた凄みにあります。

アンカンファレンス式ワークショップ

概論のセミナーでは今回も非常に刺激的で濃密な学びの時間を持たせて頂きましたが、もう一つ昨年までと少し違う新しい体験をさせてもらえて喜んだのは、アンカンファレンス方式の参加型ワークショップでした。3時間にも渡って浅野先生から頭がパンパンになる程の講義を受けた後、参加者が全員、セミナーの内容を受けてもっと深く議論したいと思った事を付箋に書き、それを運営をお手伝いしている研究生が6つぐらいのグループにグルーピングして同じテーマを志向した参加者同士でグループディスカッション、その後代表者に発表をしてもらうという流れで、初対面の人同士が活発な議論をたたかわせて、学びの質を深めました。1時間弱のほんの短い時間のworkshopではありましたが、セミナーの本質に迫る様な深い問いを立てられたグループもあり、大きな効果があるのを実感させられました。

チャンス君と龍の前髪

そんなこんなで、私は今年もう一年間、浅野先生に弟子入りして、UXデザイン、サービスデザインを学ぶと共に、今年こそはその思想や哲学を建築実務に落とし込み、建築設計のシーンで実践に役立てる事が出来る様に取り組みを進めたいと思います。まずは今月末の設計部会での社内研修での体験型ワークショップから。現在のところ、全くもって建築とは関係が無いように思われているUXが実は密接な関連があるどころか、建築にこそ顧客の体験を元に、新しい住宅でのまだ見ぬ素晴らしい体験をデザインする思想と技法が必要だという事をなんとか形にして証明したいと思っています。そして、今年は研究生として年間通してセミナーで学びながら、微力ながら運営のお手伝いもさせて頂く予定です。本講座の申し込みも始まりましたので、これからのビジネスモデルに危機感があるぞ、また新しい概念を学ぶことに興味があるぞ。と言う方は一緒に学びませんか?30名限定の募集ですので、すぐに定員になると思いますので、気になった方はお早めにお申し込みされるのをオススメします。チャンス君には前髪しかありませんよ!【募集開始】X デザイン学校大阪分校2018 年度ベーシックコース

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