感情を焼き付けるプロセス。@一陽来復

平成30年3月26日快晴

インプット、アウトプット、実務

先週は鹿児島での講義、東京でのオープンセミナーのスピーカー、大阪でのUXデザイン概論の受講、昨日は神戸での封切り映画の上映イベントでの舞台挨拶の後、滋賀にて茶の湯のお稽古とアウトプット、インプットてんこ盛りの毎日でした。頭の中はパンパンですが、振り返り、記憶に焼きつけ反芻しながら今日は工場の改修工事の打ち合わせや、耐震補強リフォームのご相談に伺ったり、夕方からはNPO法人兵庫安心リフォーム推進協議会の会議と昼食もとらずに建築実務にどっぷりと浸りきりバランスをとりました。(笑)

反芻して焼き付ける。

インプットは何のためにするかと言うと、もちろん絶対的にアウトプット(発信、行動、変化)のためでしかありません。いくら知識や概念を学んだところでそのまま頭の中に溜め込んだままで外化せず、実際の業務に活用できなければ学びに全く価値はなくなり、結局インプットに使った時間と費用が無駄になるだと思っています。週末に参加したUX概論のセミナーでは、講義終了後に参加者同士が同じテーマのグループに分かれて議論をするアンカンファレンスのワークショップが行われましたが、浅野先生によると、この議論が概論の学びを焼き付ける効果になりセミナーを受けた価値が一気に高まるとの事でした。確かに、、と、実際に参加してみて全くその通りだと実感した次第です。

自分の言葉に置き換えて語る。

10年以上にわたり毎日ブログでアウトプットを繰り返してきた私個人の経験則からすると、インプットとアウトプットの間には自分の中で咀嚼する時間が必要であり、見たり聞いたりしたことをそのまま即、猿真似のように外化したところで大した効果も意味もないと思っています。その観点からすると、ブログを書くのは実はアウトプットではなく自問自答をして自分の事業に照らし合わせる咀嚼する時間を内包しているし(するべきだと)と思っています。そのプロセスを経る事で(猿真似ではなく)自分の言葉で語れる様になるのではないかと。

記憶は感情がセット。

外部から受けた刺激を自分自身の中で噛み砕き、照らし合わせ、焼き付けるのはセミナーや研修や読書などで得られる知識だけではなく、感情が非常に大きなファクターだと思っていて、理解した、覚えた、使い方がわかっただけではなく嬉しかったり悲しかったり、このように思っただとか、モチベーションを上げた、などと言う感情の起伏も同時に焼き付きることで記憶の収納庫に整理しやすくなり、当然、関連した事案に出くわした際に引き出すのも容易になり、学んだ事の再現性、実効性を高めることができるのではないかと思っていて、これは職人起業塾でも導入している記憶術、アクティブブレインセミナーの基本的な技能の一つでもあります。

灰色の感情の記憶。

昨日、ひょんなご縁から映画「一陽来復」の封切り上映イベントで舞台挨拶に登壇させてもらうことになりました。壇上で私が映画の感想を聞かれて語ったのは、映像と出演者の語りを観たり聴いたりして思い出した重苦しく切ない感情とその時のエピソードで、映画プロデューサーの益田さんには「思いのこもったコメントありがとう」と後からfbでコメントをいただきました。それは東日本大震災の際、着工中だった北関東の現場でスタッフと交代して自分が現地に赴いて計画停電と余震の警報が夜ごと鳴り響く中、工事を進めたエピソードで、原発がメルトダウンしていると噂の中での出発(その当時はメルトダウンの発表はされておらず、噂だけだった)はクライアントに義理を果たし、スタッフの代わりに死ぬのなら致し方ないとの覚悟でした。その時の感情を焼き付けているからこそ震災復興の映画を観て記憶の引き出しからすんなりと出てきたような気がします。

表面では分からないことの方が多い

舞台挨拶終えた後、私の紹介の流れで映画のスポンサーになってくれたTOTO社の担当社員さんTさんと「いい映画でしたね」と話していたところに割り込んでこられたおばさんは「何が復興か分からへんし、この映画が何を伝えたかったのかもわからへん」と皮肉な笑いを含めながら捨て台詞の様に言われておりました。映像やナレーションや出演者の言葉といった表面的な部分だけに目を向けると確かにそんな感想になるのかもしれないと思いましたが、しかし、この映画作品で映画監督やプロデューサーが伝えたかった事は直接的に表されているものばかりではなくその奥に隠された感情であり復興に向けて歩んでいる人々の心の強さや悲しみを乗り越えようとする姿勢や、人災だと電力会社を責めるばかりではない捉え方の変化などのリアルな感情であり、それは感情を受け取るのと同時に自分の経験とそれに伴った感情をかき立てて重ね合わせることでしか見えてこないのではないか?と思いました。

それぞれのパラダイムに触れて。

「国からの指示で殺処分に応じたり、避難して牛を餓死させたり、地元を捨てて遠くに行ってしまった人たちもみんな正しい」といった双葉町の牛飼いの人の言葉。

東京電力の人と話す自治会長が「彼らが原因者でわれわれは被害者と言うだけではなく、実は共謀共犯でありパートナーだ。」と穏やかな口調で語った言葉。

「先祖代々わしらは農家だから米を作るしかない。」と販売できない米を作って収穫した米をまた田んぼに敷き詰めた農家の人。

「震災から6年が経ち海は50年若返ってきれいになった、津波も大きな自然のリサイクルシステムの一環だ。」と言われた漁業関係者。

それらの言葉が本当の復興が終わったのを示した訳では無いのは自明の理ですが、どうしようもない現実に向き合いリアルな心情の吐露を映し出しながらも、同時に東北に現在暮らす人たちの笑顔と美しい景色を映し出した映像を見て本当の復興への息遣い、胎動を感じないほうがおかしいのではないかと私自身は感じた次第です。(いちいち反論しませんが、、)

メタファーは探索するもの。

おばさまの「分からなかったわー」という言葉で表面的に見えるモノだけではなくその奥に潜んでいるメタファーを求める、もしくは探索する習慣を持つことでインサイトを見出す事が可能になってくるのではないか、そんな視点を普段から持たないと表面的な言語や映像しか受け取れなくなるのでは?と思った次第で、受け取り方や感じ方は人それぞれではありますし、この映画は「東日本大地震から東北はスッカリ復興しましたよー」という報告でも、根本的な解決が困難で二度と元に戻らない村や街の悲壮感を訴える映画でもありません。しかし、人が悲しみを乗り越えて力強く歩みを進める希望を見せてくれます。おかげで私が6年間抱えて来た灰色の感情の記憶に少し春の緑色が射した気がします。とにかく、私は一見に値する素晴らしい映画だと思いました。只今全国で絶賛公開しています、ぜひ劇場に足を運んでみてください。

劇場公開情報はこちら→http://lifegoeson-movie.com/screenings

藤原紀香さんのコメントはこちら→https://www.facebook.com/tohoku.movie/videos/1298134203621361/

藤原紀香さんのブログはこちら→https://ameblo.jp/norika-fujiwara628/entry-12355276218.html

__________________________________________

東京、仙台にてオープンセミナー『ポスト平成の歩き方』絶賛申し込み受付中!

〜ボトムアップ式実践型現場マネジメントセミナー&厚生労働大臣認定研修入塾説明会〜

仙台と東京でボトムアップ式実践型現場マネジメントセミナー&厚生労働大臣認定研修入塾説明会開催します!

□4月2日(月)仙台オープンセミナーはこちら

□4月13日(金)東京オープンセミナーはこちら

_______________________________________

職人的マーケティングへの入り口:一般社団法人職人起業塾オフィシャルサイト

マーケティングに取り組んで見たいとお考えの方は一度のぞいて見てください。
実践型現場マネジメント理論、公開しています。無料公開のサンプルPDFはこちら

◾建築業界を現場の改革から変える志のある方、私達と共に未来の作り方を学びませんか!
6月仙台開講、7月東京開講絶賛受付中!ご興味がある方は詳細の説明に上がります、お気軽にお問い合わせ下さい!
こちらから→https://www.shokunin-kigyoujyuku.com

_______________________________________

職人的マーケティング論、メールマガジン配信中

元祖職人起業塾での開催内容や最新のマーケティング関連の(個人的な)考察などを低頻度ながら配信しています。無料ですのでよかったら登録してみてください。https://1lejend.com/stepmail/kd.php?no=ylTbGxqzg

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください