建築のプロが提言する家づくり4つのチェックポイント。

平成30年9月24日曇り

3連休最終日。

昨日の日曜日は秋分の日で今日月曜日は振り替え休日の3連休。(のようです)私はこれといって休みがあるわけではありませんが、今日は毎年楽しみにしているTEDxKobeのイベントがあり、朝から晩まで新しい刺激とアイディアとヒントをもらいにイベント会場に向かっています。今年で4年目になるこの神戸でのイベントは、毎回素晴らしいご縁をいただいて正直仕事にも大いに役立っています。結局は仕事ってことですね。(笑)

新築相談激増中。

すみれ事務所では、このところ、台風直撃に連発の影響での問い合わせの対応に追われており、応急処置が終わったら次は修繕工事の見積もりと段取りにスタッフ総出で追われています。そんな中、季節柄なのか消費税増税前の駆け込み需要なのかははっきりしませんが、新築や建て替えの新規の問い合わせが増えており、私も毎週のようにお問い合わせがあったお客様との初回面談に立ち会っています。昨日の日曜日も昼から二組のお客様に長時間にわたってお話をさせていただきました。

家づくりを始めるにあたって知って貰いたい4つのこと。

建築会社や設計事務所はお客様が持っているイメージを形にすべく、ヒアリングが命と言われますが、私の場合は初回面談はあまりヒアリングをするわけではなく、家づくりにあたって必要な事を(私が一方的に)話させてもらうことが多く、どんなデザインの住宅がお好みですか?などと言う事は全くもって聞きません。それは建築のプロとして家づくりを始めるにあたってご理解いただいてもらうべき事があるからで、その話に共感頂けない方はご縁がなかったことだと諦めるようにしています。初めてお会いするお客様に私がお伝えしているのは大まか4つの事柄で、いかに概要を旅するしておきたいと思います。

「住宅ローンの商品選択」

1つ目は資金計画について。新築で家を建てられるほとんどの方が住宅ローンを利用されます。しかし、銀行から多額の融資を受けるなんて言う事は何度も経験するわけではないのであまり深く内容把握しないまま、銀行との契約を結ばれる方が多く、元利均等と元金均等の違いさえ理解されていない方がほとんどです。特に金利計算は複利計算となっており、単純な計算ではありません。金利上昇によってどれぐらいのリスクがあるかも把握しないまま変動金利がいいか、固定金利が良い日に悩まれます。これ以上金利が下がることがない位の低金利の今の時代において、安易に元利均等払いを選択し、金利が上昇したときのリスクを把握しないまま住宅ローンを組むのは非常に危険です。家を建てる目的は建てることではなく、出来上がった新居に暮らし始めてからの長きに渡る安全で健康的な暮らしです、その目的意識とともに密接な関係がある資金計画の話を住宅ローンの仕組みを通じて詳しくお話をするようにしています。

「全棟許容応力度計算での構造計算」

二つ目は安全と切り離せない建物の耐震強度について。最も一般的に建てられる木造住宅2階建ての住宅は4号建築物と言って構造計算を免除される特例が建築基準法で認められています。なので、耐力壁の璧量とそのバランスをチェックする程度で確認申請は認可されますが、熊本地震で耐震等級2の住宅が倒壊した事例があったように、壁量計算だけでは実際の構造強度を構造計算で検証した際、エラーが出ることが少なからずあります。そんな教訓を生かして全棟構造計算する会社が昨今では増えており、その程度の知識と情報を持っていない会社に依頼するのは考えた方が良いと言うことです。

「C値の証明は当たり前、Q値の施工後の証明」

3つ目は住宅の温熱性能について。高断熱高気密住宅と言う言葉がすっかり一般的になり、どこの建築会社も省エネ住宅に取り組んでいると言われます。よく工務店に行くと、大手ハウスメーカーの住宅性能は展示場や試験場で性能を計測しており、そのカタログに記載されている数値と実際の現場とは乖離があり、その証拠に現場で気密性を計測する測定を行わない。と言うふうに言われます。しかし、現場で測るべきは気密性だけではなく、断熱性能も同じであり、計算通りの性能が現場で現れているかを検証するのが筋ではないかと思います。今どきは、サーモグラフィーと言う便利なものも普及していますので、断熱材施工後に断熱欠損が起こっていないかを検証してしかるべしだと思います。

「家づくりと貯蓄の関係」

一番始めに資金計画の重要性、目的に沿った家づくりの計画を立てる事を書きましたが、資金計画とは家づくりのみにあらず、子育て資金や老後の蓄え等も含めたライフプランの一環としての家づくりであるべきで、これからの長い人生全般を俯瞰した計画を立てるべきです。家づくりの資金計画は人生全体のライフプランの一環となるべきで、詳細なライフプランを立てることをお勧めしており、求められる方に対してはプロのライフプランナーをご紹介して、しっかりと貯蓄ができてこれからの子育てや老後への不安を払拭できる計画の範囲での家づくりを推奨しています。正直、堅実な計画にすればするほど、建築資金は抑えられるわけで、我々建築会社にとっては売り上げが下がることになってしまいます。しかし、あえて安全性の高い計画をお勧めするのは、お客様が豊かな暮らしを長く続けられる事が私たちにもメリットとして帰ってくると被っているからで、地域に根ざした事業を行っている以上、お客様との間に利益の相反はありません。これが建て売りを販売するビルダーや、銀行、不動産会社等の売り切りのビジネスでは1度きりの取引で最大の利益を上げねばならず、構造的に住まい手との利益の相反が生まれます。これは良い悪いではなく仕事柄の立ち位置やありがたの違いだと説明するようにしています。

豊かな地域は豊かな住人が形作る。

以上、これらがこれから家づくりを進めようとされる方々への私からの提言で、この4つのチェックポイントをクリアされた先でなら家づくりのパートナーとして選ばれても問題なく安全で快適な暮らしを手に入れることができるのではないかと思っています。もちろん、デザインや使いやすい間取り、価格などその他にも洗濯に必要な条件は多々あると思いますが、最低限担保すべきは家を建てた後の快適で幸せな暮らしから逆算して家づくりの計画を立てることだと思っています。たとえすみれで家を建てられなかったとしても、地域に住まれる住人で豊かに暮らされる方が増えれば、地域全体が良くなっていくのではないかなんて思うのです。ここに書いてみた4つのチェックポイントががこれから家づくりをお考えの方に少しでもお役に立てば幸いです。(笑)

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