事業継承と経営感覚の見える化。

平成30年10月23日曇り後雨

月が傘を被ると雨が降る。

神戸は久しぶりの曇天。昨日の夜、薄い鱗雲の上にあった満ちかけの十四夜の月が大きな傘を作っているのを見て、明日は天気が崩れるのかな、と思っていたら、その通り今日は久々に青空が見れない1日となりました。子供の頃に教えられた古くからの言い伝えのような先人の知恵に「なるほど、確かなもんや」と改めて感心しました、大したものです。
今日は火曜日でいつもの朝活の日、明け方、外に出てみると、とうとう涼しいを通り越して肌寒い朝になっていました。これから早起き、朝会がちょっとした修行の場になる季節へと移り変わります。気合を入れてもうすぐそこまで来ている苦手な冬に向き合いたいと思います。

テーマは事業継承。

今朝のモーニングセミナーの講話者は倫理法人会の財津一郎と呼ばれる近畿方面長の津隈亮二氏が法人局本部からお越しになり、事業継承についてのお話をされました。日本の企業の97%を占めると言われる中小企業の前に巌然と立ちはだかる事業継承の問題は非常に根が深く、様々な要素が複雑に絡み合う難しい問題で、私自身もこれからの10年間でこの問題を解決すべく取り組みを始めたところです。

家業から事業へ。

起業化家がスタートアップを果たした後、ある程度事業を安定させるには家業から事業へ転換させることが必要で、事業の拡大を図るために金融機関と取引をして資金調達をし、設備や人材を整えることが重要だ。とよく言われますし、私もそのセオリーに従って事業を伸ばす事に随分と注力しました。徒手空拳、一文無しの大工職人からスタートしてから必死になって社屋を建て、ダンプやトラックを揃え、人材の採用をして工務店としての体裁を整えてきました。しかし、いざ事業継承を具体的に考える歳になって、地域工務店としてのちょうどいいスケール感はどうだったのだろう、と今思い返すと疑問が湧きます。ひょっとするともう少し家業レベルの小さい規模の方がスタッフに事業を引き継いでもらいやすかったのではないか?なんて考えてしまいます。

過去と他人は変えられない。

今更そんなことを考えてもどうしようもないし、私が今やるべき事はこれまで私たちが家を建てたり、リフォームしたりしてお付き合いいただいてるお客様がいつまでも安心して暮らしてもらえるように、メンテナンスやアフターフォローの体制を整え、永続できる事業形態、自立循環型のビジネスモデルを作り上げるべく、システム整備と人材育成、そして顧客からずっと支持され続けるための卓越の戦略を実践する社風を作り上げることしかありません。過去を後悔してもしょうがない、なんとかあと10年で形に出来る様に頑張ってみたいと思います。

事業継承が難しい理由

事業継承の最も難しいところは、(変えられないはずの)他人を変えなければならないところだと思っています。事業所の規模や内容によって千差万別なので一概に他人(社員)に事業継承する前提が正しいとは思いませんが、持続可能なモデルを目指す時点で、世襲制の親から子に事業のバトンを渡すのは(良し悪しは別として)非常に選択肢が少なくなるのは自明の理で、一子相伝的な事業継承ではなく、もっと広く人材を求める必要があると思っています。しかし、経営者感覚とは全ての責任を引き受ける決意と覚悟が必要で、誰もがそんな意識を持って仕事に向き合いたいと思うとは限りません、経営者と従業員との間には目に見えない一線があるものです。その前提に立った上で、如何に経営者と同じ価値基準を持ち、判断出来るスタッフを育てることが出来るかが、私達中小企業経営者に求められている訳で、事業継承の難しさとは即ち一線を超える人材育成の難しさに他なりません。

経営者感覚の見える化

そして、事業を引き継いでくれる人材を育成するのは、自分のコピーを作るのとはまた違い、これまで培ってきた強みや価値を引き継いでもらいながらも、今後ますます激しく変化を遂げる時代に乗り遅れる事がない様に、常に新たなチャレンジをし続けてもらわなければなりません、このように書くとずいぶん大げさに聞こえますが、私自身、そもそも大した経営者でもありませんし、起業するまで経営の勉強をした事もありませんでした。ただ、「立場が人を作る」とよく言われますが、経営者になって責任を背負うことで大きな成長を見ることも少なくありませんし、完璧な状態で事業を継承できなくても構わないと思っています。ただ、どんなタフな状況でも挫けない、レジリアンスなメンタルと、目的を忘れない志は事前に培ってもらわなければならないと思っています。そんな覚悟と決意と志が一体になった経営者感覚というものは内面と外面の両方を伝えるべきで、私の場合は内面は知的資産経営報告書にまとめてアウトプットした事業モデルのロジックをスタッフと共有し、外面については様々な習慣を継続することで背中をみて学んで貰えればと思っています。9年後、未来のすみれを背負って立つ人材を生み出すには、やっぱりコツコツとした地道な努力しかありません。がんばろ。

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