(家づくり)しくじり先生の失敗談。

平成31年3月30日曇りのち雨

人生解釈次第。

今日は朝から空気がしっとりと湿っていて、花粉の飛散が少なく感じて、いい感じやなぁと思っていたら、昼からは本格的な雨となり、予定していた丹波で行ってきた古民家再生の第一期工事の完了を祝っての打ち上げBBQパーティーに文字通り水を差すこととなりました。朝の間に先日インスペクションを行ったリノベーションを計画中の客様へのプレゼンに立ち会った後、急いで丹波の現場に行ってみると、玄関先の軒下にバーベキューの焼き台を据えてBBQは始まっており、狭いスペースに子供たちが群がってとうもろこしやサツマイモを並んでほおばる姿はほほえましく、これはこれで悪くないと思ったり。世の中はすべからず表裏一体、良きも悪しきもも解釈次第ってことですね。(^ ^)

家づくりの迷宮。

子供たちに混じって私もバーベキュー台を囲んで猪肉や鹿肉をほおばりながらあれこれと世間話に花を咲かせていると、現在、注文建築で自宅を取得しようとしているメンバーのFさんが、「いろいろな建築会社に行ってて、いろいろ話を聞いてみるとどこも言うことがバラバラで何が正解かよくわからなくなってきた。」と相談とも独り言とも区別がつかないようなテンションで話されておられました。老婆心を出した私は、「どこの会社も自社の強みは一生懸命語るけど、弱みを語ることがなくて、声を大にして言わない所に注目したほうがいいよ」と軽めのアドバイスをして見たところ、住宅の取得に興味を持っている周りの方々と思いの外、話が盛り上がりました。

ラインニングコストの試算はFP任せじゃだめ。

Fさんの家づくりに興味を持った私は「そもそも住宅の取得って1番優先順位が高い、最初にやるべきことって何ですか?」と聞いてみました。「やっぱりお金の事ですよね、ファイナンシャルプランナーにライフプランを作ってもらって、建築費用の上限を決めました。」と、Fさん。最近の若者は情報取集能力が高く、本質的な部分を理解しておられるのやと感心しつつも、「FPさんはお金のことが専門で、建築のことは素人なので、住宅のランニングコスト(光熱費)とイニシャルコスト(省エネ性能や太陽光発電にかける初期費用)の試算も月々の支払いとして建築費用の総額に含んだほうが良いよ、寒くて暑い家を建てて、冷暖房費にどっさりと電力会社に支払うのは馬鹿馬鹿しい、とにかく、新居に暮らし始めてからの生活に焦点を合わせて考えないとね」と付け足しのアドバイスもしておきました。

3年前に出会いたかった。。

そんな話をしていたら、隣で聞いていた若いママさんが、「私、家づくりに失敗したんです、3年前に出会ってそんな話をしてもらいたかったです。。」と苦笑いしながら話しかけられてこられました。よくよく聞いてみると、3年前、木の家にこだわって家づくりをしたところ、当初の予定よりも随分と建築費用が高くなってしまい、費用を抑えるために、元々計画していた街中から外れた郊外の土地に家を建てた上に、銀行からもっと融資額を増やせると申し出があり、借り入れを上積みして無理して新居を手に入れたらしく、「住み始めたら通勤にすごく時間がかかり、子供と一緒に居られる時間が激減して、こんな暮らしは嫌だと結局、街中のマンションに移り住んだんです。」と悔しそうに話されました。

家づくりのしくじり先生。

そのママさんは幸せに暮らせる木のお家をこだわって建てたが、新居に住みだしてからの「暮らしのイメージ」が明確に出来ていなかった為、結局、子供との時間を優先する決断をされました。その結果は、マンションの家賃と住宅ローンの二重払いで家計は圧迫されるし、家を売りに出してもなかなか売れないし、売れたと思ったら残債よりも低い価格で借金だけが後に残った。と、涙なしでは聞けない残念な家づくりを体験されたとのこと。ただ、最後は「今はなんとか借金も返せたし、もう良いんですけどね。」とサバサバした感じで笑っておられたので救われましたが、幸せになるための家づくりが苦労の始まりになるなんて、絶対にあってはならない事です。すみれの事業のコンセプトを「家は建ててからがスタート」と掲げて、資金計画やヒヤリング、プランニングに時間をかけて、メンテナンスまでトータルで提案しているのは絶対にこの様な失敗をしてもらいたくないからです。

100人に一人が住宅購入で不幸のドン底に落ちる。

金融中央広報委員会の調べによると、多重債務に陥った理由の3番目に多いのが住宅ローンの返済に困ったから、となっており、自己破産した人へのアンケートで住宅購入が原因だと答えた割合が16%との統計データーもあります。また、住宅ローン破産の数は年間1万人と言われており、住宅ローン利用者が年間100万人と考えれば、百人に一人が、幸せになろうと夢を叶えてマイホームを購入したが為、自己破産という全てを失う不幸のドン底に陥ってしまっている悲しすぎる現実があります。

(売る事に)熱心な担当者に人生を任せる。

現代は自己責任の時代と言われますし、返済能力を超えた借金をして首が回らなくなるなんて本人の責任だ。と言ってしまえばそれまでですが、その論理では住宅事業者は稼げりゃ人を不幸に陥れても良いのか?と質されかねません。殆どの方は人生で初めての家づくり、練習無しのぶっつけ本番です。良く分からんし、うまく行きそうにも無いのでプロに相談に行く訳で、そこでいかにも親切そうで熱心な「イマカネジブン」の担当者に当たるだけで人生がガタガタになってしまうなんて可哀想過ぎます。建築業界はいい加減、「在り方」を見直し、モノを作って売るだけのビジネスから脱却して、顧客の幸せな暮らしをデザインし、提供する本質的な価値観を持つようになるべきです。

建築の専門家倫理を学べ。

昨日のブログにも建築基準法の第一条(目的)の条文を引用しました。「国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。」から始まる建築基準法は住まい手の命を守る重い責任が建築業に課せられるという文から始まっているにも関わらず、上述の家づくりで失敗した事例を聞くと、建築・不動産業者が倫理観を学ぶ機会が欠落しているのではないか、と思わずにはいられません。これは先日の京阪神木造住宅協議会の研修で構造塾の佐藤実氏も言われていましたし、私が良く「建築会社は倫理法人会に入るべきだ!」と言っている所以でもあります。

イマカネジブンの排除。

持続継続性のあるビジネスモデルは持続可能な地域があってこそ成り立ちます。家は売ってしまったらそれでしまい、といった「今だけ、金だけ、自分だけ」の倫理観に欠けた考え方は何十年も住み続け、また何十年もかけて住宅ローンを払い続ける高額な商品を取り扱う住宅業界こそ排除しなければなりません。そのためには倫理観を学び、実践するトレーニングの場を設けるべきで、倫理法人会こそ、うってつけの場だと思っています。ご興味がある方はお気軽に私(高橋)までご連絡下さい!(笑)


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次回の開催は4月17日(水) テーマは「タイムマネジメント」です。
時間(=人生)のマネジメントについて改めて考えを巡らす時間を持ちませんか?「今の時間の使い方で未来に手に入る成果は大きく変わるのは分かっている、でも、忙しいし、、」と私も長年悩み続けておりましたが、少しずつですがマネージ出来る様になって来ましたよ。(笑)

68回【元祖】職人起業塾&波動セラピー


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