JUGEMテーマ:日記・一般
夕方はきれいな秋空、涼しい風が吹きそろそろ上着がいる季節になりつつある神戸でした。
少し前に関東のクライアントからリフォームのご依頼を頂きました。
「転勤に伴って引っ越すにあたり、賃貸マンションを引き上げたのですが、原状回復の工事をお願いしたいんです。」
とのこと。
おかしいな、と思い、現状回復工事って、家主さんがするんじゃないんですか?
ときいてみました。
「そうなんですけど、無茶な金額の見積もりを見せられて、納得行かないので、すみれさんでやってくれませんか?」
とのこと。
よくよく聞くと、半年程しか住んで居なかったので本来は現状回復工事など必要無いのだが、なんでも犬を飼っていたらしく、ワンコが引っ掻いた部分を修繕しなければならないとのことでした。
それはしょうがないとして納得しているが、その補修費用が50万円以上もかかると、酷い事を言われているんです。
と聞いて、今時そんなに悪い業者っておらんよなー、と思いつつ、丁度関東への出張が有った事もあり、現場に行って見ました。
管理会社からもらった見積もりは、完全に内装の全面改装、
実際に現場で犬がつけた傷はほぼ一部屋のみでした。
この見積もり明細はちょっとおかしくないですか?
と、いう事になり、私が工事項目を見直して見積もりをすると結局半分強の金額で納まりました。
それを管理会社の担当者さんに見せると、すぐに
「分かりました、あとの修繕はこちらの負担でしますから、それで結構です。」
とのこと。
でも、とその担当者さんは続けます。
退去してから、まだその現状回復工事が終わってない以上、鍵を返してもらったといっても、退去したとは見なせないので、遅延違約金を請求させてもらいます。
と強い調子で言われたのです。
私(とクライアント)にしてみたら、法外な見積もりを見せられて、どうしていいか分からず私のところに相談に来られたのも、私が神戸から関東の現場まで赴いて見積もりの内容を正したのも元はと言えば、管理会社に原因があるんじゃ無いか?と思うので、それで時間が掛かった事に対して遅延金を請求されるというのはどうもしっくり行かない話です。
しかし、空き部屋になったまま、次の入居者の募集も出来ない状態というのは確かに家主さんにとっては損害を被っていると思われるのも事実と言えば、事実。
契約書にも、(延滞の原因はともかく)そのように記述もされている訳です。
まあ、こんなやり取りをしていて思ったのは、家主さんがとても正義感が強い人だということ。
とても動物好きの家主さんで、入居者が部屋で犬を飼う事も快く了解してくれていた様です。
しかし、犬を飼うにはマナーがあり、そのマナーが守れない者にはすこし厳しい態度で懲らしめてやらねばならん。
という風に思われている様に感じました。
で、初めの法外な修繕費を請求となったのでは無いかと思うのです。
ご本人はきっと、正義を貫いていると思っているのだと思うのです。
人と人との諍いはいつも正義と正義のぶつかり合い。
自分のかざす正義は本当に正しいか、慎重に鑑みながら自分の意見を述べるようにしなければ、と、改めて感じた次第です。
円満解決になったらいいんですけどねー。