新聞記者

令和元年7月13日 快晴

九州巡業day3

鹿児島、大好きな天文館のホテルで迎えた朝は梅雨明けか?と思える程いい天気で、九州巡業の連日のハードワークの疲れを若干ひきづりながらも、気持ちよく晴れわたった南国の空と雄大な桜島を見て気持ちをあげました。職人起業塾の研修事業が全国に展開するきっかけとなった地である鹿児島は私にとって思い入れも深く、天文館に帰ってくると何かほっとします。

 新聞記者

話は変わって、出張の友といえばやはり文庫本で、今回の九州巡業の移動の合間も(仕事もしますが、)短い時間をつなぎ合わせて読書に耽りました。読了したのは「新聞記者」という現役新聞記者がご自身の生々しい取材体験を手記にして発表された本です。これだけならジャーナリストが手記を発表という別段、なんら変わったものでもない、これまでもいくらでもあった本ですが、この作品は少し違っていて、世の中が大きく変わったのだと感じずにはいられない一冊でした。

 同名映画を先行で鑑賞

この文庫本を手に取ったきっかけは、先日移動の合間を縫って映画館に立ち寄って今話題の同名の映画を鑑賞したからで、その作品の原案がこの「新聞記者」だったのです。映画は流石に脚色しており、原作をそのま表現したりはしておりませんが、あからさま東京新聞の望月記者の著書を映画化したもので、少し前に問題になったまま、未だすっきりとした解決を見ていない森友学園や加計学園の問題を取り上げ、内閣調査室の隠蔽体質と情報捜査の告発をするような時事ネタ満載の作品でした。

 メディアミックス

何がすごいと感じたかというと、東京新聞という大手ではないにしても現役の新聞記者が発信した情報がTwitterで拡散されるようになったのをきっかけにTVのワイドショーで繰り返し、記者クラブの暗黙の了解を打ち破った菅官房長官とのバトル?が取り上げられ、そのタイミングで映画館で封切られるというメディアミックスの相乗効果で、私が映画を観た後に原作本を買いに行くと、平積みになっていた「新聞記者」は私の購入が最後の一冊という人気ぶりでした。

 忖度しない女

作者の名前「望月衣塑子」でネットを検索するとテレビの情報番組で繰り返し写し出された菅官房長官が質問に答えずに乱暴とも言える態度で記者会見を一方的に終了させる映像が、ネットメディアによる検証、論評とともに出てきます。忖度せずに「質問する女」として有名となった彼女の姿勢には賛否両論ありますが、記者クラブで政権と馴れ合いになる日本のメディアが以前から問題になっていたことを考えれば、風穴を開けたと歓迎する向きも少なくありません。

現行政権へのアンチテーゼ。

映画の内容についてはネタバレになるのであまり詳しくは書きませんが、リアルに現行の政権の中枢である内閣調査室や官房長官による隠蔽体質、情報操作をここまであからさまに批判、告発する勢いの内容となっており、彼女の身辺に危険が及ばないのか?と少し心配になってしまいました。

弱者が牙を剥く世界

映画、そして書籍「新聞記者」を読んで私が感じたのは、メディアの多様性が進み、オウンドメディアと言われる個人の発信が世の中に影響を与えやすくなった今、単純に強者が強い世界は終わり、弱者が権力に対して牙をむく世の中に変わったと言うことです。神戸を代表する企業である神戸製鋼が問題を隠蔽しようと力ずくでデータ改ざんを行うも、3度にわたり内部告発が繰り返されて完全に信用を失墜させ、経営陣が軒並み退陣させられた事件はその象徴となる出来事だったと思います。

強さを決めるのは情報量。

情報革命はあらゆる情報を拡散させ、嘘、偽り、ごまかし、偽物を駆逐する力をすべての個人が手にする機会を与えられました。しかし、それと同時に情報を巧みに操れる者は、情報配信と言うオブラートに包みながら、自分の主義主張や思想を織り交ぜ、世論を形成できるようになったとも言えます。われわれは情報弱者にならないように気をつけなければなりませんが、処理能力を超える情報量は思考停止を生んでしまいます。常日頃から信頼できる情報源を見極めておく必要があるのかもしれません。。


「工務店経営カンファレンス2019」に登壇します!

ニッポンの家づくりでトップランナーである11の工務店が、7月24~25日の2日間にわたって、新建ハウジングが主催する「工務店経営カンファレンス2019」(会場:東京都、ベルサール半蔵門)に登壇します!ちなみに私はday2です。

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