住宅取得にかかる資金計画についての6つのご提案。
2013年5月
有限会社 すみれ建築工房
代表取締役 高橋 剛志
住宅ローンの選択について基本となる考え方と仕組みを以下にご紹介致します。
たった1%の金利違いは月々の返済にしたら微々たる物ですが、12ヶ月を35年間繰り返して返済すると、420回もの返済となります。簡単な選択で銀行に奨められるままに契約するにはあまりにも大きなリスクを内包します。
人生で一番大きな買い物といわれる家づくり、最善の方法で取得して新居に住んだ後の生活を幸せいっぱいの暮らしにして頂きたいと思います。以下の情報が少しでもご参考になれば幸いです。
1.
金利について実質金利と基準金利
ローン審査は基準金利で行います。現在(2013年度)、3.5%の固定金利での試算を審査基準としており、銀行では返済比率を年収に対して35%を目安として融資を行っております。
私共が推奨しておりますのは、実際の融資での返済比率を年収に対して25%以下に抑えて、日々の生活に余裕を持って生活して頂きたいと思っております。
2.
返済比率で住宅ローンを選択する
期間が短いほど金利の支払いは少なく済みます。ただ、大事なのは長期に渡っての安心を担保できる計画だと思いますので、借入額を決めるのは支払い総額でも、買いたい土地や建物に合わせた計画ではなく、あくまで毎月の余裕ある暮らしを実現する返済の比率を中心にお考え頂きたいと思います。
3.
固定金利と変動金利の選択
景気対策として日銀への超低金利政策の延長を政府が求めている現在、これ以上ないくらいの低金利で住宅ローンの借り入れが出来る状況が続いておりますが、政府が行っている景気回復への経済対策は通貨の流通量を増やし、消費者物価指数を押し上げる緩やかなインフレを起す事を目指しております。株価の回復も現実となった今、日本の金融市場は長期金利を押し上げてきております。
景気回復への状況次第ではありますが、固定金利での安定感、安心感が魅力を感じる局面の気がします。
4.
元利均等と元金均等、元金と金利の違い
当たり前ですが、金利は元金に対して掛かりますので本来、借り入れ当初から返済が進むにつれて段々と元金が減っていき金利は減少していく事になります。(元金均等)しかし、ほとんどの住宅ローンは金利と元金を合わせて初めから返済終了まで同じ金額で返済の計画を立てます。(元利均等)また、同じ金額を返済するにしても金利が高くなると返済当初は元金よりも金利をたくさん返済して、元金は返済が進まないような関係になります。低金利のうちに元金をたくさん返済しておく事はとてもメリットがあると考えられます。
5.
違うローンを組み合わせるメリット
景気に対する先行き不透明感も払拭できない現在の状況では、超のつく低金利のうちにたくさん返済を進めることと、リスク回避のために固定金利をバランスよく組み合わせる事をお奨めします。
少々面倒ではありますが、返済プランに合わせて割り振りも出来ますので、2つのローンを組み合わせて融資を受けることもご検討頂くべきだと考えます。
6.
金利優遇等の政府の支援策について
政府の景気対策と、省エネ住宅の取り組みを兼ねて長期優良住宅へ対応したスペックの住宅であれば、フラット35Sでの融資においての金利優遇と合わせて130万円の補助金を受けることが出来る制度があります。(認定戸数のみ)
金利の優遇、税制の優遇、ランニングコストの減少などを勘案すれば長期優良住宅は十分にメリットはございます。
そのほかにも兵庫県産木材利用の特別融資(金利1.1%35年固定)など、とてもお得な助成制度もございます。
以上の6つのご提案をお聞き頂き、住宅ローン契約を見直されて800万円もの金利差額を得られた方もおられます。
一見解り難い支払い総額の増減は新居に移られてのライフスタイルに大きな影響を与える事になります。
銀行の立場ではなく、(銀行と利益が相反する)借り入れる側の立場に立った返済計画と、決して難しくない住宅ローンのシクミをご説明しております。是非6つの提案の詳しい内容を説明するお時間を頂ければと思います。