人事制度改革のボトルネック。

令和2年6月26日曇り時々晴れ

WS再開。

昨日は、コロナ騒動で順延していた一般社団法人職人起業塾主宰の人事制度改革のワークショップ#運用編を2ヶ月ぶりに開催しました。人を集めてのイベント事は若干まだ憚れる気がして、あまり熱心なお声掛けはしませんでしたが、それでも募集早々から10名の定員いっぱいの申し込みをいただき、満員御礼となりました。いつもより少し広めの部屋で、あまり密にならないように気をつけながら、恐る恐るスタートしましたが、始まってしまえばいつもと同じ、熱を込めて、職人に未来への希望を持たせながら育成していくキャリアプラン、人事制度のあり方と、ワークショップの全体像としてアフターコロナにおけるマーケティングの位置づけなどを熱く語り続けました。

人事制度はインナーブランディング。

このワークショップは、工務店やリフォーム会社のマーケティング構築のサポートの一環として行っており、職人の地位向上に直結させながら、ブランディングを行う前段階のインナーブランディングの体制を整えるのも目的の一つです。地域に根ざす建築会社のブランディングとは、超簡単に例えると、「地域の誰からもここの会社に工事をお願いしたい。」と思われる様になる事です。今日のワークショップの冒頭に、3人の煉瓦職人の話を引用して、100人に問えば100人ともが、大聖堂を作ることで街の人の幸せに貢献するんだ、と目的意識を明確に持った3人目の職人に仕事を頼みたいと答えるならば、ブランディングの入り口は現場実務者と目的意識を共有し、事業所が掲げる理念にコミットしてもらう事からでは無いか?その為に人事制度を整えるのだと、マーケティング、ブランディングと人事制度の深い関係をご説明しました。

分かっているけどしない、できない。

「ただ言われた事をやっている」とか「金のためにレンガを積んでいる」と言った低い意識の職人に誰も仕事を頼みたいと思わないのは全員が分かっているにもかかわらず、ほとんどの経営者は「御社の現場で働いている職人は3人目の職人と同じ様に高い目的意識を持って、経営理念に沿った仕事をしていますか?」と訊かれると言葉に詰まります。誰もが本当は技術よりも考え方、在り方、心の方が大事なのを分かっているのに、不思議な事に職人に技術以外の教育をしようとしないのが建築業界の常識になっており、それをなんとかせねばと私たち一般社団法人職人起業塾が、現場で圧倒的な信頼を得るところから未来の売り上げを作るマーケティング理論を職人に教えているのですが、理解される経営者は全体から見ると皆無と言っても過言では無い位、非常に少ないのが現実です。

未来を見なくなった職人。

確かに、今まで図面に書かれている通りに作業すればそれでいい、と教え込まれた職人をはじめとする現場実務者に対して、何の為にその仕事を行うのかを考え、金儲け、飯を食うため等の自己中心的な目的で働く人に対して仕事の注文は来なくなる事実を理解させ、3人目のレンガ職人の様な高い目的意識を持ってもらう意識改革を行うのは非常に難しいのが現実です。その意識改革の入り口として行うべきはまず、職人が安心して働ける環境を整える事であり、雨が続いたり、怪我や病気をしたり、年末年始の休日が多い月は給与が減ったりする様な不安定で足元しか見れない状態を変えるところからだと思っています。今日のワークショップに参加された経営者は全員が職人の正規雇用化に踏み込まれた素晴らしい方ばかりで、次の大きなハードルを越えるべく、前回のワークショップでキャリアパスを示す人事制度を導入されました。今回は運用編という事で再度お集まり頂き、職人の意識改革を通して役割を増やし、所得と事業所の利益を増す効果性の高い働き方へ変革してもらう機会を持ってもらった次第です。

ボトルネックは経営者。

今回のワークショップのメインのコンテンツは、従業員の目標設定とその進捗管理、結果に対する評価制度で人事制度改革の本当に肝になる部分でした。そして、何より重要なのは、今までと全く違う制度の導入と同時に社内組織の意識改革を行うことで、これが一筋縄では行きません。経営者の皆様に「改革がうまくいかないボトルネックはなんでしょうか?」と質問したところ、皆さん頭を捻られておられましたが、はるばる神奈川から来神された佐藤社長が出された答えは「私です」と潔く答えられました。私自身も常々反省することしきりですが、組織を改革する、メンバーの意識を変える取り組みをした方が良いし、するべきなのになかなか進まないのはやはり私自身に原因がある事がほとんどで、そこに正面から目を向けず、社員や外部環境のせいにしていると絶対に改革は進みません。

ボトルネックに正面から向き合う。

株式会社四方継では、経営者が自分自身のボトルネックに気がつく為にも、社内風土調査なるものを実施しています。スタッフに無記名で経営について、社内の雰囲気について忌憚無い意見を求めるこの調査は、10年近く前の始めた当初はナイフで抉られた傷に塩を擦り付けられたかの様な厳しい答えが返ってきて、随分と落ち込んだものですが、社員からの厳しいダメ出しに答えて、何とか良い会社だと思ってもらえる様に改善の努力を続けてきました。今でもまだ満足いく結果が返って来る訳ではありませんが、それでも随分とマシになりました。ちなみに質問の具体的な内容とは、

  • 上司(経営者)の方針や軸はぶれていない
  • (経営者)は方針に対して率先垂範しており部下の手本となっている
  • 理念やビジョンに共感している
  • 理念やビジョンが明確に示されている
  • 理念やビジョン、方針と具体的な施策が一致している

等々、社内の雰囲気や風土だけではなく、社員に低い評価をつけられると、経営者として完全に打ちのめされる様な質問が並んでおり、これが、人事制度改革、組織改革を推進するにあたって避けては通れない道だと考えています。なので、Googleフォームで作ったこの質問を参加者の皆さんにシェアして、社内で必ず無記名で実施する様にお願いしました。(笑)

人事制度改革#運用編ワークショップ再開します。

そんな本気で社内の改革に取り組まれる経営者さんが集まって、職人育成とローカルブランディング、そして自社独自のマーケットを構築して未来を標榜するマーケティングを包括して進める組織改革の根本となる人事制度ワークショップ、コロナの影響で開催自粛しておりましたが、それもここまで。#2運用編を今回を皮切りに毎月1度ペースで再スタートを切ります。来月は1月30日の開催です。基本的には1回目のワークショップに参加された方限定ですが、事前に2時間程度の打ち合わせを行えば参加いただくことも可能です。ご興味ある方はご連絡いただければと思います。
詳細、お申し込みはこちら→https://www.facebook.com/events/2792733910985295/


アフターコロナの今こそ内部からの強化を図るWS再開します。

【現場人材戦力化の人事システムの運用編のWS】
これからの圧倒的な職人不足時代に備える職人・施工管理者の採用、育成に必要な組織体制構築についてのワークショップの第2弾運用編です。ご興味がある方はお気軽にお問い合わせください。
https://www.facebook.com/events/2792733910985295/

古典的マーケティング理論を学ぶ場、一般社団法人職人起業塾オフィシャルサイトにセミナー、WS等の情報を集約しています。
原理原則系マーケティングに取り組んで見たいとお考えの方は一度のぞいて見てください。
全12回の実践型現場マネジメント理論のpdf、動画なども公開しています。
その他、研修のお申し込み、問い合わせ、補助金の活用などの情報も集約しています。
https://www.shokunin-kigyoujyuku.com

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