今日は夕方から地域の同業者が集まって、切磋琢磨する集まり、TOTOリモデルクラブがメンバー向けに行なっている研修会、『リモデル大学』に参加しました。
前回に引き続き今回も、現場で働く職人向けの研修ということで、工務スタッフと一緒に受講、
と思いきや、盆前の慌ただしい時期とあって、夜間工事の現場や京都での店舗工事など、結局今回は7S活動委員長のイッペーくんと二人だけの受講となってしまいました。
参加出来なかった工務スタッフへの報告を兼ねて、内容を少しご紹介しておきたいと思います。
今回はビデオでの事例を見ての感想を述べあうカタチでした。
ストーリー1 家づくりの主役はやっぱり現場の職人
工事中の現場にお施主様のお父さんが現場にやって来て将来一緒に住みたいと話す。
その後娘さんが来て、音楽学校に入学したい、ピアノをおきたい、と話す。
それを聞いた(下請け大工工務店の)担当大工は帰って、社長にそれを話して、バリアフリーとピアノ補強を実は望まれているので、元請けに設計変更の提案をした方がいいのでは、と提案。
社長は、工期が伸びると、集金が遅れるのでそんな話とんでもない、黙っとけ、と一蹴。
担当大工はどうしても黙っておけず、元請けの監督に相談する。
元請けの監督はすぐさま設計、営業に連絡を取りすぐに追加工事をお施主さんに提案。
お施主さんも、せっかくの事なので、とその提案を採用。
追加工事が決定して、設計変更が終わるまで一旦工事はストップ、工期は延長、下請け工務店の親方は苦々しい顔をしていたが、
お施主さんが喜んでいる様子を見た元請けの監督は出来高で支払いを早めにするのと、次の仕事を多めに回すから、と担当の大工に感謝していると言い、親方も胸を撫で下ろす。
現場での大工のお施主様の声に耳を傾けての最終判断がいい家をつくる。
やっぱり、現場で作業する者が主役である。
ストーリー2 立場が変われば見方が変わる。
大工の兄と建築条件付きの土地を買った妹
妹の不満、
大工さんが無愛想、若いひとが挨拶をしない、現場の雰囲気が暗い、現場でケータイでしゃべりまくっている、あまりにも夜遅くまで作業をしている、近所迷惑、床に図面が落ちていて汚れていた、
職人が現場でけんかしている、若い人が怒鳴られていじめられている、外に材料がシートかけておいたまま、長い角材を捨てている、玄関がドロで汚れている、
大工の兄、
現場なんてそんなもんや、
とは言ったものの、自らを振り返って、確かにこれではダメなのかも、と気付く。
積もり積もった小さな不満はやがて爆発してトラブルになるか、悪い噂としてひろまる。
お施主さんの声に耳を傾けなければ結局、自分の首を締める事になる事を現場の職人は良く理解するべき。
お施主様の立場に立った仕事これが理解出来ない建築会社に未来は無い。
何の為にこの現場の作業をしているか、
それを良く考えて毎日の作業に取り組みべきでは無いだろうか。
というような示唆がありました。
以上のビデオ研修を受けて、高橋的には、これは現場の大工の個人的なスキル、良心、資質に頼るものではなく、建築業界の構造自体を正す必要がある問題だと思いました。
お施主様の満足がストレートに作り手の評価に繋がるように、顧客満足と職人会社の利益が相反するような構造自体を正さないといけないと根本的な解決にはならないと、
元請け会社は、メインとなる大工職人を直接雇用して、現場の声に耳を傾け、それをしっかりと反映させる事が職人の利益になるようなシクミを構築するべきなのだと思います。
このような研修を通じて職人の意識を向上させる事は非常に有意義な事だと思います、
しかし、顧客の本当に求めているモノを現場で具現化するには職人の良心や資質に頼っていてはいつまでたっても堂々巡りの繰り返しでは無いでしょうか。
教育とは、社会保障の一環であり、その保障を放棄したまま、教育を押し付けるようなやり方は長続きすることはない、と思っています。
モノづくりが本分とするならば、その作り手を守り、育てる覚悟を持たねばならないのではないかと。
すみれ建築工房 ミッションステートメント
創業時から変わらない私達の“想い”
それは作り手側から見た業界の悪習を断ち切りたいと言うその1点に尽きます。
しっかりと社会保障をされた職人が早く出来た事が儲かることではなく、完璧なものを作ることで評価されるシステムを作り上げ業界のスタンダードにしたい。
それがすみれが社員大工での施工に拘る理由です。
私達が誓うこの憲法に従いお客様に安心と安全そして心地よい環境を提供致します、それは工事を通してひとりずつのお客様の幸せの実現を通して社会に貢献すること。
業界の流れに逆流しながらも大工職人の内製化を守り、社員大工による自社施工に拘っています。