令和2年7月27日 曇り時々雨
繁忙期突入。
今年はコロナの影響で、全体的にも世間的にもゆっくりしている感があり、あまり意識しておりませんが、例年、7月の終盤は盆と言う区切りまでに工事を終わらせるべく、非常に忙しくなる時期です。いわゆる繁忙期のスタートとなる7月最終週の始まりである今朝は、早朝から社員面談、その後、昨日開催していた、夏休み木工教室で最後まで出来なかった作品の残工事?の続きのお手伝いから。1時間程の時間でしたが、子供と一緒にものづくりをするのは楽しいモノ、いい気分で1週間のスタートを切ることが出来ました。(^ ^)
夢を叶える木工教室。
つむぎ建築舎で毎年開催している夏休み木工教室は「夢を叶える」と言う冠がついており、作りたいものをなんでも形に出来るのを特徴としています。前もって子供達(大人も、笑)に書いてもらった図面をもとに材の段取りをして置いて、若手大工がサポートしながら子供達が頭の中で描いたイメージを形に出来るのを体験してもらいたいと、(一方的にお題を決めて皆に同じものを作って貰うのに比べて)結構大変なのですが、15年間毎年続けています。
大工泣かせのワークショップ。
今回もなかなかの難易度の高い図面(というか、絵)が届いており、予定の2時間では難しそうなものもいくつかありました。結局、午前の部も午後の部も時間を超過して頑張ってもらう事になり、挙句、完成にたどり着かず、今日の居残り教室の開催となった次第です。ただ、参加頂いた皆さん共、楽しかったと言って、出来上がった作品を大事そうに持って帰ってくださる姿を見て、私も嬉しく、いい時間を過ごせたと毎年感じる事が出来ています。
木工教室を続ける理由。
長年に渡り毎年、木工教室を継続している理由はいくつかあります。ものづくりの楽しさ、素晴らしさを子供達に知ってもらうのは、未来の大工志望者が増える種蒔の一面もありますし、お客さん宅の子供達に会えてその成長していく姿を見られるのは、本当に貴重で嬉しい時間です。実際に、新入社員として入社する若者の大半はお客様の子供で、木工教室がリクルート活動の一面として機能しています。
若手大工の学びの場。
また、若手大工が担当となって、子供のイメージを形にするにはどうしたら良いか?に想いを馳せ、材料を考え、段取りして、コミュニケーションを取りながら工作をするのは教育の場としても非常に大きな意味を持っています。若奥様のDIYや子供の工作は意外とセンスがいるもので、実際に場数を踏まないと良い物は出来ません。今年はいつもよく作る単純な踏み台だけではなく、三段の脚立や餌場付き小鳥の巣箱、鳩時計に果ては安土城と、なかなかハードな希望を貰っており、頭を抱えておりました。(^ ^)
木づくりと木づかい
それにも増して、時間がかかった理由に、今回の木工教室はひょうご木づかい王国学校とコラボして、兵庫県も協賛を得て、国産材のケヤキや栗、ポプラなど広葉樹の原板を仕入れて木取りから行ったと言うことがあります。原板を割って削り、仕上げる工程を増やしたことで工作の時間よりもそちらの方にかえって時間と手間がかかってしまいました。しかし、分厚くデカい板を加工すると可愛い小鳥の巣箱や華奢な踏み台が出来るのを間近に見てもらうことで、木づかいの面白さ、無限の可能性、木と職人の価値を認識してもらいたいと思いましたし、ある程度は伝わった様に思います。
大工なめるなよ。
後は、昨日の楽しい体験が良き想い出として記憶の片隅に残り、国産木材を使う意味や意義、職人の持つ技術の価値を感じてもらい、将来、なんらかの場面で思い出して貰えれば、私にとってこれ以上嬉しい事はありません。ちなみに、木材加工の大した設備を備えているわけでは無い、一介の街の大工として私が木取り(原板から使う材を切り出す作業)をしながら心の中でつぶやいていたのは、大工をなめるなよ。でした。(^ ^) 鋸と鑿、鉋が有れば小さな差物から大規模建築まで出来るモノづくりの力と価値を伝える活動を、参加してくれるちびっ子達の笑顔を糧に、これからもずっと続けていきたいと思います。(^ ^)