職人の新たな役割とvisionに未来を託す。#第16期職人起業塾

令和2年8月27日 晴

禍福糾える縄のごとし。

今日は博多、薬院のPanasonicショールームの会議室をお借りして、第16期職人起業塾の最終講、卒塾検定を行いました。コロナの影響で延期を重ね、半年の研修が8ヶ月弱に延長、少し間延びした感も否めませんが、その分、アクションプランの実践の時間も伸びた訳で、自分で考案したマーケティング理論に立脚した行動計画を実践した成果を感じてもらえたようでした。事実は一つ、解釈は無限にある。世の中はすべからず表裏一体でできていると考えれば、困難に思えることももっと前向きに捉えてもいいのかも知れません。とはいえ、近所でコロナのクラスターが発生した塾生が今日の卒塾検定の最終講に欠席されるなど、鬱陶しい影響が続いています。かくなる上はオンラインを駆使して補講を行うしかないかと善後策を考えながら、対面する選択肢が増えたのもメリットなのかも知れないと思ったり。とにかく、何事も前向きに捉えたいと思います。(笑)

役割とvision

近年、職人起業塾の卒塾検定は塾生全員に10分間のプレゼンテーションを行ってもらっています。テーマは「これからの役割とvisionについて」となっており、半年間もの長きに渡りマーケティング理論を学び、実践を繰り返して仕組み化への練習を行った以上、今までの職人や施工管理と言った一兵卒ではなく、社内でマーケティング担当として新たな役割を担い、業務の範囲と共に事業所への貢献度を高めて貰いたいとの思いから、「役割」と「vision」を明確に示して貰いたいと考えて、自分の口で、自分の言葉でこれからの事を熱く語って貰っています。今日の検定プレゼンテーション大会では、全員が慣れないながらもpptでスライドを作り、何のために仕事を行うのか、どのような影響を発揮するのかをそれぞれ熱く語ってくれていました。

天は自らを助ける者を助く。

自助論で有名なサミュエル・スマイルズはその著書の中で“天は自ら助くる者を助く”と原則論を書かれています。私たち一般社団法人職人起業塾が掲げているミッションは「職人の社会的地位の向上」なのですが、原則論に照らすと職人自身が自らの価値を高め、重用されるようになり、結果として地位が上がるということになります。現在、建築現場で働く殆どの職人は日給月給という名の日雇い労働者に毛が生えた程度の待遇で社会保険の枠からも外れ、年老いてからはろくに年金を受け取ることさえできないのが現実です。若者が全く魅力を感じない、子供が職人になると親が泣いて止めるのも当然で、このままでは10年かからずに建設業界は深刻な職人不足で全体的に沈み込んでしまうのは確実視されています。

根本的解決方法。

若者が入ってこない業界は廃れるしかありません。そして、その根本的な問題解決は若者が建築現場の仕事に憧れを持つように、職人が生き生きと輝き、豊かな暮らしを送らねばなりません。しかし、今まで通りの業界構造、今まで通りの働き方、今まで通りの組織では職人に満足してもらえる地位を与えることは不可能で、サミュエル・スマイルズが言ったように、職人自らの手で、自分の未来を切り開けるような行動変容が求められます。では、何を、どのように、いつまでに行うか?という今までの職人たちが持っていなかった解、計画策定を私たち職人起業塾は金を稼ぐ方法論であるマーケティング理論を切り口に伝え、その理論に沿って行動計画を立てて貰い、実践のサポートをしています。しかもそれは原理原則論に沿っており、当たり前のことばかり。決して難しいことではありません。誰でもできる当たり前のことを、誰にもできないくらいにやり通すだけです。

未来への希望。

半年に渡る研修の最後に私がいつも伝えるのか結局、「やるか、やらんかだけ。」誰にでもできる事は誰もがやっているかというと、決してそんなことはなく、当たり前の事を当たり前に行う事こそ難しい。とよく言われるように、強い意志とその意思を持続させる持つベーションの根源が必要です。何のためにやるのか?その答えが明確で、本当に重要で価値があると思える人だけが、やる、やり続ける選択をできるようになります。第16期の皆さんにも、何度も繰り返し同じ事を言い続け、耳にタコができるわい、と思われたかもですが、人生に、仕事に大事なことは意外にシンプルだったりするものです。彼らが毎日の業務の中で、やる選択を繰り返し、今までになかった付加価値を生み出してくれることこそが職人の社会的地位向上に結びつくと思いますし、私たちは引き続くそのサポートを引き続き行いと思います。若者たちのやる気こそが未来への希望、16期生の皆さん、頑張ってください。(笑)

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