小さな会社の経営者の仕事ってなにか?
ときかれたら。
営業、資金繰り、教育、シクミ作り、ビジョン作り、経営理念の策定、、、
答えは様々だと思いますが、私個人的には情報収集が非常に優先順位の高い重要なことではないかと思っています。
大きな転換期にある建築業界では商品技術、工法は日進月歩であり、情報量不足は直接顧客に伝えるべき、お渡しするべきメリットを損なう事に繋がります。
そして、新しい情報は全て良いものか?正しいものか?と言うと決してそうでもなく、現場でのモノづくりをする感覚と照らして取捨選択をする為には大まかすべての情報は(浅くても)知っている、というくらいまで出来るだけ多くの情報量を持つべきだと思っています。
そんなこんなで、今日も情報収集へ、昼からはクリナップの情報交換会へ。
そしてその後は神戸が誇る給湯器のトップメーカーノーリツの関連会社であるハーマンの工場視察。
情報収集もちと度が過ぎますね、、(汗、)
クリナップさんの情報交換会の基調講演は『価格から価値へ、』というテーマでした。
これまで耳にタコができる位、聞き続けたよな、なんて思いつつ聞いておりましたが、なんのなんの、切り口を変えて付加価値戦略について分かりやすくご説明頂きました。
切り口とは、思考のパターンについて。
仕事だけにかかわらず、人の思考パターンの考えたとき3つに分ける事ができる、
頭で考える。
マニュアルで考える。
そして心で考える。
そして、価格競争から抜け出して価値を高める事で勝ち残っていくには『心で考える』という思考が出来なければならないとの事。
非常に勉強になりました。
その中で印象に残った具体的なお話をご紹介しておきます。
****ここから転載****
飛行機が離陸のため滑走路に向かうと、ほとんどのライン整備士は
事務所に引き上げていました。
ところが、たった一人のベテラン整備士が飛び立つ飛行機に向かって、
手を振っていたそうです。
ある時、そこに配属されてきた新人整備士が疑問に思って、
このベテラン整備士に尋ねました。
「先輩は、どうしていつも手を振っているんですか」
それに、こう答えたといいます。
「オレは元々、沖縄出身なんだよ。
お客さんが真っ黒に日焼けして帰っていく姿を見ると、
よかったですね、来た甲斐がありましたね、と嬉しくなるんだ。
台風が続いて真っ白な肌のお客さんを見ると、申し訳なくて、
もう一度素晴らしい沖縄を見に来てください、
と心の中でお願いするんだ。
そういう気持ちで手を振っているんだよ」
さらに、
「機内のお客さんが手を振り返してくれると、すごく嬉しい。
オレたちが整備した飛行機に乗っているお客さんに
手を振ってもらえるなんて、幸せなことじゃないか」
これを聞いた新人整備士さんも、手を振るようになりました。
やがて、その輪は広がり沖縄空港支店だけでなく、
全国すべてのANAに広がりました。
それを見ていた他の航空会社の整備士さんたちも
手を振るようになり、今では、日本のみならず、
海外ステーションでも実施されているそうです。
これは、マニュアルではなく、
お客様を思う一整備士の気持ちから生まれたことで、
先輩から後輩に引き継がれています。
* * * *
(参考図書)
「お客様と共に最高の歓びを創るANAが目指すCS」
社会経済生産性本部著・生産性出版
ここまで。
現在ではJALの整備士に波及しただけではなく、全世界の空港で整備士はこのグッバイウェーブを行なうようになっているとの事です、そう言えばあちこちの空港で整備士さん達が手を振っている姿を目にした様な気がします。
あまり気には留めておりせんでしたが、悪い気はしなかったと思います。
マニュアルで考えて行動するのではなく、頭で考えて行動する訳ではなく、心で考える。
心で考えるとは即ち、相手の気持ちを思いやり、考える事。
心で考える。
カルロスゴーン氏が日産に来て初めに行なったことは社員研修を見にいく事。
その当時の日産は営業マンの成績を上げるべく、売る為の研修、プレゼンテーションのロープレばかりしていたとの事です。
カルロスゴーン氏はそれを一変させて、
「売り込む事ばかりをなぜ行なうのだ?まずやるべきは聞く事だろう」
と言い放ち、聞く事、そして共感することに集中して社内研修を行なったと言います。
そのカルロスゴーン氏が鍛えろと言ったのは、共感力(empathy)だったとの事。
最近の私の気付きである、論理脳から共感脳への切り替えとも重なるとても良いお話でした。
クリナップさん、とても良い情報をありがとうございました。
心謝。
すみれ建築工房 ミッションステートメント
創業時から変わらない私達の“想い”
それは作り手側から見た業界の悪習を断ち切りたいと言うその1点に尽きます。
しっかりと社会保障をされた職人が早く出来た事が儲かることではなく、完璧なものを作ることで評価されるシステムを作り上げ業界のスタンダードにしたい。
それがすみれが社員大工での施工に拘る理由です。