残心を成長の糧にしろ。#若手大工育成プロジェクトday11

令和2年12月10日 晴れ

若手大工育成プロジェクトday11

今日は九州、筑後にて。福岡県の工務店団体、一般社団法人人にやさしい家を考える会の主催で半年間、12回のカリキュラムで開催している若手大工育成プロジェクトの講師として指導のために昨晩遅くに九州入りしました。新規就労3年未満の若手大工を対象に小さな実習棟を実際に建てて、大工工事の全体像を体験してもらう取り組みも今回を終えると残り一回、最終回を残すのみになりました。自社(一般社団法人職人起業塾)の研修も半年間のカリキュラムで行なっておりますが、終盤が近づくと、当初長く感じていた6ヶ月という時間がいかに短いかを思い知らされます。今回も、まだ夏の名残が残る暑い時期に研修第一回目のオリエンテーションで大工としてのあり方、職人としての価値をどのように生み出せるかを熱く語ったのがまるで昨日のように感じられます。短く感じられる理由は半年間の研修で伝え足りないと私が感じるのと、成長のきっかけを掴んだ受講生が、もう少し学びたいと心を残している様を感じる両面で少しの消化不良を感じるからだと思っています。

若手大工の悔しそうな顔。

今日の講座では、前回に引き続き、階段や玄関框、フローリング貼りなどの内部造作、仕上げ工事を行いましたが、最終回にせっかく建てた実習棟を綺麗さっぱり解体撤去してしまうカリキュラムになっている事から、半日間解体作業を前倒しして、仕上げ工程の時間を短縮しておりました。あと半日あれば、階段も一応、2階まで上れるように出来ていたし、刻みだけで終わってしまった玄関框も取り付いて、フローリングまで貼り終えていたはずが全て中途半端な状態で終了し、受講生達は悔しそうな顔をしておりましたが、ワークショップは全てを終わらせることが重要だ。との原理原則に基づいて、解体工事を始めてもらいました。今日はいつもにも増して、講師、受講生の両方が消化不良を感じ、心を残す自習講座になってしまいました。

テーマは自分たちでやりきること。

実は、事務局からはせっかく楽しそうに、若手にはなかなか手をつけさせてもらえる事がない造作工事をやっているので「解体工事の時間を短縮して、会の理事メンバーさんに解体工事の応援を頼みましょうか?」との申し出もありました。その選択をしたら、きっと受講生達は喜んでくれたと思いますが、私としては敢えてそれをお断りして、中途半端で悔しい感じの作業終了を受講生達に告げました。確かに、失敗が許されない実際の現場では若手の大工が高価な造作材の加工をさせてもらうのは何年も先で、失敗しても良いよ、気楽にやれ、と言われながら作業をする機会は絶対にありえません。彼らにすると類い稀な大きなチャンスかも知れませんが、そんなことよりも、当初の計画通り、自分たちで全ての工程をやりきることの方がずっと大事だと考えた次第です。実際、思いの外、順調に進んだ解体工事ではこれまでないくらいに楽しそうに作業していました。

 

 

 

 

 

 

 

残心

日本が古来から大事にしてきた世界に誇る素晴らしい概念はたくさんありますが、「残心」もその中の一つだと思っています。心を残すと書くこの考え方は侍の果たし合いで決着がついた後も相手に対してリスペクトを持ち続けるという意味合いで語源のようですが、私は何に対しても割り切らないことだと定義しています。人との関係にしてもそうですが、心に留める事によって、何かしら次に繋がる事があると思っています。研修でも、もう少し出来たのに、との悔しい思いや、もっと学びたかったというもの足らなさ、消化不良の部分があるからこそ、次のステップアップに繋がると思っていて、満足して割り切ってしまうと成長などないと思うのです。そのな観点からすると、今日の実習で中途半端な終わり方をして、悔しい思いをしてもらったのは決して悪くないと思うのです。

残心(一部抜粋)
心が途切れないという意味。意識すること、とくに技を終えた後、力を緩めたりくつろいでいながらも注意を払っている状態を示す。また技と同時に終わって忘れてしまうのではなく、余韻を残すといった日本の美学や禅と関連する概念でもある。
だらしなくないことや気を抜かないことや卑怯でないことであり、裏を返せば「美しい所作」の継続ともいえる。
武道における残心とは、技を決めた後も心身ともに油断をしないことである。

出典:Wikipedia

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心技体のブラッシュアップ&バージョンアップ

ちなみに、この若手大工育成プロジェクトは3ヵ年計画であり、来年も継続してさらにバージョンアップした研修を行う予定です。また、来年の2月からは博多で職人起業塾の研修もスタートします。こちらは既に定員に達しておりますが、この実習研修に参加している若者で、もっと学びたいと希望するメンバーには特別に門戸を開くようにしています。来週で半年間に及んだ若手大工育成プロジェクトの実習研修は幕を閉じますが、研修の終わりは新たなチャレンジのスタート、今日の残心を胸に、更に学び、実践を通して経験をちみ重ねたいとの気持ちを若者たちが持ってくれることを強く願います。とは言いつつ、やっぱり少し残念な感じは否めませんが、今日も楽しい実習ができました。皆さんお疲れ様でした。(笑)

 

 

 

 

 

 


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