行く、やめる、留まる。

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九州、博多の隣町、大橋に向かう途中の新幹線の中にいます。
毎年一回くらいはある大雪や台風や豪雨の日に出張がピッタリとあたってしまうことって、何故か結構あります。
辿り着くのか?
寝るところは有るのか?
帰って来れるのか?
お天道様というか大自然の気まぐれでいつもの日常は脆くも崩れ去り、あれよあれよと言う間にサバイバルに(大げさか、)叩き落される事って、程度の大小はあれども結構あったりする訳で、、
今日も新幹線のダイヤはグッシャグシャです。(苦笑)
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その手の話でいうと震災が分かりやすいですが。
ま、今回程度の降雪ではたぶん大した事はないだろ、と思いつつ、普段感じることの出来ないドキドキ感を楽しんでいます。(笑)
このような誰にも止め様の無いアクシデントに見舞われた時、いつも同じ判断をしている様な気がします。
自分の行動は、予定を変えず何とかなるさ、で突き進む。
廻りの人に対しては、予定を変更して考えれる中で一番安全な選択を促す。
「大丈夫やろ、行ってみ、」
と言われると、人は予定の行動をやめて踏みとどまるのが非常に難しくなります。
人間の行動や思考も慣性の法則は絶対に働いていると思うから。
逆に、外部から運動を止める力がかかってやっと、冷静な判断をして続けるべきか、やめるべきかを決める事ができるのでは無いでしょうか。
それが、人に対して変更や中止を促したりアドバイスしたりする理由です。
では、自分にはなぜそんな風に働きかけることが出来ないか?という事になりますが、それは自分の持っている慣性が常に危険or安全とか得or損とか良いor悪いなどの判断ではなく、違う価値観というか羅針盤で動いているからです。
それは、大事にするべきは自分ではなく、自分に寄せられる信頼である、ということのような気がします。
『名』の為には命なんて惜しくない。
なーんていうと戦国時代の小説の読み過ぎやろっ、といわれてしまいますが、人の信頼を裏切ってまでお金儲けをするとか、大げさにいうと、生きながらえるとか、考えられなかったりする訳です。
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東日本大震災で福一がメルトダウンしたとき、北関東で工事現場を抱えていました。
真偽の程は明らかでは有りませんでしたが、メルトダウンという事実がひた隠しにされている関東一円は放射能の影響を大きく受ける(受けている)と言われ、現地に出張に行っていたヨーヘーに今すぐ現場をほったらかして帰神する様に指示しました。
もし万が一、何十年か先に彼の身体に放射能被爆が原因で変調をきたしたとき、私にはどうする事が出来ない以上、仕事を進める様に、とはどうしても言えませんでした。
そして、1ヶ月が経ち、全く進展が見えない福一の放射能漏れにしびれを切らした様に関東では計画停電の中、再開するお店が続出して、放射能被害が心配だから、と言って工事を止めておくのが出来ない状況となりました。
当然の様に工事も再開する事に。
しかし、福一は(いまでもですが、)全く復旧どころか放射能漏れを止める兆しさえなく、ヨーヘーに戻れとは口が裂けても言える状況ではなかったのです。
で、結局解決策は私が自分自身でスーツケースに電動工具を詰め込んで職人として現場を完成させに行くことに。
家族からしてみたら、まだ大きな余震も頻発していた時で、原発の先行きも非常に怪しい状態の関東に出向くのは、やはり(一応、)心配だった様で、でっかいスーツケースを持って駅で別れを告げた時は、悲壮感も少し漂っていた様な覚えが有ります。
しかし、私にとっては何ら違和感の無い、ふつーの判断であり、それでなにかあってもまあしょうがないよね、と思っておりました。
信頼して工事を依頼してくれているクライアントにも、信頼して長年ついて来てくれているスタッフにも、ごめん~と謝る選択肢は毛頭無かった訳です。
そんなこんなで、今日も大雪の中の弾丸出張、行ってきます。
明日も予定はいっぱい。なんとか無事に帰って来れます様に。(祈)
 

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