1月17日 月曜日 晴れのち曇り
久しぶりにデスクに座る時間がゆっくりとれた1日でした。
先週末は突然沖縄への出張が決まり、帰ってきた昨日の日曜日は朝から晩までひっきりなしに来客があり、ドタバタと走り回る感じで時間が過ぎて、気付いたら11月も後半。
そんな慌ただしい中、昨日の来客の中に、創業時に随分とお世話になっていた不動産会社の社長がおられました。
なんでも、近くを通りがかったらすみれの大きな看板を見て突然来社されたとのこと。
大きな看板も出してみるもんです。(笑)
「久しぶりやなぁ」
「ご無沙汰してます」
から始まった会話。
一緒にこられた最近入社されたと言うご子息に私の事を紹介してくださったのですが、私を指して口にされたその言葉は、
「この社長は、年がら年中休み無しで働いてんねん。」
とのこと。(笑)
「そうでしたねぇ、」
と私。
16 、7年も前、職人から起業して個人営業の工務店を始めた頃に知り合ったその社長には随分とお世話になりまして、その当時は私もまだ現場で職人としてバリバリと働いていところで、見積もりや現場調査を1職人としての仕事と並行して行うのに寝る間を惜しんで働いていたのでした。
金も、コネも、学もない駆け出しの経営者としてスタートを切ったその頃、私ができたことと言うと、
一生懸命に働くこと。
約束を守ること。
クライアントの希望にできる限り答えること。
たった、それだけだったような気がします。
今からその当時を振り返り、考えてみると強みと言われるほど大した事では無い事ばかり。
しかし、そのたいしたことないことを必死になってやっている大工は身の回りにいなかったような気がします。
「真面目で、一生懸命働く若い大工が居るよ。」
と言うだけで、その当時自分たちに必要な仕事量は何とか声をかけてもらうことができていました。
最近の、マーケティング業界ではUSP偏重の傾向があると言われています。
『起業するなら、1点突破の自分だけの強みを持て!』
というようなことですが、本当はその前に見直すべきことがたくさんあるように思います。
私たちがスタートを切った頃の強みはマーケティング理論の中で1番重要だとも言われる、USP(自社だけが持つユニークで独自の売り)と言うにはあまりにも貧相ですが、そんな小さなご縁を大事にして、信頼を1つずつ勝ちとってきたことをきっかけに今があると考えると、他社にない強みを持つためにUSPを作ることだけに執着する事はないような気がします。
まぁ、それも大事ではあるのですが、、
「垂直統合」という言葉を田坂広志氏がよく使われますが、私もいくつかのレベル、ステップで繰り返し精度を上げることを最終的に垂直統合するという意識が重要ではないかととても共感しています。
USPも所詮は顧客から信頼を得るための単なる手段に過ぎません。
信頼を得るという事はやっぱり、まず人としてのあり方を見つめ直すことからだと思うのです。
『信頼されるべき人物像に自分を正すこと。』
自分が信頼出来ない『自分』では、お客様からの信頼を得る事なんて出来っこないのです。
今日の職人企業塾ではそんなテーマでグループコーチングをおこないました。
ご参加いただいた皆さんには、『垂直統合』、よくご理解いただけたでしょうか。
遠方からはるばるお越し頂いた方も多かったし、拙いコーチングではありましたが、これからの事業に少しでも役立てば幸いです。