職恩。

1月19日晴れ

週末に引き続き朝方はずいぶん冷え込みましたが、太陽が顔を出してからはうららかな日となりました。

月曜日は着工現場が多いということで、私も昼からは現場回りへ。

空気調和工事
空気調和工事

「迅速、確実、丁寧」をモットーに顧客が求める価値に焦点を定めて目的意識をしっかり持って現場を進めてくれるように担当者に申し伝えをしてきました。

 

 

建築工事会社の価値は現場にあると思っています。

それは、出来上がった建物もそうですが、作り上げる過程においていかに顧客の要望やイメージを汲み取って現場に反映させるかにかかっていると思います。

設計やプランニングも非常に重要ではありますが、所詮は絵に描いた餅。実際に具現化できてこそ価値となる。逆に、それができなければ一切の信用は地に落ちる、ということをスタッフと共有してできる限りの努力を積み重ねたいと思っています。

とにかく、ひめーくんがんばってね。(笑)

 

天井撤去作業中
天井撤去作業中

 

ちなみに、私が良く口にする『迅速、確実、丁寧』というのは私が建築業界に転身を図る前に勤めていた運送会社の社是です。

 

未だ20歳そこそこで体力しか取り柄が無かった、飯を食うにも困る状態の貧乏のどん底にあった私を拾ってくれて、心身共に鍛えてくれた会社でして、、

安くて、美味しくて、(しかも採用されてすぐ)ツケが効いた社員食堂のご飯のお陰で何とか食べ繋いで生きながらえたという、命のご恩まである会社です。

実は、こう見えて結構苦労してました。(苦笑)

 

それがなかなか強烈な会社で、ずいぶんと厳しい試練も(山ほど、笑)与えてくれまして、そのお陰で今の(忍耐強く、諦めない、しつこい性格の)私があると言っても過言ではないと思っています。

 

採用当初の出勤時間は夕方の5時。

そこから、延々とトラックターミナルに到着する大型トラックの荷台からひたすら荷物を降ろし続けるのを、翌朝の8時くらいまで延々と続けます。

帰宅するのは10時くらいで毎日4時間睡眠がやっとこさの暮らしを1年くらい続けた様に思います。

初日はローラーの上を高速で転がる荷物の音と、過酷な肉体労働に気が変になりそうでした。

たしか、同じ時期にアルバイトとして入って来た人で3日続いたのは30人に一人くらいではなかったかと思います。(私は社員食堂のお陰でなんとか続きましたが、、)

 

セールスドライバーになってからは6時出勤、終わるのは25時くらいの日が半年以上は続いたような覚えがあります。

とにかく、帰宅して、寝ようかと思う頃には出勤時間になっていたような、、(笑)

労働法もクソも無い厳しさではありましたが、その分稼がせて頂いて、おかげさまでとにかくどん底の貧乏からの脱出を図ることに成功しました。

 

完全に昭和ですね。(笑)

 

先日、とあるセミナーで『職恩』と言う言葉を聞いて、真っ先に頭に浮かんだのは、建築業界に転職してから親切にしてくれた親方やオヤジ、先輩大工さん達のことでした。

本当に皆さんに助けられて、育てて頂いたと一生忘れることが出来ないご恩を感じています。

その時は前職のことはあまり考えませんでしたが、よく考えるとそこに私の原点があったのだと最近気付くことがありました。

 

件の運送会社出身の先輩経営者さんとお仕事をさせて頂く機会に恵まれて、その会話の中でその当時のことが話題に上り、辛かったこと、厳しかったこと、そしてその中でも心を折らずに何とか踏ん張って来たことが走馬灯の様に頭の中を巡りました。

支店は違いましたが、同じ時期に在籍しておられたということで、その当時のことを振り返って共通の(過酷な、笑)体験を懐かしんでしまいました。

『迅速、確実、丁寧』という共通言語もありますし。(笑)

 

『職恩』

いつの間にか50歳前のおっさんになり、つい自分で何もかもやって来たような顔をしてしまいがちですが、右も左も分からないガキを相手にして、育ててくれた人達が常に職場にいたことで、なんとかかんとか、いっぱしの大人になったコトを忘れてはいけないな、なんて改めて思うと共に、自分が頂いて来たご恩を『職恩』として捉え、私が携わる職場全体の仕事を通じて若い世代の人に自分が受け取ったことを渡していかなければと思いました。

まあ、今時あまり厳しいのは流行らんと思いますので、ソフトな感じで若い人の成長に寄与出来ればと思います。(笑)

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