2月6日 台北は雨、台中は晴れ
今日は一年以上通っている台湾ですが、初めて台北を離れ台中へ。
新幹線で約1時間移動して台中駅についてみると、なんと晴れていました。
生まれて初めての台中は天気に歓迎されて、何となくいい印象を持つことになりました、
さて、お題目は一仕事終えてからブラブラと市街地を散策していた時に偶然見かけて入ってみたウイスキーメーカーの大々的なキャンペーンイベントで感じた事。
中では、ウイスキーメーカーが如何に原材料の生産、管理から蒸留所の設備、樽を作る木材まで拘っているかをスタンプラリー形式で説明を聞き、体験して最後にほんの一口試飲をするというキャンペーンイベントが行なわれていました。
バルヴェニーのサイト=http://jp.thebalvenie.com
こんな事までやりました、(笑)
1920年代初頭、10社ほどのビール会社がしのぎを削っていました。業界8位だったシュルツビールはあることをすることによって、わずか半年で業界首位になったのです。彼らがしたこととは、一体何か?それは、「ビールの製造工程を事細かく消費者に伝えた。」だけです。当初、シュルツビールの経営陣は、「こんな製造工程はどのビール会社もやってることだから、教えても価値がないはず。」と思っていました。でも、お分かりのように業界では当たり前のことでも、素人である消費者にとっては当たり前ではありません。だから、その製造工程を伝えるだけで、消費者は価値を感じてくれるのです。半年で業界首位になったことが何よりの証拠です。
と、今日、台中の広場で大々的なキャンペーンイベントを行なっておられた意図を分かりやすく全くそのままの事例。
この文章も確かハイパワーマーケティングに書いてあったと思うのですが、それを実際に体験してみて私の中でその商品に対する印象の変化はというと、
(残念ながら)全く無し。
実は、最近オッサンの中でプチウイスキーブームが起こっており、(ミーハーな私は)長い間飲み付けなかったウイスキーをBARに行く機会がある際には飲み始めました。
正直、(流行に弱いので、、)ウイスキーに興味はあるのです。(笑)
が、しかし、工程の丁寧さや原材料への企業の姿勢を体験まで交えて説明されたのに、よし、一本帰って帰ろ、とならずに、逆に話題に上った台湾の有名なウイスキー『カバラン』が日本で買うととても高いので空港の免税店で買って帰ろ、となってしまいました。
カバランのサイト=http://www.emanak.co.jp/kavalan/
せっかく大々的に費用をかけてマーケティング理論通りにキャンペーンを行なって、(たまたまですが、)私のようなドンピシャ、ターゲット層を会場の中に引き込んだ(サインのデザインや雰囲気はとても良かった)にも拘らず、全く結果に結びつかず、しかも他社製品を買う事を決意させるなんて、気の毒でなりません。
というか、マーケティング理論には留意すべきいくつかの重要な条件があり、それを無視して消費者の購買には繋がらないと改めて感じて、自分も気をつけよ、と改めて思った次第です。
今回の、一消費者として私が響かなかった理由は、いくつかあります。
大まかにまとめてみると、
- この土地との結びつきが全くないこと
- 真っ昼間にストレートのシングルモルトウイスキーを一口だけ飲んでうまいと感じにくかったこと
- 技法への説明はあったが、『想い』の説明が欠落していた事。
要は、、
- 今はグローバル展開しているものへの興味は薄れ、ローカリゼーションに価値観はシフトしている。だから台湾ウイスキーを買って帰る事になった。
- 商品をこれは凄い!美味しい!と思えるにはもう一歩が足らなかった。ひと欠片のチーズかサラミでもついていたらそう思ったかも知れません。
- そして、想いが語られなかったこと。やっぱり人は物語=ストーリーに心を動かされるという事。
土地との結びつき、商品の本質、そして、『心』、気持の部分をすっ飛ばした上っ面のマーケティングは費用を無駄にしてしまいますね。
自戒を込めて、、
非常に良い勉強になりました。
ご縁に心から感謝します。
心謝。
おまけ、
夜は念願の故宮博物館にお勉強に行きました。
なんと、週末は夜の9時まで営業。
空いててとても良かったです。