2月23日 曇り
昨日は神戸でも春一番が吹きました。
今日はお天道様こそ出ていませんでしたが、朝から暖かな一日となり、待ちに待った春の足音がそこまで近づいて来た感じ。
このまま寒くならなければいいのですが。。
あと、昨日は2.22(にゃんにゃんにゃん)のネコの日だったとのこと。
そうか!と気付いて夕食時にニャロの大好きな高級キャットフードをいつもより多めにお皿に入れてあげました。
「にゃんの日でよかったにゃ〜」と猫なで声でニャロに話しかけてながら、
「あっ!これって平賀源内が土用の丑でうなぎを売った流れの、業界団体が制定した販促の為の記念日やな!」
と気付きました。(笑)
ググっててみるとやっぱり、、
猫の日
英文学者の柳瀬尚紀氏らによる「猫の日制定委員会」が1987(昭和62)年に制定。ペットフード工業会が主催。
「ニャン(2)ニャン(2)ニャン(2)」の語呂合せ。全国の愛猫家からの公募でこの日に決まった。
ワタクシ、まんまと、すっかり、ペットフフード工業会の思うつぼにハマってしまっておりました。。
世の中は本当に『マーケティングノイズ』と言われる四六時中売り込まれる仕掛けに満ちあふれていますね、気をつけないと。。
売り込む仕掛け、というと著者のロバート・B・チャルディーニ氏が昨日まで開催されていたセミナーズフェスタ2015 Springの中でネット中継で登壇されたということで、少し前からネットの上で話題、(というかキャンペーンか、笑)に上っており、ミーハーな私も少し前にアメリカのセールスマンのバイブルと言われる『影響力の武器』を取り寄せて読んでみました。
心理学者であるチャルディーニ博士は人が承諾する行動、心の変化を解き明かす自ら研究のために様々な『売り込む』業態に潜入調査を行なって、その結果をこの本にまとめたとの事です。
博士の研究結果によると、人間には進化の過程で6つの原理が備わっているとされており、また莫大な量の情報が飛び交う現代においては全ての情報を収集し、検討する事が困難である事から、人は考える事をやめてしまい、一つの信頼出来る情報に短絡的に飛びついてしまう傾向があると言われています。
博士が説かれる6つの原理とは、
- 返報性
- コミットメントと一貫性
- 社会的証明
- 好意
- 権威
- 希少性
で、確かに細かな説明を聞くまでもなく影響されるよな、と思ってしまいます。
これらの影響を受けると人は買うつもりが無いものでも買ってしまうことがある、とのことで、逆にこれらの原理は表面的な影響を与える武器として利用する事が出来るとのことでした。
確かに私たちの身の回りでも実際にあらゆる集客やセールスの場面で使われています。
そして、「手っ取り早くうまく売る方法」として○○マーケティングなどと、もっともらしい名前を付けてそのノウハウを販売している事も少なくありません。(特に建築業界、、)
また、その使い方も段々と手が込む様になり、買い手側にとって表面的には販売の為の影響を受けていると分かりづらくなっている、もしくはあまりに身近にこれらの『影響力の武器』が氾濫している為、その存在に慣れて麻痺してしまっていることもあるかと思います。
昨日私が引っ掛かった『マーケティングノイズ』ですね、、
ちなみに、私がハマったのは社会的証明の原理。
世間のネコを飼っている人達はきっと特別な事をしているだろう、なんせネコの日なんだから、と、短絡的に考えてしまったわけで、まんまとペットフフード工業会の思惑通りに売上げに貢献したのです。
いつも和ませてくれる、というか癒してもらっているにゃろに対して機会があれば何かお返しをしなければ、と思っていた返報性の原理にも引っ掛かっているかも、ですし、
ネコの日は一年で今日だけしかない、という希少性にも手伝われたかも知れません。。
とにかく、誰がなんの為に作った記念日かを把握していたら、ニャロに高いキャットフードをいつもより多く与えるような事は無く、きっと冷蔵庫の中から魚の干物を探すとか、マタタビを買って帰るとか(売ってないか、笑)していたと思います。
恐るべし、『影響力の武器』、、
この調子で世界中の高額な商品を販売する人や企業(や詐欺師)がその力を手を変え品を変えながら利用しているのですが、マーケティング的観点からいうと、こんな事に固執して目先の販売実積を延ばすのはあまりオススメは出来ません。
人は、承諾した事について後悔も反省もする生き物であり、表面的な影響力を行使して承諾を引き出したとしてもクレームにならなくても、リピーターとして絶対の信頼を寄せてもらっての付き合いが始まる事はないと思います。
きっと私は来年の猫の日には特別なキャットフードではなく魚の干物をニャロに与えるでしょう。(笑)
この本のことをネットの上で絶賛されている方も多いですが、チャルディーニ博士の研究された題材はあまりに表面的な、薄っぺらい影響力であり、長い歴史と伝統の中で育んで来た精神的な価値感を重んずる日本では、もっと潜在的な影響力を高める事の方が長い目で見るとビジネスを成功に導くのだと思います。
なんせ、世界で一番長く存続する会社は日本にあり、100年以上続く企業も日本が一番多いのですから。
欧米式の表面的なノウハウやトリックまがいの販売で瞬間に大きな利益を上げる事よりも、企業はなんの為に存在するのか、という本質に立ち返り、顧客に長く愛されて継続出来る日本的ビジネスモデルを目指すべきでは無いでしょうか。
そんなわけで、『影響力の武器』強くおススメはしませんが、一般教養としては読んでおくべきなのかな、と思います。
世界で活躍する高名な博士の著書をつかまえて、えらそうなこと言ってスミマセン、、。(汗、)
以上はあくまで私見なので、異論のある方も居られると思いますが、大らかな目で流しておいて頂ければ助かります。(笑)