4月15日晴れ
昨日まで降り続いた恵みの雨のおかげでしょうか、伊川の河川敷ではたんぽぽの花が一斉に開いていました。
一昨日の天気予報では、今日は1日中『完全に雨』となっておりましたが、蓋を開けてみると朝のうちは少しだけ雨雲が残っておりましたが、すぐに久しぶりとなる気持ちの良い青空が顔を覗かせました。
天気が気になっていたのは、本日、建築の前の重要な神事、地鎮祭を執り行ったから。
私の場合、何かと行事の際に雨に降られることも多いですが、今日の予想を覆しての好天は、お施主様と設計事務所の先生の日ごろの行いと人徳があるからなのでしょう。(笑)
とにかく、青空の下、滞りなく地鎮祭が執り行われたことを嬉しく思います。
T様、本日はおめでとうございました。
さて、お題目は昨日の四辻コーチとのコーチングセッションで感じたことです。
【テーマは、ブランディング】
私たちのような地方の小さな工務店がブランドとして認知されるのは非常に難しい事です。
もちろん、同業他社に比べると強みを持っている点はいくつかあります。
例えば、
- 大工職人を社員として内製化しているので、お客様が喜ばれる施工をする事がスピードよりも優先されるシクミになっています。(外注の請負大工に依頼するのとは逆の構図になっています。)
- 設計は女性の建築士が細かな要望を丁寧にヒアリングしてお客様と一緒になってじっくりとプランを練り上げます。(売り上げの数字を持った営業マンではないので急いで契約する必要がありません。)
- 資金計画については、ローンアドバイザーがお客様の立場に立った資金計画を行います。(利息で商いをする銀行や、とにかくスムーズに融資が決まることを目的とする不動産業者とは全く逆の立場からのご提案をしています。)
- 工事後のアフターサービスは、無料巡回サービスで社員大工が毎年必ずお客様先を訪問して簡単な修理等は無料で行っています。(宣伝広告をせずに口コミ、リピート受注で売り上げを上げていく地域密着のモデルならではのサービスです。)
どれも、長い時間をかけて考え悩み、必死になって取り組んできたすみれ自慢のサービスです。
しかし、私たちが独自に行っていると思っているこのサービスを他社では絶対にできていないかと言うとそんな事は無いかもしれません。
まともに、真面目に顧客との信頼関係を構築しようと頑張っておられる工務店はいくらでもあります。と言う事は、結局、その違いは「程度の差」なのです。
それぞれのプロセスがしっかり丁寧に連携していなければ建築と言う事業は絶対にうまくいきません。しかし、少しずつそれぞれのプロセスでのレベルが高い程度では決してブランドとして認知される事はないと思います。
【では、ブランドとは何か?】
そんな問いを繰り返して考えてみると、最後に私たちが持っている「強い想い」に行き着きました。
それは、ものづくりの本質を守ること。良い作り手を育てることをしなければ、まともな建物を作り続けることができない。という信念でした。
その為に、と、私たちすみれが掲げるミッションは、「職人の社会的地位向上を図る」であり、一見、顧客目線と遠くかけ離れているように思われますが、実はまわり回って顧客に大きな満足をお渡しできるようになると考えています。
建物は、建てておしまいではなく、何十年もの長きにわたりメンテナンスを繰り返しながら住み続けます。そこにはやはり職人の手が必要であることを考えると、サスティナブルと言われる循環型のサイクルには私たちの職人を守り育てるという理念が不可欠なのだと思います。
その理論、その考え方を理解してくださる方が私たちのお客様になると言うことだと改めて気づきました。すべてのコストを顧客が負担するということと共に。
【世界一のブランド、フェラーリに学ぶ】
そんなコーチングセッションをしていると、四辻コーチが「フェラーリと同じですね」と言われました。
フェラーリと言えば、イギリスのブランド価値調査機関ブランド・ファイナンスがまとめた報告で、Googleやコカ・コーラを抑えて2013年の「世界で最もパワーのあるブランド」に選ばれた、ブランド中のブランドです。
「は?なんでですか?」
と聞いてみると、
フェラーリ社は自動車レースの最高峰であるF1に出場する、そして勝利することにコミットをしており、そのためにスポーツカーの販売をしていると言い切っていたそうです。
フェラーリ設立
第二次世界大戦後の1947年に自社製レーシング・マシンを開発し、自動車製造会社としてのフェラーリを設立した。その後友人のルイジ・キネッティの勧めもあり、モータースポーツ参戦資金を稼ぐことを目的にレーシング・マシンをベースにした高級スポーツカーの販売も始めた。Wikipedia#エンツォ・フェラーリより引用
そして、自家用車を買うオーナーにはF1のための開発費や経費が車の価格にオンされている旨の説明をするとの事。
その価値観を共有される人だけがフェラーリオーナーになるのだそうです。自動車メーカーがF1に出場することは自家用車を買うオーナーには直接関係がありませんが、その想いを理解する人がフェラーリをブランドだと認識するということ。
やもすれば、自分勝手な自分都合の押し付けを顧客に対して行ってしまっているとも取れなくはありませんが、ブランドの構築とはそういうことなのかもしれません。てか、世界一のブランドはそのように作られたという事らしく、、
【まとめ】
そんなふうに考えると、確かに、私たちが職人を守り育てることをミッションに掲げていることと通じる部分があるのかも知れません。
とにかく、私たちが行うべきは今、目の前のお客様に対して全力で向き合うこと。
スタッフ全員が力を合わせ、同じ方向を向いて、毎日の建築の実務を誠実に進めて行くことを通じて、私たちの価値観を共有していただける方が1人でも増えるようにスタッフと共に精一杯の努力をしたいと思います。それがいつかきっと、ブランドとして認められて行くと信じて。
いやー、それにしてもコーチングってすばらしい。四辻コーチ、ありがとうございました。