6月13日 快晴のち曇り
神戸は真夏のような青空が広がりました。
海へ山へ、遊びに行ったら最高やろなぁ、と思いつつ、残念ながら今日は朝から晩まで予定がぎっしり。
朝礼とラジオ体操をすました後は経トラックに梯子を積み込んで10年前に新築で建てたお客様宅に屋根のメンテナンスへ。良い汗をかかせていただきました。
応急処置を施して、様子を見ておいてくださいねーと言い残して、軽トラに飛び乗り、次はマンション改装の現場の完工チェック。
担当大工のひめー君がよく気を遣ってくれました。とオーナー様に褒めていただき、一安心。
ひめーくんご苦労さん、ありがとう。
昼からは、「すみれ暮らしの学校」でもタイアップさせていただいている、理事の末席を務めるNPO法人ひょうご安心リフォーム推進委員会と神戸市の提携で行われるセミナー会場へ。
準備の集合時間にも間に合わず、しかも最後までおれずに中座するという失礼なこととなってしまいましたが、非常に実のあるいいセミナーだったと思います。次回は西区で開催なので張り切りいたいと思います。
夕方からは着工予定が間近に迫った神戸牛鉄板焼きレストランの改装工事打ち合わせ、シェフの想いを出来る限り反映させたお店にリニューアル出来るようにと、細部に渡るヒアリングをみっちりとさせて頂きました。
THE 鉄板焼レストランの伝統を守りつつ、いい雰囲気を醸し出す空間づくりのお手伝いをさせて頂きたいと思っておりますので、宜しくお願いします!
夜はオープンしたてのクライアントの店に顔出したり、他にも打ち合わせでごそごそ。
ほんと、忙しくさせていただくことに感謝感謝です。
本日お付き合い頂きました皆様、有り難うございました。
建設業も飲食業も人手不足は深刻
さて、お題目はfb友達の越智さんの投稿見て思わずつっこんでしまった(関西弁バージョンでいう、コメントの事です、笑)今日のやりとりから。
****越智さん、転載させてもらいます!*****
先日、大学で、障がいのある学生と企業を結ぶ雇用をしている方のお話を聴講した。
障がいに関係なく一般雇用で、
飲食業の希望がないという話がでた。Fbの投稿で、飲食業のオーナーさんが求人してもこないという話をみたところだっただけに、興味深い。
単純に学生側に「大学まで出て、なんで飲食業で働かないといけないのか」という考えがあるようだ。
ということは、
ほとんどの人が大卒の今の日本では期待できないってことなのかな。福祉関係は、やはり給与が少ない。男性ではとても家族を養えないなどの現実。
それでは給与を上げたらいいのでは?と思うだろうけど
雇用する側でいうと、定員が決まっており、
それに対しての資格者や雇用数が決まってる以上、
一般企業並みとはいかない。
ようは、儲けれるものではなく、
まぁ福祉だから儲けるものではなく、
奉仕的な仕事といえるのかなぁ。
内容の割にあわないのが現状といえる。*****ここまで転載(一部抜粋)*******
と言った感じで、非常に難しいこの国の構造的な問題を切り取っておられました。
深刻な人材不足に悩むのは、建築業界だけではなくて、飲食業、介護の仕事など労働集約型の事業はどこもとても困っているようです。
ま、飲食業もそもそも職人みたいなものですもんね。
ゆとりの功罪
越智さんも、なんでかなぁ、的なコメントをされていましたが、その理由を考えてみたとき、思い当たるのはやっぱり『ゆとり教育』の存在だと思います。
高度成長期に立身出世を夢見て闇雲に働いて、一億総中流と言われる程、豊かな暮らしを築いた日本人は、忙しくも楽しい暮らしを謳歌しながら、ちょっとゆっくりしたほうが良いと、子供たちにもゆとりを持たすようにと国は教育方針を変えました。
私たちが子供の頃は、「ゆっくりした時間を過ごす」なんておじいさんが引退してからすることで、自分たちには関係がないと思っていましたが、ゆとり教育を受けた子供たちは(良いか悪いかは別の問題として、)そんな我々の世代とは全く違う価値観を育んできたのだと思います。
それは、成功したい、豊かになりたい、社会に貢献したい、誰かのためになりたいと言った、『志』を立てて、目一杯必死になって頑張ると言う姿勢とは全く逆の思考でもあり、自分の出来る範囲で、もしくは自分のやりたい範囲に行動を限定する、まるで悟りを開いた仙人のようです。
そういえば、さとり世代と言う言い方もありましたね。
職業選択は手段なのか、目的なのか、
先日、1人の若者が面接にきました。
なんでも、知り合いの知り合いの工務店の経営者が、私が主宰する職人起業塾に来られた事があるとのことで、私のことを「人間味溢れる社長やからきっと君のためになると思うよ」的なことを言ってくれたらしく、「すみれで働いてみたい」とやって来られました。
立派に4年制の大学を卒業して、建築の仕事がしてみたいと働きながら専門学校に通い建築士の免許を取得。
なかなか見所アルヤンと思いましたが、とにかく建築関係の実務経験は全くゼロ。
大工でも建築士の免許を持っている者がごまんといるイマドキでは、建築士の免状を持っているだけでメシが食える程甘くない建築業界の現状を踏まえて、彼に「これからこの業界で生きていくのなら将来のキャリアを考えて現場に出て建築の仕事の根本を覚えてみたらどうか」と言う提言をしてみました。
要するに、職人からやってみればと。
私としては、精一杯彼のことを考えて提言したつもりでしたが彼としては現場で働くなんて夢にも思っていなかった様子。ビックリしてました。(笑)
冒頭の越智さんの投稿でいうと、「せっかく大学まで行かせた子供をなにが悲して職人(や飲食店従業員などのブルーカラーと呼ばれる職種)になんかならなアカンねん、」と、親が思っているというコメントもありましたが、そんな空気は社会全体に蔓延しているように思います。
その彼からは、数日間考えた末に、やっぱり職人や現場管理として働くのはイメージ出来ないとのことで、断りの連絡がありました。
彼を責める気持は全くありませんし、せっかく建築の仕事をしてみたい。と思ってくれているのなら何とか頑張ってモノになってもらいたいと思います。
建築の仕事って机の上だけで済む事は絶対になく、結局は現場で建物を造る事が仕事なので、現場を知らずして、建築の世界で行きて行くのはとても厳しいと思います。世界で一番有名な建築家、アントニオ・ガウディでさえ職人についてものづくりを教わったと云いますし。。
彼にはなんとか違うアプローチで自分に合った道を探してもらいたいと思います。
もちろん、彼の思考がゆとり世代の代表だと言うつもりはありません。
しかし、我々世代と根本的な思考が違うのは今回のことでリアルに肌で感じたというのも正直な感想です。
彼のこれからの人生を考えて、建築の仕事の本質と共に熱く語った私の提言は残念ながら彼の心に届かなかったですが、それは裏を返せば、彼自身が自分のセルフイメージをしっかり持っているという事でもあります。
あとは、自分には出来ないと言うセルフイメージにフォーカスするのではなく、出来る自分に焦点を合わせて人生に取り組んでもらいたいと思います。
それは、自分がやろうとしているのは本質に目が向いているか?という問いを自問自答する事で見えて来るはずなので、めんどくさいとは思いますが、そんな事を考えてこれからの人生を歩んでもらえたらと思います。
Aくん、頑張ってね。
まとめ
とにかく、我々ブルーカラーの人手不足問題、深刻です。
我々世代が踏ん張って、誇りの持てる職業に業界を引っ張り上げるしかないと思いますし、志を持つ若者が全くいない訳ではないと祈りつつ襟を正して事業に取り組まないといかんな、と改めて。
若者にカッコいいと思ってもらえるようなレベルの高い仕事、そしてそれに見合った報酬、安心して働けるまともな社会保障、将来に希望が持てるキャリアプラン、それらを一つずつ片付けて行かないと、これからの若者は建設業や飲食業に入職してくれないことはどうやら明らかなようです。
要するに、大事なのは職人の矜持ってこと、頑張りましょ。