理想と現実のギャップを埋める『もったいない』

6月18日 曇天時折小雨

今日から少し久しぶりの台湾に出張。

の予定でしたが、現地で行なう変更登記手続きの準備が思うように整わず、「無駄足になるかも知れませんよ、」と知人からの忠告を受けて急遽訪台の予定をキャンセル。再来週に延期としました。

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中華民国の法律に則って現地法人の定款変更の手続きを進めているのですが、なかなか思うように行きません、私が法律も慣習も良く分かっていないのがそもそもうまく行かない原因ですが。。。

台湾で御世話になっている会計士さんに準備を進めてもらっていますので、あと1週間程で準備が整う模様、整い次第行ってきたいと思います。(というわけで、当面国内におりますので、笑)

 

第22回職人起業塾
第22回職人起業塾

昨日の夕方からは、毎月自社のセミナールームで行なっている、マーケティング理論についてのグループコーチング、『職人起業塾』を主宰しました。

参加者は(たぶん)29名!過去最多というか、完全に(私のスキルでは)グループコーチングが出来る人数ではなくなってしまい、事前課題やテーマについて皆さんの意見をアウトプットしてもらう、単なるシェアの場となってしまいました。。(苦笑)

ま、それでも普段あまりじっくり考える事の無いマーケティングの根本的な部分に想いを巡らす時間を持たれるのは悪い事では有りませんし、何かしら気付きや発見のきっかけになればと思っています。

 

第22回職人起業塾
第22回職人起業塾

テーマは、『経営資産を活用する』

アメリカのシュルツビールが、消費者に対してビールの製造過程の細かな情報を公開した事によって大きくシェアを伸ばして、低迷していた業績を建てなおして全米ナンバーワンのビールメーカーに成長した事例を例にとって、自社が持っている、しかし今活用しきれていない経営資産に目を向けてもらいました。

世の中の殆どの事業は理想と現実のギャップに常に晒されています。もしかすると、広い世界には既に理想を叶えている、という企業も存在するのかも知れませんが、私の知る限り、そんな完璧な会社は見た事も聞いた事も有りませんし、特に起業したての若い会社にそれはあり得ないと思います。

理想を叶える為には山のように積み上がっていく問題を一つずつ解決していかなければならない訳ですが、問題を解決する為には、それ相応の戦力が必要です。

例えば資金。

潤沢な資金力が有れば、目先の問題は結構片付ける事が出来るかも知れませんが、起業家で資産家と言うのはあまり聞きません。。

 

自社の経営資源って何だ?

そこで、資金ではない資産を活用して問題解決に取り組んで行かなければならないのですが、今回のテーマは「それって一体何だ?」ってことです。

技術力、提案力、人脈、設備、経験知、イメージ、キャラ、施工力、機動力、土地、農園、ネットワーク、性格、企画力、オリジナルメソッド、情報、知識、スキル、バランス感覚、プロ意識、姿勢、歴史、フットワークの軽さ、、、

塾生の皆さんからは様々な自社の持つ資産を発表頂きました。

現状の受注、売上げはモチロンその資産を活用して上げているわけですので、胸を張って言われるのは当然ですが、ここで考えてもらいたいのは、

自社が持つ資産を余す事無くフル活用しているか?

そして、

せっかく良い資産を持っているにも拘らず、使えていないものが有るんじゃないですか?

ってことです。

世の中の全てのモノは陳腐化する、とドラッガー博士は言われましたが、今うまく使えている強みや方法論がいつまでも同じ状態で使い続ける事が出来ると考えるのは非常に危険だと思います。

ビジネスは成長し続けて、やっと維持出来る。維持しようとした時点で衰退する。とは、よく聞く言葉ですが、まさにその通りだと思います。
この、自社の持つ資産を見直し、その活用を考える事こそ、マーケティング・アクションとなり、売上げ利益の安定や拡大の元になる種になります。

 

隠れている経営資産の活用例

例えば、、

自社で大工を雇用して、現場管理を大工がする工務店なら、内装仕上げの工程など、大工の手が空く時間が必ず有り、その時間を利用してOB顧客のメンテナンスを回ってもらうことで顧客の信頼を得てリピート受注を増やすとか。

社内で研修や勉強会のノウハウを持っている会社がそれを外部に公開する事よって収益を上げる事が出来るとか、

または、勉強会というコミュニティを形成する事によって、多くの人からの信頼を得て、2次的に顧客を紹介してくれるようになるとか、

見逃してしまいそうな自社の強みや使えるところは実は誰もが沢山持っているものだったりします。

それに、気付くか、気付かないか。

探すか、探さないか。

活用するか、埋もらせ朽ちさせてしまうか。

今回のテーマとなった問いはマーケティング(=自然に売上げ、利益が生み出されるシクミ)に取り組むか取り組まないかという根源的な設問だったりします。

 

気付いていないコトを知る方法

しかし、使えていない資産ってなんですか?と言う問いは、「それがわかっとったら、とうに使っとるわ」と言うツッコミを内包しています。(笑)

マーケティングの大家、ジェイ・エイブラハムは「顧客は知らない事さえ知らない」と言って、提供する側が商品やサービスによって得られるメリット、デメリットを伝える事、教える事の重要さを説かれましたが、これって裏を返せば、「事業者も気付いてない事さえ気付かない」とも言えるのかも知れません。

じゃあ、どうすればいいのか。

一般的に自社の魅力や強みを見直すために行なうべきだと言われるのは、「市場に聞け」「顧客に訊け」ですね。

自社を選んでもらえた理由は自分で予想している内容と違う部分だった、と言うのは非常に良く有る話で、丁寧に顧客に対してアンケートやインタビューを行なう事によって、自分の気付いていない強みや良さ=経営資産を教えられたりする事は往々にして有ります。

その他の方法論では、(あくまで私見ですが、)マーケティングマインドを持って、PDCAサイクルを繰り返すことだと思っています。

そして、螺旋状に繋がり成長を続けるPDCAサイクルの一番最初に来るのは、『在り方』です。

トライ&エラーを繰り返しながら一つの問題を解決したら、次のステップに進む前に再度在り方を考え直す、リセットもしくはリフレーミングの時間を持つ事で、自分の中に新たな一面を発見し、それを力にして新たな行動を起す事が出来ると思っています。

 

合い言葉は『もったいない』

とにかく、無い物ねだりをしてもしょうがないわけで(笑)、今自分が持っているモノをフル活用することに集中して、使い切れていないものを探し出し、どうしたらそれが使えるようになるかを考え続けるしか無いと思います。

ずいぶん前の事ですが、接遇のセミナーに参加した際、講師の先生が、挨拶やお辞儀、立居振る舞いがイマイチちゃんと出来ない受講生に対して、「もったいない!」を連発していたのを今でもよく覚えています。

お辞儀や挨拶など、やろうと思えば誰にでもちゃんと出来るもの。それが出来ないのは出来る自分に本人が気付いていないからで、「もったいないと言わずにいられない。」との事でした。

そこに気付くだけで、顧客をはじめとする他人が受け取る印象は大きく変わり、それは当然、成果に現れ、それが加速すると人に好印象を与えれるという事は、人生が変わるくらいに大きなスキルを身につける事かもしれないのです。

飽食の時代と言われて久しいこの国ではあまり聞かなくなった『もったいない』
日本人が守って来たとても素晴らしい価値観だと思いますし、美徳だと思います。その価値観をモノに対してだけではなく自分自身についてもそう思えるかどうかが事業に限らず、人として問題解決や成長する上でも大きな鍵なのかも知れません。

職人起業塾へご参加の皆さんは、サンマの骨、大根の葉まで食べ尽くす気概で、自分の資質、強み等、自身が持つ資産をこれでもかって言うくらい使い倒してくださいね☆

 

 

おまけ、

最近懇親会の方が盛り上がってね?

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懇親会のみ参加、の方が2名もいましたもんね。。。(^^;

第22回職人起業塾、懇親会
第22回職人起業塾、懇親会

 

 

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