6月24日晴
梅雨明け宣言はまだですが、このところ安定した良い天気が続きます。
水曜日の今日はすみれ事務所は定休日、私はNPO法人ひょうご安心リフォーム推進委員会の活動の一環で記念すべき第1回目となるチャリティーゴルフコンペに参加してきました。
スコアのほうは相変わらず振るいませんでしたが、初夏の気持の良い日差しの中、心安いメンバーと楽しくラウンドさせていただきました。
夕方からは書道教室。
コレも何時まで経ってもイマイチ上達しませんが、心地よい疲労感を抱きながら2時間半、集中して硯と半紙に向き合う時間はなかなか良いモノですが、終わりの時間には心身ともにクタクタになってしまってました。(笑)
さて、お題目は昨日は京阪神木造住宅協議会の第21回研修会のこと。
年に4回開催されるこの研修会、いつもは会員として勉強しに参加しているのですが、今日は立場を変えて講師を務めることになりました。
たっぷり2時間半、ハーバードの白熱教室風に参加者にマイクを回して対話しながらの講演をさせてもらいました。
テーマは、「職人起業塾からの提言」。
私たちがこの10数年取り組んできた大工職人の内製化とそれを強みとしてマーケティングを組み立て、お客様からの支持を得てきたプロセスとその理論を皆さんにお伝えしました。
JackやTOTOリモデルクラブなど他団体の方や、このブログを見てくださっているブロガーの工務店経営者の方など多方面から大勢に御参加頂き、60名の会場に50名以上の申し込みを頂いていたとのこと、兵庫県の北、豊岡市や遠方では、北陸の金沢、東京などからも参加いただいた方もおられ、我々の取り組みが時代のニーズに合ってきていることをひしひしと感じることとなりました。
今回の講演は、もともと京阪神木造住宅協議会の事務局のNさんがすみれで毎月開催している職人起業塾に参加されている事がきっかけで、ぜひこの内容を協議会の研修でやってもらいたいと言うオファーをいただきました。
時を同じくして、2700社が加盟する日本最大の工務店ネットワークであり、京阪神木造住宅協議会の上部団体でもある、一般社団法人JBNの青木会長から事務局を通して私宛に、激励の手紙を頂いた事も有り、日経ホームビルダーさんも取材がてら参加して頂いたりと、大いに盛がりました。
備忘録がてら、内容をここにも残しておきたいと思います。
待った無しの職人不足問題
まず始めに、若年層の大工が壊滅的に居なくなっている現状を見て頂きました。
未成年の就業者が2000人を割り込んでいる現状は、10年後になると一人の大工を30社で取り合いになる、もしくは30社の内、29社が消えてなくならないと成り立たない事を示しています。
ずっと以前からぼんやりとは分かっているが目先の問題ではないことで業界全体が先送りをしてきたツケがここに来て溜まり切って爆発寸前になっています。
JBNの青木会長もこの問題に正面から向き合う事を決意され、私に頂いた手紙の中に、問題解決の基本方針を書いてくださいました。
JBN青木会長からの手紙
***以下転載させて頂きます***
<JBNの育成方式>
労働基準法に則った就業規則を満たし、社員大工として受け入れる育成機関は当面の間3年とする。
〇高卒新規入職者募集をハローワークへ労働条件の書類提出できる
〇新規入職者の親にとって、安心して預けられる職場環境をもつ
〇3年を1区切りとして3年で到達すべき技能レベルは、プレカットを用いた大壁仕様の住宅の建方から仕上げまでとする。その後のキャリアアップを目指す。
〇大工職として一生涯食べられる仕組みを作る。
〇育成費用は、正社員であるので工務店が負担、今後JBN工務店・協力会員で国の協力をお願いする。
〇JBNは、就業規則、賃金規程評価システムを作成済
〇一人親方に弟子入り方式は、昔はいい方式であったが、結果的に新規参入者が激減してしまった。
まさに正論かつ、進むべき方向性を指し示しておられると思いますし、これこそ私たちすみれの取り組みそのもの。
今回の研修会のテーマでもある、職人起業塾からの提言とは、このJBNの基本方針を実践、実現可能にするシクミのご提案です。
それは、この育成方式のなかで最も難しい課題である、
『育成費用は、正社員であるので工務店が負担』
『大工職として一生涯食べられる仕組みを作る』
この2点をどのように解決するか、という実務です。
社会的弱者といっても過言ではなくなってしまった、職人と言う職業に若者を入職してもらおうとすると、雇用側からすると『守る』という姿勢が必要です。
現在の殆どの工務店が行なっている、職人は外注というシステムのままでは、本人はもとより、親御さんも若者が職人になる事を忌み嫌います。一般的な企業クラスの社会保障をつけなければ、若い人材は集まりません。
ただ、守るべき存在は守られるべき存在であるべきです。
それは、利益を生み出す=稼げる人材にならなければならないという事であり、今までの様に現場作業だけキッチリ出来ればそれでいい。と言うままでは厳しい建築市場の中では生き残って行けません。
それは、大工職として一生涯食べられる仕組みを作るということにも通じています。
要するに、職人は、今まで以上の価値を創造する事が出来なければ、守られる事も、安心して働くことも出来ない時代に突入したということ。
私たちすみれはこの難問の解決にこの10年間取り組んで来て、漸くその成果を手にする事が出来る様になってきました。
その解決方法とは、職人にマーケティング理論を叩き込む事。
マーケティングの定義は人によって様々ですが、経営の神様、ピーター・F・ドラッガー博士は、
「マーケティングとは販売活動を不要にするものだ」と定義されています。
要するに、『将来の売上げ、利益が自然に出来上がって行くシクミ。』です。
マーケティング理論を職人と共有し、職人がそれを自分のモノにする事が出来たなら、上記に述べた二つの難問が解決出来ると言うのが、私たちが長い時間をかけて取り組んで来た事であり、今回の研修会で皆さんに提言させて頂いた内容です。
では、具体的に何をするのか?という実務については、(長くなりすぎるので、)明日に続けさせて頂きたいと思います。
待った無し!の工務店が抱える深刻な問題の解決策、新しい時代へのシフトチェンジを想いを同じくする工務店の皆様と取り組んで行ければ幸いです。
※ご参加頂きました皆様のfbへの写真、無断で使わせて頂きました、スミマセン。笑