7月23日 曇天
今日は京都へ。
リフォーム、建築事業の全国組織、一般社団法人JACKの年に一度開催される全国大会へ参加してきました。
参加というか、今回は特別講演のプロレス団体ゼロワンの取締役社長であり、看板レスラーの大谷晋二郎氏に続いて第二部のメンバー枠の講演の大役を仰せつかってしまい、職人上がりの経営者、そしてマーケティング塾の主宰者としての立場から皆様に提言をさせて頂きました。
大谷社長の講演は非常に素晴らしく、思考は現実化する、と言うナポレオン・ヒルの言葉を地で行くようなご自身の半生について熱く語ってくださいました。
そして、ゼロワンは団体としていじめ撲滅の為のボランティア活動に熱心に取り組まれているとのことで、ご自身のやられてもやられても立ち上がる姿を通して、「強い人間とは勝ち続ける人ではなく、何度負けても、失敗しても、立ち上がれる人のことだ。」という強いメッセージを子供達に届けておられる姿には、深い感銘を受けた次第です。
大谷代表の熱い想いがほとばしる、素晴らしい講演でした。
問題は、その素晴らしい講演の後が私の受け持ちだったってこと、、(汗、)
ハードルが上がりまくって、大変なことになりましたが、(苦笑)そんなことも言っておれず、とにかく持論を展開して、モノづくりを支える職人の育成、教育の必要性と、それによってもたらされる付加価値について一生懸命に話させて頂きました。
奇しくも、明日は土用の丑の日でもあり、絶滅危惧というキーワードで、うなぎと大工の人口推移を並べてみました。
冒頭に、つかみが大事かと思い、
まむしたべますか?
という質問をスクリーンに映してみたところ、関西の人は「ウンウン、」と頷いてくれて、その他の人は不思議な顔をする予定だったのが・・・・
予想に反してほぼ全員が???という顔。
完全に滑りました。笑
(関西では)言うまでもなく『まむし』とはうな重のことですが、年代の違いもあるのか、皆さんその呼び名をあまり使わないようでして、、。
とにかく、土用の丑の日の前日という事で、京都の京極にある(自称)日本一美味しいうなぎのお店の紹介もしておきました。
参加された方がお店に行って、「まむし下さい。」と誰か一人でも言ってくれたら本望です。(笑)
ちなみに、講演の中で紹介したうなぎのグラフはこれ、
大工はこれ、
全く同じような推移です、完全に絶滅危惧種ですね。。
ちなみに5年前の国勢調査の結果からはこんな状態で、、
この調査後、若年層の入職者はほぼゼロのまま横ばい、あと数年後にはM字グラフの山の部分の両方ともが引退して消えてしまうと考えると、正直恐ろしくなってしまいます。
データーから見ても既に職人不足は顕在化しており、見れば見るほど待った無し、の危機感が募ってきます。
このまま、若年層の建築業界への入職者が増えなければ、5年後にはとんでもないことになる、そして、仮に大工を目指す若者が入ってきても技術を身につけるには5年程度の時間が必要という事を鑑みると、職人不足問題はまさに待った無しです。
この問題の解決は、うなぎの様に先行投資して稚魚を育てるしか残された道はないのですが、投資に対するリターンのイメージが出来ないような事業は誰もやりたがりません。
ちなみに、うなぎは穫るから育てるに転換してこのリスクを回避しています。
なので、職人を育てること、(=企業の利益に繋がる育成プランを立てること)が絶対に必要なのですが、その観点は国土交通省にしても、業界団体にしてもすっぽりと抜け落ちたままです。
今回、職人起業塾からの提言として皆さんにお話をさせて頂いたのは、次世代を担う若い入職者に技術の伝承と共に、売上げ、利益を残さなければ事業は成り立たないこと、そして現場で働くことは、次の受注をもらう為の種蒔きである、という意識を持ってもらえるようにマーケティング理論、経営者感覚を教え込む必要がある。という事でした。
クモデ代表理事には、リスクの認識、その回避の方法論から途中で大工の付加価値論に話が変わったね、と若干の揶揄をされてしまいましたが、、(苦笑)
職人を守り育てるには、守り育てられる価値を職人は持つ必要があり、それが出来なければ今までと同じ様に、現場作業以外の仕事は何もできない、将来のキャリアを持つことが出来ない旧態然の単なる現場作業員として人員の在庫となってしまいます。
ドラッガー博士が唱えられた、『単純労働者から知識労働者への転換』を大工は果たさなければならない時代に入っていると思うのです。
職人も、事業者も、顧客も、全ての人が意識を大きく変える時だと。
私たちすみれのミッション、『職人の社会的地位の向上』への取り組みを進めることで、少しずつこの難問が解決の方向に向かうのではないかと思っています。
職人、現場管理者の意識改革のサポート事業、そろそろ本格化しますので、ご期待下さい。
おまけ、
大谷代表、ありがとうございました。
微力ながら子供達への支援事業への協力、させて頂きますね!