8月24日 晴れ
月曜日は現場から。
来月のシルバーウイークに間に合わせる、という厳しいミッション’(笑)の依頼を受けている店舗工事の現場へ。
現場でスタッフとの確認の後、クライアントと打ち合せ、内装の解体を行なって、全て明らかになった現場の実際に則した内容の煮詰めをさせて頂きました。
基本的なプランを気持よく採用頂いて、工期を睨みながら細部の調整に進むことが出来そうです。
後は、設計担当のみまっちに図面をもう少し書き込んでもらって、いっぺーくんはじめ、現場のスタッフに気張ってもらうだけ、ミッション達成のイメージが出来ました。(笑)
建築工事には法的根拠が必要というあたりまえ。
打ち合せを終えて、工事着工の事前協議と法的な確認に消防署や市役所の建築指導部をハシゴ、工事を進めるにあたっての法的根拠をしっかりと確認しておきました。
昼からは、私も理事として参加させて頂いている、NPO法人ひょうご安心リフォーム推進委員会主宰のセミナー会場へ。
当NPO法人の顧問でもあり、建築業界におけるNo1弁護士の呼び声も高い『秋野卓生』弁護士による、『リフォームトラブル防止セミナー』に参加しました。
最近のトラブルや訴訟の傾向や、最新の判例を学ばせて頂き非常に勉強になりました。
その中の一つを紹介しておくと、、
建築業の不法行為(過失、手抜き)の訴訟が急増しているとのことでした。
不法行為責任とは、故意、過失に拘らず、建物に住まう居住者に対して危険を及ぼす行為のことを指すらしく、新築工事において法的に義務づけられている瑕疵担保責任10年を越えて、20年まで責任を追及出来ることになっているらしいです。
私は、契約時に契約書の保証期間の説明をする際、長期保証は10年ですが、施工不良など、工事自体に問題がある場合は何時まででもキッチリと保証させて頂きます。と説明しています。
20年しか責任を負わなくていいとは知りませんでしたが、私たち建築のプロとしては、そこは一生責任を持つ気概が必要だと改めて感じた次第です。
手抜き=過失=うっかりミス=不法行為という最高裁の判例
そして、最近の事例をまとめてみると、新築の訴訟よりも、リフォーム時に発見された不法行為の案件の方が多いとのことでした。
十数年前の工事の不具合=不法行為が見つかったとき、その際の契約はどのようになっていたのかが問題になるのかな、とふと考えましたが、なんと!不法行為は契約内容と関係なく、過失、手抜き等、一般通念上危険な工事を行なったら契約書にいかなる特記事項が書いてあろうとも20年の責任を負わなければならないらしいです。
当たり前っちゃーあたりまえですが、不具合が見つかって、これって不法行為じゃないの?と裁判所に持って行き、認められたらその当時の契約を全て凌駕してその判断が優先されるという事です。
秋野弁護士は具体的な事例もご紹介下さいまして、最高裁の判例から見ると、
- 下地がないところに吊り戸棚をつけた。
- 鉄筋のかぶり厚の不足
- 雨漏
- 手摺の無い階段
- 釘止めをしない瓦
これらが全て不法行為ととられるような広範囲に渡って原告を守る判決が出たとのことでした。
全職方の細部の施工まで全てにミスが無いかチェックできる?
モノづくりの会社がちゃんとしたモノを作ることは当然の義務ですし、それがしっかりと出来ないのならば、モノづくりをやめて販売だけの会社に変わるべきだと思います。
そして、建築工事は数多くの職方の様々な多岐に渡る仕事の積み重ねによって成り立ちます。
大きな工事で現場管理者が常駐するのはごく当たり前ですが、リフォームや店舗リニューアル工事で、全ての現場にずっと管理者が現場に張り付くスタイルをとっている会社は現在の業界では殆ど見られないのが現状です。
そんな風に考えると、小心者の私としては、やはり社員である担当大工がはじめから最後まで張り付いて会社の代理人として全ての責任を負いながら工事を進めて行くしかないと思ってしまいます。
ま、iTを駆使して各職と完璧な連携をとったり、情報共有や意識レベルを合わせるコミュニケーションをとる時間を持ったりして固い信頼関係を築き上げて現場品質を保っておられるお会社もあるようですが、それはそれで非常に高いハードルを飛び越え続けなければなりません。
職人の内製化は時代の要請。
職人の内製化の価値を見直す環境が着々と整って来ている様に思います。
『職人の社会的地位の向上』を社のミッションに掲げている私たちにとっては嬉しい追い風です。
そして、同時に工務のスタッフにはより一層、襟を正して確実な、正しい工事をしてもらわなければなりません。
みんな、たのむよー!(^ ^)/#