餞は『一期一会』と『残心』

9月23日 晴れ

大型連休となったシルバーウィークも今日で終わり。

今日は水曜日と重なったということで、連休関係なしのすみれ事務所もほぼお休み、さすがに静かな一日でした。

私も特に外出の予定もなく、落ち着いて事務所に籠って書類整理と資料作りと書き物に集中することができて、夕方は毎年恒例のお墓参りへ、良い締めくくりになりました。

お彼岸の墓参り
お彼岸の墓参り

 

それにしても、月日が経つのは早いもの。

連休が明けるとまもなく中国人実習星の王くんと張君が中国に帰国します。先週末に送別会をした時はまだ先のように思っていましたが気がつくとXデーはもう直ぐそこ。

3年間の実習期間も長かったようで振り返ればあっという間だったような気がします。

歓送迎会集合写真
歓送迎会集合写真

 

外国人実習生を受け入れ続ける理由

外国人実習生の受け入れは、様々な問題点が指摘されることもしばしばで、賛否両論あるのはよく知っています。

それでも、長年にわたって実習生の受け入れを続けているのは、お互いにとってメリットのあるwin winの関係が築けると思っているから。

自社の社員大工による施工は、極力1人ではなく、ひと昔前で言う『てったい』(手伝い)や『ボンさん』(見習い)を連れて現場に2人で行くようにさせたいと思っています。現場を担当する大工の数だけ若衆が必要となりますが、建築業界に若年層の入職者が激減して、そんなに多くの若衆が集まらない原状があります。実習生を受け入れることで、それを補完できるのは非常に大きなメリットです。また、異国の地まで来て技能や言語、文化を学び取ろうとする前向きさ、高いモチベーションを持って仕事に向き合う姿勢は日本人スタッフに取って大きな刺激を与えてくれます。

実習先は日本に来ることで、(一応、)中国にいる時よりは稼げるとともに、日本語を習得し、日本文化を理解することで帰国してから大きなチャンスを掴むことができる可能性が開けます。彼らにとっても、人生を成功に導く大きな転機になるきっかけになると思っています。

彼らは単に出稼ぎに来てお金を貯めるだけではなく、また私たちも単に低賃金の労働力を確保する為だけではありません、それだけを目的としては外国人実習生事業は絶対にうまくいく事はなく、お互いの成功を望み合う関係性を構築出来るからこそ、実習生の受け入れを継続しています。

送別会にて、工務部集合!
送別会にて、工務部集合!

彼らに学ばせてもらった、周りの環境は自分次第ってこと。

そして、それはどちらの立場にあっても自分次第で良くも悪くもなるというのが実際で、全ては自分次第です。その意味から言うと今回実習を終えて帰国する2人は素晴らしい人材でした。

片言の日本語しか話せない状態でやってきて、日々勉強を積み重ね日本語の検定試験に合格し、飽くなき向上心と前向きな思考で仕事を覚え、いつしか日本人のスタッフと同じように頼りにされるようになりました。自らの努力で周りの環境を一変させて、自らも働きやすく、周りに感謝される環境を自分達で作り上げたのです。

そして、日本の文化を理解し吸収しようというたゆまぬ努力を積み重ね、日本人よりも日本人らしい価値観、基準で物事を判断できるようになりました。

恥ずかしながら、私自身もすみれのスタッフもそんな彼らに多くのことを学ばせてもらったように思います。

なので、送別会は涙、涙、大ちゃん男泣き(笑)

号泣のプレゼント贈呈式
号泣のプレゼント贈呈式

これには私も思わずもらい泣き、、

餞の言葉が言葉にならない
餞の言葉が言葉にならない

建築女子も大泣き。

 

お餞別

そんな彼らに帰国のお土産にと所望されたのは、私の直筆の書を書いて欲しいとのことで、(文字も指定、笑)この連休の落ち着いているときに、と、拙いながらもなんとか書き上げてみました。

恥ずかしながら、、(出来映えについては、私自身の備忘録という事でご容赦下さい、汗、)

一期一会
一期一会

一期一会は、(いつ出逢いがあっても万端の準備を整えるべく)日々のたゆまぬ努力こそが人との素晴らしい出逢いを生み、その『縁』が必ず君の人生を豊かにしてくれるはず。

残心
残心

残心とは、心を残すこと、それは優しさを忘れない事に他なりません。
そして、優しくあるには強くあらねばなりません。
人との縁を生かし、強く、優しく、意義の深い人生を送って下さい。

という、彼らへの3年間の感謝と、これからの人生についてのエールを書き込んだ手紙と共に。

またの再会と、お互いの成長を確認し合える機会があることを願いながら、日本での経験が彼らのすばらしい人生の糧になることを祈りつつ、、

王くん、張くん、本当に三年間ご苦労様でした。

ありがとう。達者でな!

スリーショット
スリーショット

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