11月12日 晴れ
少し肌寒い朝、少し早めに起き出して、新幹線の駅へと向いました。名古屋で開催されるJBN(ジャパン・ビルダーズ・ネットワーク)の全国大会への参加です。
名古屋に着いた頃にはすっかり青空が広がり、栄駅をおりて会場となる名古屋東急ホテルまでの10分程度の道のりを歩くだけでも汗ばむ陽気。一日中ホテルの中に閉じこもるのがもったいない様な天気になりました。
青木会長のお話
式典の冒頭にあった青木会長の挨拶では印象的な言葉がいくつかありました。
一つは、近年JBNが取り組んで来た工務店の長期優良住宅へのシフトが一段落したが、その波に乗り切れなかった工務店が多くあったという事。2020年の改正建築基準法の施行に向けて、移行期間の今の内に法適合出来る設計、施行をしておかなければならないにも拘らず、多くの工務店がその波に乗り遅れてしまったことに非常に残念がっておられ、工務店であるにも拘らず、新築が建てられない様になってしまわないかを心配されておられました。
もう一つはやっぱり大工人口の急激な減少のこと。
全国で若年層の大工の数が2000人を切っているというのは、破滅的な数字であり、どんな産業でもここまで酷いのはあり得ない、このままでは建築業界に未来は無い。との事でした。その対策としてはやはり若者の大工への正規雇用、社会保障をしっかりと担保しながら、安心して働ける場を提供するところから始めるしか無い、ということで私たちすみれがこれまで取り組んで来た方向性と全く同じであり、『職人起業塾』で推し進めている職人を守る事、と職人自体が意識を変えて守られるべき人材になること、その為の教育を一体として進めなければならない事を改めて確認させて頂きました。
マーケティングライター牛窪恵氏の基調講演
基調講演はマーケティングライターの牛窪恵氏による、『今、何が売れるか、誰が買うか?』というマーケティング調査に基づく市場全体のトレンド動向についてとその対応、対策について。
なんでも、日本全体が名古屋を代表される『東海型モデル=母娘族、メリハリ消費、地縁コミニティ』になりつつあるとの事。独自の視点での帰着はなかなか面白いモノがありました。
ちなみに、ここ最近の消費動向とは、
①意外なモノが売れた。民泊で法律を変えるくらいのニーズを産む『インバウンド効果』
②アナ雪、ハリポタのヒット。団塊ジュニアによる『二世代・三世代消費』
③レイコップ、ヨナナスメーカーのヒット。『お家ハッピー、家中ハッピー』
④先端技術&呟き好き、モバイルで充実生活=『モバ充』
⑤ジェルボール、ミラカール、ツムツムの流行。働く女性&デジタル世代=『時短&スキマ消費』
⑥高級かき氷、ドライプレムアムは週末プチハッピーに代表される『メリハリ消費』
⑦七つ星、希少糖、Jコンセプト=団塊世代「O-65世代」『ネオシニア消費』
とのこと。
今後のマーケットへの対応策
これらの消費動向をまとめてみると名古屋人特有の消費動向と一致するとのことで、そこから導き出される工務店が留意すべき方向性をまとめられて下さっておりました。
『母娘族』新築を建てるのは奥様の実家近くに建てるので、実家、親世代への繋がりを積極的に取り組むことで、次の需要をキャッチする事が出来る。
『メリハリ消費』コスト感覚に厳しいが、良いと思うモノ、ブランドには惜しみなくコストをかけるのでブランド構築を目指すべき。
『地縁コミニティ』地元愛に応えるにはやっぱり地域に密着すること、地域の人々と一体になるコミュニティーの構築が不可欠。
以上で、一億総名古屋人時代への対応が出来るとの結論に達しました。(笑)
少し切り口は違いますが、消費者ニーズの本質を考えたとき、その結論は常々私たちが行なっている当たり前の事をしっかりと行い、精度を上げていく事で対応ができちゃうんや、と言うのが私の感想でした。
それにしても、、牛窪さんのマシンガントーク、凄い勢いだったっす。
正直、その話の早さにびっくり。(笑)