職人不足問題、根本的解決の糸口。

12月3日 雨のち曇り

今朝は寝坊した娘を学校まで送り届けるバカ親ぶりを発揮した結果、朝のルーティーンを崩してしまい、何となくドタバタとしたスタートとなりました。

「もうえー歳やねんから、自分の責任で好きなだけ遅刻したらええやん、自分の人生やろ」

と、喉まで出掛かった言葉をぐっと飲み込んで、校門前でいってらっしゃい。と笑顔無く見送りました。
ま、こんなことで愚痴れるのもあと数年、滅多に無い娘との接点ということで、バカ親を続けようと思います。本人の為になるかどうかは微妙ですが、、

 

 

日本初の大臣認定取得!

さて、Facebookでは昨日紹介して、非常に多くのお祝いの言葉や励ましのコメントを頂きましたが、念願のアレ、とうとう手元にやってきました。

厚生労働大臣認定書
厚生労働大臣認定書

『職人起業塾』が厚生労働省大臣の認定を受けて、ものづくり人材育成助成金を利用して受講出来る認定書です。

もともとはと言えば、スタッフのよーへーが独立するにあたり、経営の勉強をしたいと言い出したのがきっかけで、それまで社内研修で単発ながらも延々と続けてきた原理原則論を順序立てて伝えるべく始めた勉強会が「職人起業塾」です。

それが、少しずつ口コミで広がって取引先や、近所の同業者の社長、それらの知り合いを介して異業種の経営者が集まるようになり、日本最大の工務店業界団体であるJBNの下部組織「京阪神木造住宅協議会」から「研修事業としてやってもらいたい」というオファーをいただき、今回、厚生労働大臣認定事業としての申請を行いました。

この度、晴れて国が職人を始めとした現場実務者向けに技術的なことではなく、意識改革、マーケティングの基礎知識を学ばすことに国費を使う認定を下ろしてくれたという事です。
今回の様な大工を始めとした職人、もしくは現場監督といった現場実務者向けに技術ではなく意識改革、マーケティングマインドの浸透を目的とした研修事業は今まで一切認められて来ませんでしたが、ようやくここにきて絶滅しかける職人の育成事業に国が本腰を入れなったのだと思います。

大工は絶滅の危機!?

このブログで何度も書いてきましたが、日本のモノづくりを支えて来た建築職人は減少の一途を辿っています。関東地方を筆頭に各地で職人不足問題が噴出し始めて、婦人服のしまむらでは、職人不足による工期の遅れが影響して事業計画の出店の40%が出来なかったと言う報道もありました。
国土交通省をはじめとする各省庁も漸くこの問題の解決に本腰を入れざるを得なくなったのが、今回の認定に繋がったと思っています。

とは言え、国として今まで全くなんの対策も講じて来なかった訳ではありません。多額の国費を投じて『大工育成塾』なる若者を入職させる為の国家プロジェクトも13期も続けてきました。しかし、それらの施策は全く奏功しなかったのが残念ながら現状で、今では若年層(未成年)の大工見習いの人口は2000人を切っていると言われています。
単純計算で各都道府県に割り振ってみるとひと県あたり、なんと40人程度です。型枠大工を除いた造作大工の平均年齢は50歳後半から60歳と言われていることと合わせて考えると、10年後の建築業界は悲惨どころか、破綻してしまう数字です。

 

どっかりと横たわる根本的問題。

この様な深刻な問題は目先の対処ではなく、根本的な解決へのアプローチが必須なのですが、国はその施策を打ち出すことが出来ませんでした。その理由は、最も重要な一つの視点が抜け落ちていた、もしくは分かっていてもどうすることも出来なかったのです。

その視点とは、若者が大工になりたい!と思える様な魅力ある職業にする為に、そして若年層の大工を受け入れても育てる間の費用を賄える『稼げる大工を育てる』シクミづくりです。

そして、この問題をさらにややこしくしているのは大工を育成する担い手がいないこと。
まとめると、

  1. 大工育成を大工が出来なくなった。大工の賃金の低下で掃除しか出来ない見習いの給与をろくに払えない。
  2. 大工に代わり大工育成を担うべき工務店は大工を下請け外注にしている会社が殆どで、大工の年収を上げること、稼げる大工に育てることは利益に相反する。
  3. そもそも、建築業界に将来的な売上げを稼ぐ方法論、手法が共有されていない。

 

 

問題解決の根本的アプローチ

これらの問題を根本的に解決しなければ、若者は大工になりたいと思わないし、その親も良しとは思いません。現状は、学生を卒業して大工になりたい、と子供が言たとしても、そんな不安定な仕事は辞めておけ、と止められるのがオチ。
近い将来大工は絶滅してしまいます。
これを、まとめて解決するのがすみれ本社で行なってきた『職人起業塾』の取り組みです。

  1. 大工を正規雇用、社員働くことでとしてキャリアアップの一貫として若手の人材育成が業務になっている。(若手が育てば自分の仕事は楽になり、売上げも増える構造)
  2. 大工がマーケティング理論を学び、経営者感覚を持って現場に従事することで、現場顧客満足を得て、次の受注を穫って来るシクミ。
  3. モノづくりの本質を守る『職人を守り、育てる』理念のもと、社員大工の独立起業を支援することで、お互いに協力し合えるグループの形成をめざす。
  4. 世界一の呼び声も高いマーケターの理論体系を元にした原理原則に基づいた持続出来る職人向けのマーケティング理論を公開、共有し将来の売上げを作るシクミづくりを毎月の勉強会として開催。

 

 

職人不足問題解決の糸口

この度、京阪神木造住宅協議会を事業主体として、この『職人起業塾』が大臣認定の研修事業となったことで、職人を正規雇用して、安心して働ける環境を整備し、国の助成金を活用して稼げる大工になる為のカリキュラムを受講出来るシクミが完成したのは、これまで解決の糸口が見えなかった職人不足問題の根本的解決へ一石を投じることになったと思います。

この、国の後押しをもらい、職人を育てる流れが全国に波及して、各地で同じ様なシクミを利用して根本的な解決への取り組みが進む工務店が増えていけば、日本の大工人口の絶望的な減少に歯止めをかけることができる可能性があると思っています。

同じ志を持つ同志を絶賛募集しておりますので、研修事業にご興味がある方お気軽にお問い合せを頂ければと思います。

研修事業HPはこちら→http://keihanshin-mokuzou.jp/shokunin/index.html

京阪神木造住宅協議会HPはこちら→http://keihanshin-mokuzou.jp

すみれ開催の無料勉強会へのお問い合せはこちら→http://sumireco.co.jp/question.php

 

おまけ、

今日は昼から高断熱高気密住宅のマニアックな技術系の研修会に参加してきました。
省エネ志向がすっかり世の中に定着したこと、建築基準法が改正されて住宅性能が法的に高くしなければ建てられなくなる時代の要請でしょうか、どんどん会員が増えて今回も超満員の満員御礼状態でした。

高性能の住宅は設計と施工の両方の技術力の結晶という事もあって、意識の高い工務店経営者が多く見えます。
ちなみに、関西の断熱のカリスマと呼ばれているダイシンビルド清水社長をはじめ多くの会員工務店が職人起業塾に賛同、参加してくれています。

切磋琢磨!工務店の新時代への幕開け、気張って行きましょう!

新住協関西支部研修会
新住協関西支部研修会

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