2月12日 曇
朝方は少し青空が顔を覗かせてくれていましたが、結局太陽を見ることのない、なんだか肌寒い一日になりました。
新築検討中の方の不安。
今日の午前中は新築を検討中の方にご来社いただいて初回のヒアリングをさせていただきました。高気密高断熱の高性能住宅をウリにして飛ぶ鳥を落とす勢いで業績を伸ばされている大手住宅メーカーのI工務店で新築を検討をされていたようですが、最終的に非常に高額な見積もりが提示され、このまま進めても良いか、と、心配になって相談に来られたとの事でした。
昨日のブログでは世界ナンバーワン企業のApple社にせっかく築き上げた圧倒的なブランドを乱暴に扱って荒稼ぎをしすぎている!と苦言を呈しておきましたが、日本の建築業界で最近ブランドとしての認知を広げ大きく業績を伸ばして、大手住宅メーカー棟数ランキングでのトップに躍り出ようとしているI工務店にも(規模はずいぶん違いますが、)同じようなことを感じました。
I工務店は卓越したスペックの高性能住宅を武器に省エネへの時代の要請もあり大人気のようですが、ここ最近は問い合わせがあった見込み客に対して、100万円の設計仮契約をしなければプランも見積もりもしないとのこと。しかも、出てきた見積もりが高額なので他社で建てると言うと、100万円の返金をしないと言う噂がまことしやかに流れています。
そのことによるトラブルがあちこちで勃発しているようだと、聞いてはおりましたが、このところ立て続けに実際にトラブルになっている人の事を耳にする機会がありました。
消費者庁との返金訴訟についての和解文
消費者庁との和解の合意文書までネットの上にありますので、そんなことは無いと思っていましたが、営業担当までしっかりと浸透出来ていないのかもしれませんね。
http://www.caa.go.jp/planning/pdf/150130_2.pdf#search=’一条工務店+設計契約+返金訴訟’
今日相談に来られた方も、高額な見積書の提示と一緒に無茶苦茶な?資金計画の住宅ローンの予備審査を通され、心配になって私たちのところに相談に来られたようでした。
銀行で出来るだけ多くの融資を引出せるようにあれこれと手を尽くし、借りるだけ借りてできるだけ高い商品を売る、その後のお客さんの暮らしのことなど二の次という住宅業界の悪習にどっぷりつかった一昔前の営業手法を日本を代表しようとする大手住宅メーカーの営業マンが未だに使っているのには驚きです。
新築を考えるにあたって、と、私が話させて頂いたのは、断熱、気密は非常に大事ですが、もっと重要な事は暮らし始めてからの暮らしが安心出来るか、という事。
家づくりはギャンブルではなんですから、無理な資金計画でリスクを背負いながら建てるモノではない筈です。せっかく建てる気満々になっておられたのに水を差してしまい申し訳無かったですが、もう一度、絶対に安心と思える毎月住宅資金に支払える金額を考え直すところからやり直してみられませんか、と伝えさせて頂きました。
相談にお越し頂いた若いご夫婦もご理解頂けたようです。
未来を食いつぶす道。
昨日昼に一緒だった、ライフプランナーの田中さんもお客さん先でI工務店との仮契約金が返って来ないトラブルを聞いたところということで、「イマドキ、大手ハウスメーカーがそんなことをするんですね」と非常に驚いておられました。
「昔はそんなことなかったと思うんだけどね、ブランドを構築して、それを使って顧客をどう料理するかといった傲慢な営業手法に変わってしまうのはアップルだけじゃ無いという事だねー。」
と言う話となりました。(苦笑)
どう見ても目先の利益を稼ぐことに囚われて、未来を食いつぶしているようにしか見えませんが、大手がそんなことをしてくれるからこそ我々のような吹けば飛ぶような中小企業が大企業との戦いに勝ち、生き残っていけるというのも事実です。
本物の時代
いい噂も悪い噂も一瞬で広まってしまう今の情報革命の時代、真摯に誠実にまっとうな商売をすればきっとそのうち陽の目を見ることになると信じて原理原則に沿って忠実にやっていこうと改めて思った次第です。
まだまだブランドというには程遠い、私たちすみれも来年は16期目を迎えます。
地元で自社の認知が広がって来た、と思う時には自らの足元を振り返り、謙虚に誠実にお客様に向き合うように、スタッフ共々十分に留意したいと思います。
他山の石。にしないとね。