ながーい視点が本質を炙り出す。

12月14日 晴れのち曇り

三木の河川敷
三木の河川敷

社長の親切がまた工事をなくしました。

もはや12月も中盤、1週間の立ち上がりの月曜日の今日は朝一番から事業主の事務所建て替え計画がある現場打ち合わせに神戸から一山超えた隣町、三木市へと向かいました。

一度は設計事務所さんでほぼプランが固まっていた案件を、工事着工前の段階になって、「本当にこれで大丈夫ですか?」と差し戻しての打ち合わせ。
「何のための建て替え工事か」という本質に目を向けなおしてもう一度ゼロから考え直す流れとなりました。
すっかりやる気になっているお客様に水を差すような提案が最近続き、「社長の親切心でまた工事がなくなりました」と賞賛とも皮肉とも取れるような、スタッフの声もありますが、(涙)
普段から
「我々が作りたいのは単なる箱ではなく、引き渡したその後の暮らしであったりビジネスが楽しく気持ちよく過ごしてもらえる空間になるかが重要だ。」
と言い続けている私としては、目先の利益や売り上げにとらわれることなく、常に顧客に本質的な価値を問うかけて、最終的な判断をして頂くようにしています。
そのせいで、工事がなくなることも少なくないのですが… (苦笑)
それはそれでいいと思っています。

 

禁断の企業風土調査

帰社してからはどっぷりと年末恒例のスタッフの個人面談とミーティング。
入れ替わり立ち替わり、8時間みっちりと部長と2人で次々とスタッフを招き入れ話し込みました。

すみれでは個人面談に先駆けてスタッフ全員にヒアリングシートと言う面談資料を配布して事前に記入してもらいます。個人の取り組みの進捗や振り返り、社内の問題提起、改善策そして今後の目標設定などを半年毎に書き込んでもらいます。

今回はその面談資料+『社内風土調査票』なるものを配布して全体的な社風についての検証も同時に行いました。

これがなかなか、経営者側にしてみると厳しい内容となっており、集計結果によっては随分と反省や改善を迫られるような文言が並んでいます。

ちなみに、こんな感じ。(苦笑)

仕事が楽しくて面白い

仕事が自分たちの成長につながっている

やる気があれば、成長できる仕事のチャンスを与えてくれる

上司は部下育成・教育に取り組んでいる

今の仕事に社会的な意義や使命を感じる

職場の雰囲気は明るく活気がある

同僚や仲間が困った時に助けようというチームワークがある

新しい仕事や難しい仕事に積極的にチャレンジしている

注意すべきことは曖昧にせず、指摘し合える雰囲気がある

決められた職場のルールはきちんと守れる

部門間だけでなく他部門(担当)との連携がとれている

上司や先輩は積極的に話しかけたりしてくれる

他人の話は遮らず、最後まで聴くという雰囲気がある

報告・連絡・相談が徹底している雰囲気がある

言いづらい事も言える雰囲気がる

職場は整理整頓されていて常に清潔である

社内外誰に対しても気持ちいい挨拶がなされている

問題ある社員に対して放置せず適切に指導している

育児や介護をしている人が働きやすい支援をおこなっている

労働時間、休日については法律を遵守し、社員の健康管理を十分に配慮している

上司(経営者)に対して人間的な魅力を感じている

上司(経営者)は業務に関する能力は高く的確な解決策を提示してくれる

上司(経営者)の方針や軸はぶれていない

上司(経営者)は私のことを信頼し、期待してくれていることを実感できる

上司(経営者)は方針に対して率先垂範しており部下の手本となっている

高い成果や業績をあげている社員は正当に高い評価を受けている

人事評価制度は経験と勘ではなく公平、公正に運用されている

会社や上司から納得のいく評価を受けている

人事評価結果は期限までに納得のいく説明がされている

人事評価項目の内容を理解しており納得している

仕事を進める際過去の習慣に促われず、柔軟に方法を変えている

サービス現場のニーズを積極的に掴もうとしている

成果だけでなく効率の良い方法も同時に考えている

自分の意見を発言する機会があり、実践している

社員が働き続けることができる環境がある

与えられた仕事や課題には「まずはやっている」という姿勢がみられる

会社は顧客のことを第一に考える姿勢がある

価格競争にはならない自社ならではの差別化された商品サービスがある

自社の商品、サービスに誇りを持っている

理念やビジョンに共感している

理念やビジョンが明確に示されている

理念やビジョンに沿った方針や計画が示されている

経営方針で決められた事項は徹底されている

上司から定期的に経営方針や計画の具体的な説明を受けている

理念やビジョン、方針と具体的な施策が一致している

これを、

まったく異なる、

あまりそうだとは言えない、

ある程度そうである、

かなりそうである、

まさにその通りである、

の5段階で社員全員に評価してもらうというもの。

点数を集計してみると全体的には、そこそこできていると言う結果にはなりましたが、あまり芳しくないと言う意見にまとまった項目もあり、個人面談の中でもそれらの解決改善について一人一人の意見を聞いてみたり。特に、社内の喋りやすい雰囲気とか明るい雰囲気といった『雰囲気問題』がマイナス点が多く、我々経営陣だけでは解決できないこともあり、意見を聴くと言うよりもみんなに相談するということになってしまいました。
まぁ、それはそれで来年に向けて社内改善の焦点が明確になったと言う意味では非常に良かったと思っています。

 

『死ぬまでしたい事』を問う意味。

個人面談用のヒアリングシートは毎回同じような内容なのですが、少しずつ変化させている部分もあります。
今回は死ぬまでにやっておきたい事を4つ挙げなさいという設問を増やしたことで、普段あまり考えることのないような超長期的な視点に立った自分自身の振り返りを考えてもらいました。

さすがに、「思いつきませんでした。」とか、「とりあえず書いてみました。」的な短絡的な回答を書いているスタッフが少なからずいて、やっぱり普段、死ぬまでのことなんか考えないんだなと改めて感じた次第です。あたりまえか、、

そんなスタッフには、「急いで今考える必要ないけれどもじっくりと時間をかけて自分自身を見つめ直し、考えてもらいたい」ということを伝えました。

その理由は、私たち建築に携わる者はその提供する商品が非常に息の長いものであり、長きにわたって責任を負い続ける仕事だからです。目先の短絡的な価値観で判断しては、何のために家を建てるのか、何のために工事をするのか?という本質を見失ってしまいがちです。
先日このブログでも紹介した大手ハウスメーカーの営業マンが年収から考えると非常に大きなリスクが伴うような高額な住宅ローンを小手先のテクニックを駆使して奨めているのと同じようなことをしてしまう可能性があるのです。

 

『在り方』と『本質』

長期的な視点でものを考えるというのは、本質に迫る入り口でもあります。
「死ぬまでにハワイに行ってみたい」と思ったとして、それがほんとに死ぬまでにやるべきことなのかをよく考えると、行く事自体には価値はなく、そこで家族と楽しむとか、子供たちと最高の時間を過ごすとかもっと本質的な価値に目が向くはずです。我々は常にそういう視点を持ってお客様に接しなければならないと思っています。
個人面談の機会にそのような我々が工務店としての『あるべき姿』や『あり方』を伝えれた事は非常に良かったと思いますし、当初は「あんまり思いつかないんですよねー」と言っていたスタッフも理解してくれたように思います。

これから年末に向けての後半戦、ますます忙しくなるのと同時に怒涛の1人1時間の個人面談もピークを迎えます。

私自身も、何のために事業を行っているのか?という大命題に答えながら年末までの限られた時間を突っ走りたいと思います。

そんなこんなで、皆さんお付き合いのほどよろしくお願いします。(笑)

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