変われない、変わらない。職人気質のオッサンへの応援歌。

2月4日 立春 晴れ

立春に梅の開花のニュース!

二十四節気の一つ、立春。七十二気候では東風解凍と春が始まるころとされ、季節もいよいよ春へと動き始めます。長崎市丸山町の梅園天満宮では境内の梅が咲き始めたとのこと、神戸も暖かな陽射しの良い朝になりました。まだスキー部の活動もこれからで、雪を降らす寒冷前線も必要ですが、あまり寒さに強い方ではないので、このまま寒の戻りが無いことを祈りたいと思います。

   

志を同じくする仲間との時間。

今日は朝から工事をしていた隣地の漏水調へ現場に立会った後大阪へ。
ずいぶん前にジェイのマーケティング復習会でご縁を頂いた青貝社長が主宰するランチ会に参加した後、高断熱、高気密住宅のマニアックな『新住協』なる団体のコアーな研修にハシゴ。
夕方からは栃木から来られている同業のG社長を迎えて顧問社労士の川西氏を交えての飲み&情報交換。
私と同じごんたくれからの職人上がりのやり手若手社長は私と非常に近い志を持っていると以前から思っておりまして、念願かなってゆっくりとお話しする機会に恵まれました。
思った通り!なんだか、未来がパッと明るくなる様な非常に貴重ないい時間となりました。

   

 

 オヤジに刷り込まれた言葉。

三人で食事をしながら語り合った中で、皆の共通の想いは、この建築業界を良くして行きたい。という想いです。特に、私やG社長の様に子供の頃、人様にめーわくばかりかけるどーしようも無かった人間(笑)も社会に貢献出来る貴重な人材にしたいし、出来るんや、という事を広く知らしめ、そして育てていきたいという事。学校の勉強なんか出来なくても、体力とやる気があれば立派な人財となって日本のモノづくりを支える事が出来るし、それはそれで立派な才能なのだと思っています。
子供の頃、父親に、「学校の事なんか別にええ、男は身体だけ丈夫やったら立派に行きていける」と言われ続けて来たことの受け売りの様になってしまいましたが。(苦笑)

 

 

職人が消え行く現状。

とは言っても、現状はなかなか難しい状況で、最近、研修事業に参加して下さって知り合った現場監督さんは、若くして大工になり、親方について長い時間をかけて修行して高い技術を身につけても、結局、建設現場労働者として一括りにされる、と嘆いておられました。
それは、他人からの見た目がどうこうの問題ではなく、いつ収入が途絶えるか分からない、年老いて身体が思う様に動かなくなった時の不安を抱えたまま働き続ける、なんの社会的保証もない今の労働環境に対しての憤りの様に私には感じました。そんな環境で若者に大工になれと言いにくい、また、親御さんにしてみると頼むから日雇い人夫の様な働き方の業界には行かないでくれ、と子供に言うのも(子供を持つ親として)分かりすぎる程分かります。

 

 

 すがりついても昔には戻れない。

「昔は良かった。」年老いた大工さんは口を揃えて言われます。しかし、時代は変わり、いくら職人不足が進んだとしても、大工がもてはやされた良かった時代に戻る事はありません。
社会の変遷と共に、大工も変わらなければならないのですが、長年一般社会の常識と乖離した建設、建築業界で働いて来た職人にはその転換は非常に難しい様です。
少し前に、すみれに社員希望で面接に来た私と同年代の大工さんは、「一人親方では生活も侭ならないので安定した生活がしたい、」と言っておりましたが、私に社員として働くとはどうゆう事か、特にすみれは研修やルール、役割分担としての仕事が他社に比べると非常に多く、「こんなことも、あんなこともしてもらわないとしてもらわなあかんで、」と少し説明しただけで「それなムリですね、私結構頑固なんで、」とあっさりと諦めてもう少し自営業で頑張ってみる、と言われて帰っていきました。

 

 

使い捨て職人への道

私にするとそんな方は珍しくも何ともなく、頑張ってみます、と言ってみたは見たものの、やっぱり出来ませんと言った人も、試しに応援として手伝いに来てみると言って来て、その後なんの連絡が無い大工もこれまでゴマンと見てきました。
優れた技術を持って、一人親方として立派に自営業としてやってられる大工さんも居なくは無いと思いますが、建築の法律も大きく変わり、資本力がある大手企業が安心を前面に出して熱心にチラシを撒き、新築だけでなくリフォームにも熱心に営業活動を展開している現状を見ると、元請として顧客から直接請け負う事は非常に困難になる一方です。今、変われなければ、結局、下請け工務店、下請け大工となって年老いて生産性が悪くなったら道具の様に使い捨てられるのが大半になってしまうのではないかと危惧しています。

 

 

 変われない理由

私も元職人であり、現場作業員だっただけに、変われない大工、変われない職人の気持ちは凄く分かります。人とのコミュニケーションが得意でない、勉強する事が苦手、人や会社、ルールに縛られたく無い、現場でやるべき作業だけ黙々とキッチリやって、ややこしい事に関わらずに自由に暮らしたいそもそも、愛想良く人とにこやかに話すのが出来るくらいやったら、こんな仕事してないわい、等々、出来ない理由はてんこ盛りです。

 

 

自ら心に蓋をする。

自分の未来、家族の将来、人生全体を俯瞰して見ればそんな理由、取るに足らないくだらない拘りだと思うのですが、長年培って来た人の思考、慣習はそんなに簡単にひっくり返せるものではありません。また、厄介なのは「変われません、」という職人は自分自身が変わらなければならない事を頭では、もしくは口先だけは十二分に分かっている(と言うだけの)こと。他人があーだこーだと言って変われる位ならとっくに変わっているわい、と簡単に自分の心に蓋をして、とりあえず目先が楽な方に逃げ込みます。要するに、一回きりしかない何よりも貴重な自分の人生に向き合うのをやめてしまうのです。

 

 

じゃあ、どうすればいい?

自分自身、今までそんな職人を山ほど見てきましたし、創業期から苦労を共にして一緒に働いて来たスタッフと「変われない」事が原因で袂を分かった事もあります。本当に悔しく、悲しい出来事でしたが、結局、本人が『変わる!』と心の蓋を外す決意を持たないと私にはどうする事も出来なかったのが事実であり、結論です。結局、どうしようもないのです。(涙、)

 

 

元不良少年からの提言。

しかし、私自身が職人上がり、というか子供の頃は社会からドロップアウトしたダメ人間だったからこそ、そんな心の蓋を取れない、自分の大切な人生に向き合う事をしない人の為に何か出来ないか、という想いを込めて、何か小さなきっかけを作る事が出来ないかとこの度、『職人起業塾』なる書籍を上梓した次第です。
結局、今日も売り込みの様になってしまいましたが、(笑)身の回りに建築職人に限らず、職人系の人で『変わらないといけない、でも変われない、』という方がおられましたら、そんな方の為に書いた本なので是非おススメ頂ければと思います。マーケティングの実務書ではありますが、きっと、少しくらいは胸にチクッと刺さるものがあると思います。(笑)
一般発売は2月10日です。送料無料の先行予約はこちら→http://www.mediasion.co.jp/?cn=100171

 

おまけ

書籍関連の研修事業の売り込みご案内です。(笑)

平成28年2月18 日(木) 神戸市農業共済会館にてJBN主宰の一日セミナー講師を務めます。
http://keihanshin-mokuzou.jp/pdf/JBN160218.pdf

職人起業塾@京阪神木造住宅協議会 二期生(姫路)残数若干名、三期生(神戸、大阪)の募集も開始しておりますよ。
http://keihanshin-mokuzou.jp/shokunin/index.html

宜しくお願いします!(笑)

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