山の様に埋もれているクレーム。

2月8日 快晴


凛とした寒さと雲一つない青空。伊川の河川敷では陰ったところは久しぶりに霜が降りて真っ白。

気持ちの良い一週間の立ち上がり、月曜日の朝となりました。

 

悲しみに包まれた春節祭。

今日は旧正月、すみれの店舗内装専門の子会社がある台湾では例年、盛大に新年を祝われます。
しかし、今年は春節直前に起こった震災の影響で、震源地近くの台南だけではなく台湾全体が少し静かに、新しい年を迎えられている様です。

3.11の際にはずいぶんと多額の支援を台湾の人々から日本の被災地に頂いた事が大きく取り上げられましたが、今度は私たち一人ずつが台湾の人のお力になれるなれることを考える番です。私も微力ではありますが、何か支援出来る事を考えたいと思います。

台南の被害に遭われた方々へのお見舞いを申し上げると共に、災害でお亡くなりになった方へ心から哀悼の意を表します。

 

 

いつまで経っても根絶出来ないクレーム。

月曜日の今日は事務所にて、取引先の担当者さんの来客の対応と、全体の工程、着工予定の整理、お客様へのアクションチェックのミーティング。リスケジュールをしっかりとする時間をとり、お待たせしているお客様への連絡を差し上げました。
そんな中、大変お世話になっているお客様に厳しい苦言を呈された、というかクレームを頂きました。お客様曰く、ひとつ一つは大した問題じゃない、しかし、小さな不満が重なって全体に見ると、

「一体、御社は顧客の事をどう思っとんや、結局、工事後引き渡した後はおざなりか」

と思ってしまう、とのこと。私としては弁明のしようもなく「申し訳ありません」と只々、平謝りするばかりとなってしまいました。

 

 

当たり前の事ができていない。

要するに、手直し工事や追加提案依頼をしているにも拘らず、「日程の連絡が無い、いつまでほったらかしにするんや、」というご指摘であり、担当者に聞いてみると、それぞれ準備を進めているが、全て段取りが出来てから連絡するつもりだった、との事。

スケジュールをマメにお伝えしてコミュニケーションを取っておれば、クレームになったりしない様な事の積み重ねです。そんな当たり前の事が出来ない自社のスタッフに厳しく注意をするのはモチロンですが、結局、全ては当たり前の事をアタリマエにする、社内の意識をまだ全てのお客様に満足してもらえるレベルに精度を上げれない私の責任であり、自らの不甲斐なさを悔やむばかりです。
T様、とにかく申し訳ありませんでした。

 

 

アタリマエにコミットした会議の後、、

今年の年頭に全社員はモチロン、協力業者、取引先商社、メーカーとそれぞれの担当者さんまで集まって頂いて開催した半年に一度のプロジェクト会議では、顧客の満足無くして私たちに未来は無い、皆の明るい未来を創る為に、当たり前の事をアタリマエにキッチリ出来る事をこの場に集った全員で目指し、叶えようという結論が導かれました。
率先して実践して然るべきのすみれの社員が、今回の様なルーズな対応でお客様の怒りを買うなどもってのほか、というか、会議に参加頂いた皆さんに顔向けが出来ません。
私自身、もう一度気を引き締めて業務にあたらないと、と深く反省させられました。
失いかけた信用をなんとか回復出来る様に、スタッフと共に出来る限りの努力を尽くしたいと思います。

 

 

山の様に埋もれているクレームの火種。

今回、お客様からクレームを頂いて、思い出したのはハインリッヒの法則です。
以下はWikipediaより抜粋。

法則名はこの法則を導き出したハーバート・ウィリアム・ハインリッヒに由来している。
彼は、ある工場で発生した労働災害5000件余を統計学的に調べ、計算し、以下のような法則を導いた。「災害」について現れた数値は「1:29:300」であった。その内訳として、「重傷」以上の災害が1件あったら、その背後には、29件の「軽傷」を伴う災害が起こり、300件もの「ヒヤリ・ハット」した(危うく大惨事になる)傷害のない災害が起きていたことになる。

災害防止のバイブルと言われたこの理論は労働災害だけではなく、様々な場面で同じ傾向の統計が見れると言います。この度のクレームが(ギリギリまだ)お付き合いを許されて、再度信頼回復の為のチャレンジの機会を頂けた事を考えると、同じ様な事例が29件起こると、どうしようもない様なあってはならない大クレームが起こるという事になり、逆に、顕在化していないだけで今現在も10倍程度は今回と同じ様な不満を持たれているお客様がいる可能性があると言う事になります。

ハインリッヒの法則
ハインリッヒの法則

 

 

状態を整える事こそ最も重要な事。

また、ハインリッヒの統計学によると、

更に、幾千件もの「不安全行動」と「不安全状態」が存在しており、そのうち予防可能であるものは「労働災害全体の98%を占める」こと、「不安全行動は不安全状態の約9倍の頻度で出現している」ことを約75,000例の分析で明らかにしている(詳細はドミノ理論参照)。なお、ハインリッヒは「災害」を事故と事故を起こさせ得る可能性のある予想外で抑制されない事象と定義している。上記の法則から、

  • 事故(アクシデント)を防げば災害はなくせる。
  • 不安全行動と不安全状態をなくせば、事故も災害もなくせる(職場の環境面の安全点検整備、特に、労働者の適正な採用、研修、監督、それらの経営者の責任をも言及している)。

という教訓を導き出した。

この様に続いており、顧客の声に真摯に対応する事で、大きなクレームを頂く様な不手際は無くせるし、スタッフ、現場関係者の状態を整えることと、行動を起こす際の思考を共有するすることで顕在化しない様な小さな不満も潰す事が出来る事を示唆してくれています。

 

 

 

経営者の仕事の大半は意識改革。

クレームへの対応としては経営者である私が謝罪に行く事は当然ですし、対応への陣頭指揮をする事も重要ですが、経営者の役割として本当に重要なのは緊急で重要な対応に追いかけ回されながら対応、対処を繰返す事ではなく、会社全体を通して業務に従事する人の状態を整え、なんの為に私たちは作業を、仕事を、事業を行っているのかという事を全員に深く理解してもらえる様に理念や想いを伝え続ける事だという事なのだと思います。
自問自答を繰り返しつつ、スタッフにも繰り返し顧客視点での高い意識を持ってもらえる様に言い続け、伝え続けるしかないのだと。
(自分自身を含め、)とにかく意識改革を進めていきたいと思います。

苦言を呈されながらもチャンスを下さったお客様に心から感謝をしつつ、この度頂いたクレームを工事に関わる全てのメンバーの意識を引き締める機会として広く周知し、お客様に頂いたご恩をお返し出来る様にしたいと思います。

ありがとうございました。
そして皆さん、宜しくお願い致します。

 

おまけ

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